乾燥が気になる季節になると、「オイルをたっぷり塗った方がいいのでは」と思ってしまうことがあります。
私も40代になってから肌の乾きが気になり、いつの間にかオイルを“多めに”つけるのが習慣になっていました。
けれどある日、ふと鏡を見たときに「肌が重たく見える」「ベタつくのに、なぜか潤っていない」と感じたんです。
それが、私が“オイルの量”を見直すきっかけになりました。
オイル美容は、肌のバリア機能を支え、水分を逃がさないための大切なケア。
ただし、“量”が多ければ良いというものではありません。
実は、1〜3滴の適量を肌の状態に合わせて使うことで、自然なツヤと軽やかさを保つことができるのです。
オイルの使い方は「タイミング」と「なじませ方」が鍵
オイルを使うタイミングは、洗顔後すぐまたは化粧水の後。
どちらの場合も、肌がまだ“しっとりしている”状態で使うのがポイントです。
乾いた肌にのせるより、水分と油分が自然に混ざり合い、なじみやすくなります。
私は手のひらに1〜3滴のオイルを垂らし、両手で温めてから顔を包み込むように押さえています。
決して“こすらない”。
手のぬくもりでじんわりと浸透していくようなイメージです。
それだけでも肌が落ち着き、内側からふっくらと整っていく感覚があります。
もし乾燥が気になる部分があれば、頬や口まわりなど“部分的に”重ねづけする程度で十分。
全体をオイルで覆う必要はありません。
「塗りすぎると皮脂が出なくなる?」という疑問について
「オイルを塗りすぎると、自分の皮脂が出にくくなるのでは?」
そんな心配を感じたことがある方もいるかもしれません。
実際のところ、オイルの使用が皮脂分泌を止めるという科学的根拠は少ないといわれています。
皮脂量はホルモンバランスや体質によるもので、外からのオイルが直接コントロールするわけではありません。
ただし、オイルを“多く塗りすぎる”と、肌が重く感じたり、毛穴づまりの原因になることはあります。
つまり、肌が必要としていない量を与えないことが、美肌への近道。
肌はとても正直で、過剰な油分をのせると「もう十分」とばかりに自らの働きをゆるめてしまうことも。
だからこそ、“少し足りないかな”と感じるくらいが、ちょうどいいのかもしれません。
肌と対話するように、オイルを選ぶ
40代になると、季節や体調によって肌の状態が変わりやすくなります。
乾燥を感じる日、ハリを失って見える日、どんよりとくすむ日。
そんな時こそ、自分の肌と対話するようにオイルを選ぶことが大切です。
軽やかに整えたい日は「ホホバオイル」や「スクワラン」。
しっとり包み込みたい日は「アルガンオイル」や「ローズヒップオイル」。
1種類を固定するより、“その日の肌”に合わせて選ぶ柔軟さが、年齢肌にはちょうどいいバランスをもたらします。
“ちょうどいい潤い”を育てるという考え方
オイル美容の目的は、“油を足すこと”ではなく、“潤いを閉じ込めること”。
だからこそ、塗りすぎずに「適量をなじませる」というシンプルな行為が、肌の自然な働きを助けてくれます。
私は今、毎日のスキンケアの中で「肌の声を聞く時間」を大切にしています。
乾燥が気になる日は1滴多めに。
調子のいい日は、ほんの1滴を手のひらで伸ばすだけ。
オイル美容は、“たくさん塗るほど良い”ではなく、“今日の肌に合う分だけ”。
それが、40代の私が見つけた“心地よいスキンケアのリズム”です。
