日本の神々と日常の知恵 Vol.17 ― 稲荷神(宇迦之御魂神)に学ぶ「働くこと=生きることの喜び」|心豊かに“働く”という整え方

②<日本の神々シリーズ>

40代に入ると、仕事や暮らしの中で「これまでと同じではいられない」と感じる瞬間が増えてきます。
若い頃のように勢いで突き進むのではなく、自分のリズムや心の声に耳を傾けながら、“働く意味”そのものを見つめ直す時期。
そんな節目に寄り添ってくれるのが、稲荷神(宇迦之御魂神/うかのみたまのかみ)です。

古くから五穀豊穣・商売繁盛の神として親しまれてきた稲荷神は、実は「働く」ことの本質を教えてくれる存在でもあります。
今回は、「働く=生きることの喜び」というテーマで、稲荷神の知恵を私たちの日常にどう活かせるかを紐解いていきましょう。

稲荷神(宇迦之御魂神)とは?

稲荷神は、「稲=命の糧」を司る神として、古くから日本全国で信仰されてきました。
五穀豊穣、商売繁盛、家内安全など、生活に密着した“豊かさ”を象徴する神様です。

稲荷神の御名「宇迦之御魂神(うかのみたまのかみ)」の“ウカ”には、「食べる・生きる・養う」という意味があり、人の営みを支える“命のエネルギー”を表しています。
つまり稲荷神は、単にお金や物質を与える神ではなく、「働くこと」や「つくること」そのものを尊ぶ神でもあるのです。

稲荷神に学ぶ、“働く”ことの本当の意味

40代になると、「もっと自分らしく働きたい」「誰かの役に立つ働き方がしたい」と感じることが増えます。
それは、“稼ぐ”から“活かす”への変化。

稲荷神の教えにある“豊かさ”とは、所有することではなく、自分の力を生かし、他者に喜ばれる循環を生むこと。
つまり、働くことは単なる義務や労働ではなく、自分のエネルギーを社会に贈る行為なのです。

仕事を「自分を表現する時間」としてとらえると、不思議と心が軽くなります。
お金は“感謝の形”であり、受け取ることもまた、誰かの想いを受け取ること。
その循環を意識することで、働くことが“豊かさの実践”に変わっていくのです。

豊かさを循環させる3つのヒント

① 「今日の働きが、誰かの笑顔につながる」と意識する
どんな仕事でも、その先には必ず“人”がいます。
直接感謝されなくても、「この仕事が誰かの一日を支えている」と思うだけで、エネルギーの流れが変わります。

② 「お金=感謝の循環」として受け取る
給料や報酬を“結果”ではなく、“ありがとうの形”として受け取ってみましょう。
「お金をいただく=誰かの信頼を受け取る」と考えると、仕事に対する誇りと感謝が自然に育ちます。

③ 自分の“働くリズム”を整える
忙しすぎる日々は、稲の育ちにも影響します。
休むこと、楽しむことも立派な“働き”の一部。
オンとオフを整えることで、結果的にエネルギーの質が高まり、より良い仕事へとつながります。

40代の私時間に、心豊かな働き方を

稲荷神の「豊かさ」とは、外の成果よりも“内なる充足”。
仕事を通して誰かに喜ばれる喜び、自分の力を生かせる満足感―その一つひとつが、日々の“実り”です。

40代の今だからこそ、「働く=生きる」を実感しながら、自分らしいリズムで人生を紡いでいきたい。
焦らず、競わず、感謝の気持ちとともに。

今日のあなたの働きが、誰かの幸せにつながっています。
そしてその喜びの循環こそが、稲荷神がもたらす“本当の豊かさ”なのかもしれません。

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