40代を迎え、少しずつ体の変化を感じるようになりました。食べたものでお腹が重たくなったり、肌の調子が乱れやすくなったり。そんな小さな「違和感」に耳を傾けるようになってから、私は「食品添加物」との向き合い方を、改めて見直すようになりました。
前回の第1話では、“見えない存在”である添加物に対して「怖がるのではなく、選ぶ力を持つこと」の大切さをお話ししました。そして今回のテーマは、「保存料」。私たちの食卓に静かに溶け込んでいるその役割とリスクについて、実体験を交えながらお伝えしたいと思います。
保存料って、そもそも何のために使われるの?
保存料とは、食品がカビたり腐敗したりするのを防ぐために加えられる添加物です。特に「安息香酸」や「ソルビン酸」といった名前を、成分表示で見かけたことがある方も多いのではないでしょうか?
たとえば、安息香酸は酸性の環境で効果を発揮し、清涼飲料水やドレッシング、醤油などに使用されています。一方でソルビン酸は、ジャムやハム、漬物など幅広い食品で使われ、カビや細菌の増殖を防ぐ力があります。
これらは法律で使用量がしっかりと定められており、通常の摂取であれば健康へのリスクはほとんどないとされています。
「長期保存=安心」ではないと気づいたきっかけ
私が保存料のあり方に疑問を持ち始めたのは、「日持ちする=体に良い」と無意識に思い込んでいた自分に気づいたときでした。
忙しい毎日。つい手が伸びるのは、開けてから数日もつ食品や、常温保存が可能な加工品。でも、ある時ふと、冷蔵庫の奥に置いていた長持ちするお惣菜が、どこか“無機質”に感じられたんです。
「これは本当に、私の体がよろこぶ食べ物なんだろうか?」
そう思ったときから、商品の裏ラベルを見る習慣がつきました。すると、添加物の多さに気づき、保存料の名前が連なっていることも。安全性は認められていても、毎日少しずつ積み重なっていくものなら、なおさら意識して選びたい。そう思うようになりました。
保存料のリスクと“見えない反応”
もちろん、保存料がすべて悪というわけではありません。
ただ、体質によっては、保存料に反応して肌荒れやアレルギー、喘息症状を引き起こすこともあると言われています。特に、安息香酸とビタミンCが同時に含まれる食品では、条件がそろうと微量の「ベンゼン」(発がん性が懸念される物質)が生成されることがあるという海外の研究も。
日本では厳しい基準があるため、通常は心配いりません。でも、「自分の体調や感覚に敏感になる」という視点は、40代の私たちにこそ必要なのではないかと思います。
私が実践している「保存料との付き合い方」
完璧を目指す必要はないけれど、私は次のような工夫で“保存料との距離”を見直しています。
◎ 買い物ではラベルの「保存料」に注目する
◎ 長持ちをうたう商品ほど、成分を丁寧に確認
◎ 調味料は保存料不使用のものを選ぶ or 自作する
◎ 食べる量を少し減らし、新鮮なものを小まめに購入
◎ 保存料のない“旬の食材”で常備菜を作る習慣を持つ
保存料を全て排除するのは現実的ではありません。でも、「なるべく避けたいとき」と「うまく使いたいとき」を、自分の感覚で選ぶこと。それが今の私にとって、無理のないやさしい選択です。
私時間を慈しむように、食べものを選ぶ
40代は、体も心も“変化の声”をそっと教えてくれる年代です。
保存料を避けることが目的ではなく、自分の心と体が安心して「これでいい」と感じる暮らしを整えていくこと。それが、私がこの連載を通して伝えたい思いです。
これからも、自分の感覚を信じて、心地よい食のリズムを一緒に見つけていきましょうね。