40代女性のための調味料使い方ガイド|第2回:塩の役割と使い方

③【食・オーガニック・健康食】

毎日の料理に欠かせない調味料「さしすせそ」。
第2回は、料理の基本中の基本「塩」にフォーカスしてお届けします。

40代は、体にやさしい食事を意識しつつ、手間をかけすぎない心地よい暮らしを大切にしたい時期。
そんな日々に寄り添う「塩」の使い方を見直してみませんか?

味を引き締め、素材の旨みを引き出す塩の力

塩には、味を単に「しょっぱく」するだけでなく、素材そのものの旨みを引き出す力があります。
煮物や炒め物、スープでも、少量の塩が加わることで、ぼんやりした味がキリッと引き締まり、味に奥行きが生まれます。

例えば、野菜炒めの下味にほんのひとつまみの塩を加えるだけで、野菜の甘みがぐっと引き立ちます。
逆に、塩が足りないと、いくら他の調味料を加えても味がぼやけたままになることも。

臭み・ぬめり・あくを取る塩の働き

塩は、食材の下処理でも大活躍します。
肉や魚に塩を振ってしばらく置くと、余分な水分や臭みを引き出し、食材の質を高めてくれます。

また、私がよく使うテクニックの一つが、白菜の塩もみ。
鍋にそのまま入れると酸味や雑味が気になる白菜も、刻んで塩をまぶして10分ほど置いてから水分を絞ると、すっきりした味わいに。
余計な水分が抜けることで、スープも濁らず、全体の仕上がりがぐっと上品になります。

保存性を高める:塩の昔ながらの知恵

塩には、微生物の繁殖を抑える働きもあり、保存性を高める役割も担っています。
これは、漬物や塩蔵品、干物など、昔からの保存食文化に根ざしています。

例えば、きゅうりや大根を塩もみすることで日持ちが良くなり、冷蔵庫で数日おいしく楽しめます。
忙しい日の常備菜としても便利で、旬の野菜を無駄なく使いきれるのも魅力です。

色を美しく保つ、見た目のテクニック

塩には、食材の色を鮮やかに保つ働きもあります。
野菜を茹でる際に塩を少量加えると、緑がパッと鮮やかになり、仕上がりがより美しく。

例えば、ブロッコリーやスナップえんどうは、塩を加えた熱湯で茹でると、彩りが生き生きとし、食卓が華やぎます。
料理は味だけでなく、見た目の美しさも大切。塩の力を借りて、目にも嬉しい一品に仕上げましょう。

40代からの健康意識と、塩との付き合い方

年齢を重ねると、「減塩」が気になる方も多いと思います。
けれど、無理に味を薄くするよりも、良質な塩を適量使うことが、心地よい食事への近道です。

私が6年以上愛用しているのは「家島の塩」。
海水から丁寧に作られたこの塩は、塩味に角がなく、素材の味をまろやかに引き立ててくれます。

塩だけでにぎったおにぎりが驚くほどおいしいのは、この塩の力。
シンプルだからこそ素材と塩のバランスが重要で、本当においしい塩は、少量でも味を整えてくれるのです。

「整える」ための塩使いを暮らしに

塩は、素材の味を「足す」のではなく、「整える」調味料。
40代からは、料理に余白を残すような、ちょうどよい味の整え方を意識したいものです。

毎日の食事に、小さな塩のひと工夫を。
素材本来の味に気づき、丁寧に食べる時間が、きっと今の私たちに必要な「私時間」になるはずです。

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