最初に、リンゴ農家の木村秋則さんが「UFOと交信した」という話を聞いたとき、正直なところ私は眉をひそめました。無農薬・無肥料で“奇跡のリンゴ”を育てる自然栽培の第一人者としての彼を尊敬していたからこそ、そこに“非日常”が混じることに少し戸惑いがあったのです。
でも、その話が頭から離れない。その静かな語り口と、自然とともに生きるという彼の姿勢には、どこか“虚飾”よりも“本物”を感じてしまうものがありました。「本当かな?」「信じるべきかな?」と混乱するのではなく、むしろその「曖昧さ」が自分の中に何かを問いかけてきます。
木村秋則さんの語る“不思議”な体験
木村さんは雑誌『ムー』などでも何度か取り上げられ、次のような体験を語っています。
UFOの内部にあったという「地球のカレンダー」。そこには、人類のこれから起きる出来事や気候変動などの年表が描かれていたという話。
異星人とのテレパシー的な会話。声ではなく“思い”で伝わる言葉、感情を共有するような経験。
「2032年の預言」として、地球が直面するであろう危機と、それを乗り越えるための意識変化についてのメッセージ。
これらは、確かに科学的に証明されるものではありません。むしろ、たくさんの人にとっては“信じがたい話”でしょう。でも、聞くたびに私は思うのです。あなたがこの物語を“ただのファンタジー”として切り捨てる前に、自分の“感じる心”がどう動いたかを受け取ってみてほしい、と。
信じる・信じないを超えて、得られるもの
この話から私が学んだのは、「白か黒か」で世界を判断しないことの大切さです。
◎ 科学では説明できない「感覚」があることを認めること。
◎ 理屈じゃなく、自分の心が反応する瞬間を信じること。
◎ 信じるということが、必ずしも盲信や迷信になるわけではないということ。
40代になり、経験と情報に裏打ちされた価値観を持ちつつも、まだ“未知”や“語りきれないもの”に胸を開いている自分がいる。そういう曖昧な領域(グレーゾーン)を持っていることで、暮らしが窮屈にならず、心が軽くなるのを感じます。
暮らしに取り入れる「私の整え方」
この“ムー的な物語”を暮らしにただ消費するだけでなく、自分の心を整えるための材料にしていきたいと思っています。以下が、私が日常で実践していることです:
◎ “余白を持つ”時間をつくる
夜、暗い窓の外を眺めたり、月や星を見たりする時間。木村さんの話を思い出すような静かな瞬間を意図的につくります。
◎ 怖れずに「信じたくなる物語」に触れる
UFOや超自然の話、予言、小説、伝承など、“真偽”をまず問わず、自分がどこまで心動かされるかを味わう。
◎ 雑多な情報を“保留”する習慣
驚かされたニュースや奇妙な話を聞いたとき、「それは本当か?」「私はどう感じるか?」を一呼吸おいて考える。判断を急がない。
◎ 自然栽培や農の営みに寄る
土と触れ合い、自然のサイクルの中で育つ植物を見守る。そういう営みの中に、超常的な話以上に“生命の神秘”を感じる瞬間があります。
フィクションとノンフィクションのあいだ
木村さんの体験は、私にとって“フィクションとノンフィクションのあいだ”にある物語です。
科学的証拠があるわけではないものの、心が反応するならそれで十分だと思うのです。
たとえば、ある夜に見た流れ星が、ただの自然現象だったとしても、その瞬間に祈る心が生まれたなら、それは私の中で“真実”です。
心が緩むフィクションは、時に私たちの心のリセットボタンとなり、現実を生きる力を取り戻させてくれます。
心の神秘を、暮らしの灯りに
すべてを信じる必要はありません。けれど、自分が何を感じたか、自分の感覚がどう動いたかを見逃してはいけない。
“UFO交信”というキャッチーな物語も、私たちの信じる心を呼び覚ますきっかけになる。
そして、その信じる心こそが、40代という年齢で失いがちな“わくわく”を取り戻す鍵だと感じています。
たとえ物語が真実でなくとも、あなたの心に灯をともすことができたなら、その話はあなたの暮らしの中の“光”になります。
【関連記事】
▷ 「自然と調和する暮らし方」木村秋則さんに学ぶこと ①/3 | 自然を信じる力と生き方― 40代から心に響いた「奇跡のリンゴ」の話
▷ 「自然と調和する暮らし方」木村秋則さんに学ぶこと ②/3 | 自然の力で育つ食べものを選ぶという整え方

