40代を迎えてから、私はようやく「癒しとは変わることではなく、“戻ること”なのかもしれない」と気づくようになりました。
がんばること、理想を追いかけることに懸命だったこれまでの自分。
でも年齢を重ねてからの私は、“もっと○○しなければ”を手放すことで、初めて深く整う感覚を知ったのです。
癒しとは「変わること」ではなく「還ること」
私がロミロミを学び始めた頃は、癒しとは“前向きになれること”だと信じていました。
もっとポジティブに、もっと強く、もっと理想に近づくこと——それが癒しであり、成長だと。
けれどハワイの自然に抱かれ、ロミロミの手のぬくもりに身をゆだねる中で感じたのは、
「変わらなくても、戻るだけでいい」
という深い安心感でした。
ロミロミは、「身体の滞りを流す」だけでなく、心の鎧をやさしくほどいて、本来の自分へ戻る道をつくる癒しのアートです。
ロミロミが教えてくれた、“ほどく”という選択
40代になってから、自分に向けるまなざしが少しずつ変わりました。
それは、“がんばること”をやめたというよりも、“緩めても大丈夫”と許せるようになったという感覚。
「ちゃんとやらなくてもいい日」をつくる
◎ 「誰かのため」よりも「自分の声」に耳を傾ける
◎ 無理に前を向かず、立ち止まる時間を大切にする
ロミロミの中には、“今ここ”を尊ぶ教えがあります。
それは未来を追いかけることではなく、すでに在る「私」という存在に気づくこと。
この“戻る選択”が、今の私の暮らしをやさしく整えてくれています。
自然の中にある、私を取り戻すヒント
ハワイの自然と文化に触れるたびに、私は「人も自然の一部なんだ」と深く実感します。
風、波、月、土、緑…
それらに触れる時間は、言葉にならない部分で“私”を思い出させてくれる時間です。
今の暮らしで大切にしているのは、日常に自然のリズムを取り戻すこと。
◎ 月を眺める静かな夜
◎ 朝、カーテン越しに風を迎える
◎ 手のひらで植物をそっとなでる
◎ 自然音(波・風・鳥)をBGMにする
どれも、ほんの数分でもいい。
忙しい日々の中に、“戻る”ための扉をそっと開けてくれる習慣です。
40代からの癒しは「緩めて、戻る」生き方
これまでずっと「前へ、上へ」と進もうとしていた私。
でも今は、「戻って、休んで、感じていい」と思えるようになりました。
癒しとは、何かを加えることではなく、
すでに在る“本来の私”に気づき、還っていくこと。
40代という節目は、その優しさを自分に許すタイミングなのかもしれません。
無理に変わらなくていい。
完璧にならなくていい。
あなたが、あなたのままで、深く息を吐ける暮らしが、きっとここにあります。
癒しは「外に探すもの」ではなく、「内に還る旅」
ロミロミと自然が教えてくれたこと。
それは、どんなときも「癒しの風は、いつも自分の中から吹いてくる」ということです。
旅のように感じたこの11回の連載。
でも本当は、それぞれの日常の中にこそ、癒しの入口がありました。
あなた自身が、あなたにとっての最も大切な癒しの存在であることを、どうか忘れないでください。
そして、どうかこれからも「緩める」「戻る」時間を、自分に贈ってあげてくださいね。
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▷ Vol.7 ローカヒ=調和という生き方。ハワイが教えてくれた、心のバランス
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▷ Vol.9“エネルギーの通り道”を開く。ロミロミの手が伝えること
▷ Vol.10 自然とつながる暮らしが教えてくれたこと

