働き方と“学び方”を見つめ直す40代
40代になってから、「学ぶ」という言葉の意味が少しずつ変わってきました。
若い頃は、新しい知識やスキルを身につけることが「学び」だと信じて疑わなかったけれど、今はそれだけじゃ物足りなくなってきた。
本や資格も大切。でも、それ以上に、日々の経験や人との関わりから“自分の中に育っていくもの”こそが、働き続ける私にとってのリアルな学びなのだと、気づいたのです。
ロミンガーの法則とは?
ロミンガー社が提唱する「70:20:10の法則」は、こんな比率で人は成長するとされています。
◎ 70%:日々の実務や経験からの学び
◎ 20%:周囲の人からのフィードバックや指導
◎ 10%:研修や書籍などの形式的学習
つまり、9割は“現場”から育つということ。
私はこの法則を知って、「だから今まで本や講座だけではしっくりこなかったのか」と、肩の力がすっと抜けました。
経験こそが、40代の“学び”を深めてくれる
日々の中で何気なく起きていること─
プロジェクトがうまくいかなかった時、部下の対応に迷った時、上司との価値観の違いに戸惑った時。
その一つひとつを、「失敗」として終わらせるのではなく、「経験の種」として見つめ直すようになりました。
40代の今だからこそ、自分の反応や感じ方に意味を見出せる気がします。
私らしく整える“学びの習慣”
ここからは、私が日々の中で意識している「経験から学ぶための小さな習慣」をご紹介します。
① 経験に“意味づけ”をする
何かうまくいかなかった時、「なぜ?」ではなく、「この経験から何を学べたか?」と問い直してみる。
感情に流されず、一歩引いて“振り返る時間”をつくることで、自分なりの糧になります。
② フィードバックを柔らかく受け取る
同僚や上司、時には後輩の一言も、自分を磨くヒントになることがあります。
すぐに正解を求めるのではなく、違う視点に触れることが「学びの深さ」につながると感じています。
③ 学んだことを“仕事に使ってみる”
本や講座で得た知識も、「現場でどう使えるか?」を考えるように。
実際に試してみることで、自分のものになっていく実感があります。
④ “思考の記録”を残す
手帳に一行だけでも、「今日の気づき」や「こうすればよかった」を書き留めておく。
あとで見返すことで、自分の成長を客観的に感じられる時間になります。
今日からできる、小さなアクション
◎ 「この経験から何を得たか?」を3分で言語化してみる
◎ チーム内の人の視点や提案に、一度耳を傾けてみる
◎ 学びのノートを作って、月に一度だけ見返してみる
◎ 本やセミナーの内容を、明日の自分の仕事にどう活かせるか考えてみる
私らしいキャリアは、知識だけでは育たない
ロミンガーの法則が教えてくれたのは、「実践からこそ、本当の学びが育つ」というシンプルな事実でした。
経験すること、人と関わること、自分の反応を受け止めること。
そういった“暮らしの中の働き方”そのものが、私らしいキャリアを形づくってくれるのだと、今では感じています。
完璧を求めすぎず、でも何となくやりすごすのでもなく、
「今日の私は、どんなふうに育っているかな?」と問い直す時間を、私はこれからも大切にしていきたいと思います。

