40代に入ってから、「手足の冷えが取れない」「眠りが浅くなった」「顔だけほてる」―そんな小さな不調を感じるようになりました。
病気というほどではないけれど、どこかスッキリしない。
それは、女性ホルモンの変化による“血流の乱れ”が関係していると知ったのは、少し後のことでした。
更年期と血流は、深くつながっている
40代後半から50代にかけて訪れる更年期。
この時期、卵巣機能の低下により女性ホルモン(エストロゲン)が急激に減少します。
実はこのエストロゲン、血管をしなやかに保ち、血流をスムーズにする働きも持っているのです。
そのため、ホルモンの変化が始まると血管が収縮しやすくなり、血の巡りが滞りがちに。
冷え、肩こり、頭痛、のぼせ、動悸、イライラ……。
これらの更年期特有の症状の多くが、実は“血流の乱れ”から生まれています。
さらに、自律神経もホルモンバランスの影響を受けやすいため、
「寒いのに顔だけ火照る」「汗が止まらない」といった温度調整の乱れも起こります。
まさに40代は、“巡り”のケアが欠かせない時期なのです。
巡りを支える3つの基本習慣
「血流を整える」と聞くと難しそうですが、実は毎日の小さな積み重ねで十分です。
私が意識しているのは、次の3つの“巡り習慣”。
① 冷やさない
夏でも腹部や腰まわりを温める工夫を。
薄手の腹巻きや、夜の白湯1杯が体を中から温めてくれます。
② 動かす
ふくらはぎは“第二の心臓”。
デスクワークの合間にかかとの上げ下げをするだけでも、血液の流れが促されます。
③ 緩める
ストレスで体がこわばると、血管も収縮します。
呼吸を深くする、湯船にゆっくり浸かる、アロマで心をゆるめる――どれも立派な“巡りケア”です。
これらを続けていくうちに、朝の目覚めが軽くなり、手足の冷えも和らぎました。
体だけでなく、心までも穏やかに流れていくような感覚があります。
「滞り」を責めず、「流れ」を取り戻す
40代は、変化が多い時期。
心も体も不安定になりがちですが、それは“巡り”が変わるサインでもあります。
以前の自分と比べて落ち込むのではなく、
「今の私に合う流れをつくっていこう」と、少しずつペースを整えることが大切です。
体の巡りが整えば、気持ちも自然と前向きに。
焦りや不安が和らぎ、「今日も大丈夫」と思える余裕が生まれます。
ゆるやかに、流れとともに生きる
更年期は「終わり」ではなく、“新しい巡り”の始まり。
血流を整えることで、冷えや不調だけでなく、心の滞りまでほぐれていきます。
完璧を目指すより、「今できることを少しずつ」。
温かい飲み物を口に含み、深呼吸をひとつ。
そのたびに体の内側を流れる血のリズムを感じながら、
今日も“めぐりのある暮らし”を大切にしていきたいと思います。

