「老い」は、生きることの証である
「老いは じぶんの病気ではなく 老いは生の一部なのだ」
これは、詩人・茨木のり子さんが遺した言葉です。私自身、40代を迎えて初めてこの一節に出会い、胸の奥がふっと軽くなったのを覚えています。
現代では、歳をとることに対してネガティブなイメージがつきまといます。若さへの執着や「抗う」という感覚が強すぎて、「老い=衰え」という思い込みに縛られていることも。でも、茨木さんの詩は、そうした常識からそっと私を解放してくれます。
「老い」を、ネガティブではなく美しく見つめ直す
年齢を重ねると、体や心に変化が訪れ、それに戸惑うこともあります。でもそれは決して“病気”ではなく、“生きてきた証”なのだと詩が教えてくれます。
経験を重ねるごとに、感性は磨かれ、感情は深まり、選ぶものはより自分らしくなっていく。
そんな豊かさを、もっと誇りに思っていい─そんな気持ちにさせてくれる言葉です。
私時間で自分らしさを育む、40代からの暮らし
家族のお世話や仕事に忙しく追われてきた日々。ようやく自分だけの時間を持てるようになった今、「無理をしない心地よさ」を感じられるようになりました。
たとえば…
◎ お気に入りの花を生ける時間
◎ 香りを楽しむネロリやラベンダーのセルフケア
◎ 午後の一杯のコーヒー
◎ 本当に好きなものを、他人に見せるためではなく「本当に欲しいから」選ぶ
そんな小さな積み重ねが、毎日の散らかりを整え、私らしさを育ててくれるような気がします。
年齢を重ねるほどに、「軽やかで豊かな存在」へと変わる
年齢とともに、身体や習慣が変わっても、それは「老い」ではなく「変身」なのだとも思います。
たとえば、自分のために選ぶ服が増えたり、心から楽しいと感じる趣味ができたりする。そうした変化を「味わい」として楽しめるようになる。
それこそが「生きることの成熟」であり、まさに“老い”の美しさだと感じます。
肩の力を抜いて、歳月を味わう暮らしへ
若さを「保とう」と必死になるより、肩の力を抜いて、時の流れを一緒に味わう。
そうすることで、人生はもっと深く、もっとやさしく輝き始めるのかもしれません。
もし今、焦りや不安を感じているあなたへ。どうか、「老い」を自分の一部としてそっと受けとめてほしい。歳を重ねるごとに、あなたの感受性は尊く、あなたの存在はより豊かになっていくはずです。