ハーブとスパイスの違い ― 部位・歴史・使い方で読み解く、香りの基本【保存版】

②【食】

スーパーで、ローズマリーとクミンを手に取ったとき。

ふと、こんな疑問が湧きました。

「あれ? ハーブとスパイスって、どう違うんだろう」

  1. 毎日使っているのに、説明できない
  2. 調べてみたら、面白かった
  3. この記事について
  4. この記事の内容
  5. 植物のどこを使うか
  6. ハーブの例
  7. スパイスの例
  8. 覚え方のコツ
  9. コリアンダーという、不思議な存在
  10. 香りも、まったく違います
  11. 他にも、こんな例が
  12. 実は、明確な定義はありません
  13. ヨーロッパでは、こんな分け方も
  14. 日本では、もっとざっくり
  15. つまり、厳密でなくていい
  16. スパイスの歴史 ― 富と交易の象徴
  17. なぜ、そこまで高価だったのか
  18. ハーブの歴史 ― 癒しと、暮らしの知恵
  19. この歴史が、今も残っている
  20. ハーブは、生でも乾燥でも使えます
  21. 何が違うのか
  22. 量の目安が、意外と大切です
  23. 生が向くハーブ、乾燥が向くハーブ
  24. ★この章が、いちばん実用的です
  25. 基本の考え方
  26. ホールスパイスは、最初に
  27. パウダースパイスは、焦げやすい
  28. 生ハーブは、最後に
  29. 迷ったときの目安
  30. どちらも「香りが命」
  31. 生ハーブの保存
  32. 乾燥ハーブ・スパイスの保存
  33. 保存期間の目安
  34. 「使い切れないなら、小さいサイズを」
  35. どちらも、自然のサポーター
  36. ハーブに期待されること
  37. スパイスに期待されること
  38. ★ただし、期待しすぎないこと
  39. 注意したいこと
  40. 体調と気分で、選ぶという感覚
  41. 私の、ざっくりした使い分け
  42. まず1つ、変えてみる
  43. まとめ ― 違いを知ると、選び方が変わる
  44. 厳密でなくていい
  45. 台所が、少し楽しくなる

毎日使っているのに、説明できない

料理に、ティータイムに、香りのセルフケアに。

どちらも欠かせない存在になっているのに ―

違いを聞かれると、答えられませんでした。

同じように「香りのある植物」として使われるけれど ―

線引きは、意外と曖昧です。

調べてみたら、面白かった

気になって調べてみると ―

暮らしに取り入れるうえで、知っておきたい違いがありました。

そして、それを知ると ―

選び方も、使い方も変わってくるのです。

この記事について

この記事では、ハーブとスパイスの違いを、いくつかの角度からお伝えします。

使う部位、歴史、保存の仕方、料理に加えるタイミング。

難しい知識は必要ありません。

「なるほど」と思えるだけで、台所が少し楽しくなる

そんな内容になればと思っています。

この記事の内容

ひとことで言うと
1. いちばんの違いは「部位」葉か、種か
2. 同じ植物なのに、分かれるものコリアンダーの不思議
3. 国によって、線引きが違う明確な定義はない
4. 歴史が、性格をつくった交易の富と、暮らしの知恵
5. 生と乾燥、どう違う?香りの質が変わります
6. 加えるタイミングが、味を決める★いちばん実用的な話
7. 保存の仕方も、違います香りは逃げていく
8. 健康との関わりどちらも自然のサポーター
9. 40代の暮らしに、どう取り入れるか体調と気分で選ぶ

1. いちばんの違いは「部位」

植物のどこを使うか

もっとも一般的な区別は、これです。

ハーブスパイス
使う部位やわらかい部分硬い部分
具体的には葉・茎・花種子・根・樹皮・果実・つぼみ

ハーブの例

◎ バジル(葉)

◎ ミント(葉)

◎ ローズマリー(葉)

◎ パセリ(葉・茎)

◎ カモミール(花)

◎ ラベンダー(花)

スパイスの例

◎ シナモン(樹皮)

◎ クローブ(花のつぼみ)

◎ ターメリック(根茎)

◎ クミン(種子)

◎ ブラックペッパー(果実)

◎ ナツメグ(種子)

覚え方のコツ

★「やわらかい=ハーブ、硬い=スパイス」

これだけ覚えておけば、だいたい判断できます。

生でそのまま食べられそうなもの ― ハーブ。

乾燥させて、砕いたり挽いたりするもの ― スパイス。

そんな感覚でも、ほぼ間違いありません。

2. 同じ植物なのに、分かれるもの

コリアンダーという、不思議な存在

★ここが、いちばん面白いところです。

コリアンダーは、同じ植物なのに ―

部位呼び名分類
パクチー(コリアンダーリーフ)ハーブ
種子コリアンダーシードスパイス

同じ植物から、ハーブとスパイスの両方が採れるのです。

香りも、まったく違います

さらに驚くのは ―

葉と種で、香りがまったく違うこと。

◎ 葉(パクチー)

独特の、強い香り。 好き嫌いが分かれます。

エスニック料理には欠かせません。

◎ 種(コリアンダーシード)

柑橘のような、甘く爽やかな香り。

「パクチーが苦手」という方でも、こちらは平気なことが多いです。

★カレーの香りの土台をつくっているのが、この種です。

他にも、こんな例が

◎ ディル

葉はディル(ハーブ)、種子はディルシード(スパイス)。

◎ フェンネル

葉や茎はハーブ、種子はフェンネルシード(スパイス)。

★どちらも、セリ科の植物です。

セリ科には、葉と種の両方を使うものが多い ― これは覚えておくと便利です。

3. 国によって、線引きが違う

実は、明確な定義はありません

「部位で分ける」というのが一般的ですが ―

これは、絶対的なルールではないのです。

ヨーロッパでは、こんな分け方も

「家庭菜園で育てられるのがハーブ」

「遠くから運ばれてくるのがスパイス」

★これは、実用的な分類です。

ヨーロッパの気候では、バジルやタイムは庭で育てられます。

でも、シナモンやクローブは熱帯でしか育たない

だから、輸入するしかなかった。

この違いが、そのまま分類になったわけです。

日本では、もっとざっくり

日本語には「香辛料」という言葉があります。

これは、ハーブもスパイスも含む言葉です。

そして、日本独自のもの

わさび、山椒、しそ、みょうが、ゆず

これらは「薬味」と呼ばれます。

★分類の仕方は、その土地の文化によって違うのです。

つまり、厳密でなくていい

明確な線引きはなく、あくまで便宜的な区別。

「これはハーブ? スパイス?」と迷ったら ―

どちらでもいいのだと思います。

どちらも「植物の恵み」であることに、変わりはありません。

4. 歴史が、性格をつくった

スパイスの歴史 ― 富と交易の象徴

★スパイスは、かつて金と同じ価値を持っていました。

古代エジプトでは、ミイラの防腐に。

インドや中東では、料理と医療に。

中世ヨーロッパでは、肉の保存や感染症対策に使われました。

なぜ、そこまで高価だったのか

理由は、シンプルです。

遠くから運ぶしかなかったから。

シナモンはスリランカ、クローブはインドネシア、ペッパーはインド

すべて、熱帯の産物です。

船で何か月もかけて運ぶ ― それだけで、価値が跳ね上がりました。

★大航海時代の原動力のひとつが、スパイスだったと言われています。

貿易や戦争にまで影響を与えた ― それほどの存在でした。

ハーブの歴史 ― 癒しと、暮らしの知恵

一方、ハーブはもっと身近でした。

家庭や修道院の庭で育てられ ―

民間療法、お茶、香りの生活用品として、日常的に使われてきました。

★ヨーロッパの修道院には、必ず薬草園がありました。

病院がまだ少なかった時代 ―

修道士や修道女が、ハーブで人々を手当てしていたのです。

この歴史が、今も残っている

★興味深いのは、この違いが今の使い方にも表れていること。

◎ スパイス料理の「味」を決める。少量で強く働く。

◎ ハーブ暮らしに寄り添う。お茶、アロマ、入浴剤にも。

スパイスでお茶を淹れる人は少ないけれど ―

ハーブティーは、当たり前にある。

その違いは、歴史から来ているのかもしれません。

5. 生と乾燥、どう違う?

ハーブは、生でも乾燥でも使えます

★スパイスは、ほとんどが乾燥です。

でもハーブは、生と乾燥、両方が流通しています。

そして ―

この2つは、まったく別の調味料だと考えたほうがいいくらい、違います。

何が違うのか

生(フレッシュ)乾燥(ドライ)
香りみずみずしく、繊細凝縮され、力強い
加熱弱い(香りが飛ぶ)強い(煮込んでも残る)
使うタイミング仕上げ調理中
量の目安多め★生の1/3程度
保存数日数か月〜1年

量の目安が、意外と大切です

★レシピに「バジル(生)大さじ1」とあった場合 ―

乾燥バジルなら、小さじ1程度です。

乾燥は水分が抜けているぶん、香りが凝縮されています。

同じ量を入れると、強すぎることがあります。

生が向くハーブ、乾燥が向くハーブ

★これは、はっきり分かれます。

◎ 生のほうがいいもの

バジル、パクチー、ミント、パセリ、チャービル

乾燥させると、香りがほとんど残りません。

◎ 乾燥でも十分なもの

オレガノ、タイム、ローズマリー、ローリエ、セージ

★オレガノは、むしろ乾燥のほうが香りが立つと言われます。

◎ どちらでもいいもの

ディル、タラゴン ― 用途によって使い分けます。

6. 加えるタイミングが、味を決める

★この章が、いちばん実用的です

「せっかくハーブを買ったのに、香りがしない」

そう感じたことはありませんか。

原因は、たいてい「入れるタイミング」です。

基本の考え方

種類加えるタイミング理由
乾燥ハーブ調理の中盤香りが出るのに時間がかかる
生ハーブ★仕上げ・火を止めてから加熱で香りが飛ぶ
ホールスパイス★最初(油で炒める)油に香りを移す
パウダースパイス中盤〜仕上げ焦げやすい

ホールスパイスは、最初に

★カレーを作るとき ―

クミンシードやマスタードシードを、最初に油で炒めます。

これは「テンパリング」と呼ばれる技法です。

スパイスの香り成分は、油に溶けやすい

だから、最初に油に移しておくのです。

★ぱちぱちと弾ける音がしたら、香りが出たサイン。

パウダースパイスは、焦げやすい

★粉末は、表面積が大きいので、すぐ焦げます。

焦げると、苦味が出る。

だから、油で炒めるときは、ごく短時間にします。

★ガラム・マサラは、火を止める直前に加えるのが基本です。

生ハーブは、最後に

バジル、パクチー、ミント

これらは、加熱すると香りが消えてしまいます。

★火を止めてから、散らす。

それだけで、まったく違う仕上がりになります。

迷ったときの目安

★「香りを立てたい」なら、最後。

★「味の土台にしたい」なら、最初か中盤。

この2つで、だいたい判断できます。

7. 保存の仕方も、違います

どちらも「香りが命」

★ハーブもスパイスも、時間とともに香りが逃げていきます。

買ったときがいちばん香る ― これは、覚えておきたいことです。

生ハーブの保存

◎ 冷蔵する

★湿らせたキッチンペーパーで包み、袋に入れて野菜室へ。

数日〜1週間が目安です。

◎ 水に挿す

バジルやパクチーは、コップに水を入れて挿しておくと長持ちします。

★バジルは冷蔵に弱いので、常温のほうが良いこともあります。

◎ 冷凍する

刻んで、小分けにして冷凍。

★生のまま使うには向きませんが、加熱する料理なら問題ありません。

乾燥ハーブ・スパイスの保存

★3つのポイントがあります。

◎ 直射日光を避ける

◎ 熱を避ける(★コンロの横は、いちばん避けたい場所です)

◎ 密閉する

「よく使うから、コンロの近くに置いている」

★これは、香りを早く失う原因になります。

保存期間の目安

種類目安
パウダースパイス★開封後6か月〜1年
ホールスパイス1〜2年
乾燥ハーブ6か月〜1年

★ホールのほうが、長持ちします。

表面積が小さく、香りが逃げにくいためです。

「使い切れないなら、小さいサイズを」

★大きな瓶は、割安に見えます。

でも ―

使い切る前に香りが抜けてしまうなら、結果的に損です。

★よく使うものは大きいサイズ、たまにしか使わないものは小さいサイズ。

この使い分けが、いちばん無駄がありません。

8. 健康との関わり

どちらも、自然のサポーター

★ハーブもスパイスも、古くから薬としても使われてきました。

その働きは、今も研究されています。

ハーブに期待されること

◎ ミント ― 胃腸の調子を整えるとされています

◎ ローズマリー ― 抗酸化作用が知られています

◎ カモミール ― リラックスや、眠りのサポート

◎ レモンバーム ― 気持ちを落ち着ける働き

スパイスに期待されること

◎ ターメリック(クルクミン) ― 抗酸化作用

◎ シナモン ― 血糖値との関連が研究されています

◎ ジンジャー ― 体を温める働き

◎ クローブ ― 抗菌作用

★ただし、期待しすぎないこと

これらは「そうした働きが研究されている」という段階です。

「これを食べれば治る」という話ではありません。

★日々の食事に、少しずつ取り入れる

そのくらいの距離感が、いちばん健やかだと思います。

注意したいこと

★自然のものだから安全、とは限りません。

◎ ターメリック ― 肝機能に不安のある方は、多量摂取に注意

◎ シナモン(カシア) ― クマリンという成分を含みます

◎ ナツメグ ― 多量摂取で、めまいなどの症状が報告されています

◎ セージ、ラベンダー ― 妊娠中の多量摂取は避けるほうが安心

※料理に使う程度の量であれば、一般的には問題ないとされています。

※持病のある方、服薬中の方、妊娠中・授乳中の方は、医師にご相談ください。

9. 40代の暮らしに、どう取り入れるか

体調と気分で、選ぶという感覚

★40代になってから、私が意識するようになったことです。

「今日は、どちらの香りが心地よいか」

そんなふうに選ぶようになりました。

私の、ざっくりした使い分け

◎ 疲れているとき、心を落ち着けたいとき

→ ハーブ

カモミール、レモンバーム、ラベンダー

やさしい香りが、体をゆるめてくれます。

◎ 元気を出したいとき、体を温めたいとき

→ スパイス

ジンジャー、シナモン、クローブ

★冬の朝や、冷えが気になる日に。

◎ 食欲がないとき

→ 刺激のあるもの

クミン、コリアンダー、こしょう

香りが、食欲のスイッチになることがあります。

まず1つ、変えてみる

★全部を揃える必要はありません。

いつも使っている調味料を、ひとつだけ変えてみる。

◎ こしょうを、挽きたてにする

◎ 乾燥バジルを、1本置いてみる

◎ シナモンを、コーヒーにひとふり

それだけで、台所の景色が少し変わります。

まとめ ― 違いを知ると、選び方が変わる

9つの視点をめぐってきました。

部位で分かれ(1章)、同じ植物でも変わり(2章)、国によって線引きが違う(3章)。

歴史が性格をつくり(4章)、生と乾燥は別物で(5章)、タイミングが味を決める(6章)。

保存にもコツがあり(7章)、健康とも関わり(8章)、暮らしに取り入れられる(9章)。

厳密でなくていい

★最後に、いちばんお伝えしたいことです。

「これはハーブ? スパイス?」

その答えを、必ずしも知っている必要はありません。

大切なのは ―

どう使うと、香りが活きるか。

そして、今日の自分に、どちらが心地よいか。

それだけだと思うのです。

台所が、少し楽しくなる

違いを知ると ―

◎ 食卓に、ひと工夫

◎ セルフケアに、ひと呼吸

◎ 暮らしに、ちょっとした変化

そんな心地よさを感じるきっかけになります。

これからも、台所やティータイムに登場するあの香りに ―

「これはハーブかな? スパイスかな?」

そんなふうに楽しみながら、自分らしい私時間を深めていけたら素敵ですね。

※本記事は一般的な情報のご紹介です。ハーブやスパイスにアレルギーのある方は、原材料をご確認ください。 持病のある方、服薬中の方、妊娠中・授乳中の方は、特定のハーブやスパイスの多量摂取について、医師または薬剤師にご相談ください。

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