40代になってから、食べたいものと、体が心地よく感じるものが、少しずつ違ってきました。
味覚や消化の変化、忙しさ、体調のゆらぎ。
そのすべてが、食との向き合い方を静かに変えていきます。
「美味しい」と「健やか」は、どちらも大切。
このシリーズでは、40代女性が“味”と“体調”のバランスを取りながら、
食を楽しむための小さなヒントを綴っていきます。
「整える食卓」は、調味料から
以前の「調味料シリーズ」では、“さしすせそ”を中心に、
40代の体と心にやさしい使い方を紹介しました。
砂糖は“白砂糖”よりも“甜菜糖”を。
塩は“減塩”ではなく“ミネラルのある塩”を。
しょうゆは“塩分”よりも“旨味”で味を決める。
これらは単なる“調味料の選び方”ではなく、
「食べたあとに、体がどう感じるか」を基準にするための工夫。
40代の食は、“味付け”から“体調づくり”へと、静かに進化しているのです。
“味”で整える、40代の体と心
40代になると、体の中で代謝やホルモンバランスが変化し、
「いつも通り」の食事が、なんとなく重たく感じることがあります。
そんなときに頼りになるのが、出汁や発酵の力。
味を濃くするのではなく、旨味で満たす。
それだけで、塩分を控えながら満足感のある味わいに仕上がります。
たとえば、みそ汁や煮物、野菜炒めに少しみそやしょうゆ麹を加えるだけで、
体がほっとするような“整う味”になります。
味の深みを生む発酵食品は、腸を整える働きもあり、
心の落ち着きや免疫バランスにもつながっていく。
まさに「美味しさ」と「健やかさ」の両立を叶える存在です。
“食べ方”も、自分にやさしく
40代の食事は、何を食べるか以上に、どう食べるかが大切です。
忙しい日でも、温かいスープを一杯飲む。
お腹が空いてから食べる。
季節の食材を取り入れる。
そんな小さな習慣が、心と体を整えてくれます。
無理な制限や完璧な栄養管理よりも、
“体の声を聞く”ことを意識するだけで、
自分に合う食のリズムが自然と見つかっていきます。
「味」と「体調」をつなぐ、これからの食
食の楽しみは、年齢とともに深まっていくもの。
40代の今だからこそ、“整える”という視点で味わう食事には、
新しい発見や心の安らぎがあります。
食材を選び、調味料を吟味し、
一口を丁寧に味わうこと。
それは、自分の体を大切に扱う時間であり、
日々の暮らしをゆるやかに整えるためのひとつの習慣。
これからの食卓が、
「美味しい」と「健やか」の両方で満たされる時間になりますように。
【関連記事】
▷ 第1回:しょうゆの役割と使い方
▷ 第2回:塩の役割と使い方
▷ 第3回:砂糖の役割と使い
▷ 第4回:酢の役割と使い方
▷ 第5回:みその役割と使い

