「災害が起きたら避難所へ」。
かつてはそれが当たり前の選択肢だと思っていました。でも40代になった今、本当にそこが「安心できる場所」なのかと考えるようになりました。
実際、避難所には命の安全が守られても、女性のプライバシーや尊厳が守られるとは限りません。
性被害や不衛生、トイレの不自由、夜間の不安…。私たち女性にとって、避難所は決して“絶対的に安全な場所”ではないのです。
自宅が無事なら、無理に移動しないという選択
私は現在、鉄筋コンクリートのマンションで暮らしています。
耐震性の高い構造で、ハザードマップでもリスクは低め。だからこそ、「すぐに避難する」ではなく、まずは“自宅でどう過ごすか”を整えておくことが現実的だと感じるようになりました。
この考えは、木造住宅以外に住んでいる方にも共通して言えることだと思います。
地震による半壊・全壊のリスクが高いのは、築年数の古い木造住宅が中心。それ以外の住まいに暮らしている私たちにとって、自宅避難こそが、最も現実的な選択肢なのではないでしょうか。
でも、“なんとなく避難しない”は危険です
建物が無事でも、ライフラインが止まれば自宅も“安全な場所”とは言えません。
● 水もガスも止まり調理も入浴もできない
● トイレが流せない
● 夜は真っ暗、エレベーターも停止
● 食料も情報も限られる
こうした状況でも落ち着いて過ごせるよう、私は少しずつ備えを整えるようになりました。
「避難所に行かずに、自分の暮らしをどう守るか」——それを意識するだけで、防災の考え方が変わりました。
避難所に行く可能性も考えて。女性目線で整える“静かな備え”
自宅避難が基本といっても、状況次第で避難所に身を置くことになる可能性もゼロではありません。
だからこそ、「避難所にも対応できる、自分のための防災」を考えておくことが、40代からの防災には大切です。
以下は私が整えた、女性目線の防災グッズの一例です。
◎ 目立たない色の寝袋・防寒着
黒やネイビーなど、性別を問わず使える色味のアイテムを選ぶことで、避難所での視線に配慮しながら安心して使えます。
◎ 防犯ブザー・ホイッスル
身の安全を守るシンプルな道具。バッグの外側などすぐ使える位置に付けておくのが理想です。
◎ サニタリーポーチ・生理用品
避難所では手に入りづらいもの。肌に合う素材のもの、吸水ショーツなど、自分が快適に使えるアイテムを備えておきましょう。
◎ 着替え用ストールやラップスカート
着替え時に目隠しとして使ったり、防寒や仕切りにも使える万能アイテム。
◎ 耳栓・アイマスク
避難所では光や騒音によるストレスが大きくなりがち。睡眠の質を保つためにも忘れずに。
こうした備えは、「不安を減らす」だけでなく、「私は大丈夫」と思える心の安心感につながります。
“静かに整える”から始まる防災があってもいい
40代になると、無理のある備えよりも、暮らしにそっとなじむ備えの方が続けやすくなります。
派手な防災リュックではなく、インテリアになじむ防災ポーチや、美味しく食べられる非常食など、心地よさと安全のバランスを取りながら備えること。
それが今の私にとって、一番しっくりくる防災の形です。
災害は避けられないけれど、「私は私を守る準備ができている」と思えるだけで、日々の暮らしに落ち着きが生まれます。
未来の自分のために、今日から少しずつ、静かに整えてみませんか?