40代を迎えると、ふと「もっと私らしく生きたい」と思うことが増えてきます。
けれど現実は、家族のこと、職場のこと、親のこと…。
いつの間にか「私って、誰かのためにばかり動いていない?」と、息苦しさを感じてしまうこともあるのではないでしょうか。
この連載【前編】では、「役割に気づき、小さく手放す」という3つの視点をお届けしました。
そして【中編】では、さらに一歩深めて、「どうすれば役割に振り回されずに、自分らしく生きられるか」に焦点を当てていきます。
キーワードは【境界線】【自己承認】【委ねる力】。
無理をせず、自分の心と丁寧に向き合っていくヒントを3つの視点からお伝えします。
視点①|境界線を引く:誰かと自分の境界を意識する
「嫌だけど頼まれたら断れない」
「相手の気持ちを考えすぎて、自分の本音がわからない」
そんな“曖昧な境界線”に悩まされることはありませんか?
40代になると、家族・職場・地域などの人間関係が深まる一方で、距離感の悩みも複雑になりがちです。
だからこそ意識したいのが、「どこまでが相手の問題で、どこからが自分の責任か」を見極める視点です。
◎ 相手の機嫌は、自分が背負うものではない
◎ 誰かの期待に応えるかどうかは、自分で決めていい
「私はここまで」と境界線を引くことは、冷たさではなく自分を守る優しさです。
視点②|自分を認める:「よくやってる」と言ってあげる力
誰かのために動いてばかりいると、自分のことを後回しにしがちです。
でも、「誰かに認められなければ意味がない」なんてことはありません。
◎ 今日もごはんを作った
◎ 仕事に行った
◎ 疲れていたけど、家族に笑顔で接した
そのひとつひとつが、ちゃんと頑張ってきた証。
「よくやってるよ、私」と、自分に優しく声をかけてあげることが、自己肯定感を育てていきます。
視点③|頼る・委ねる:自立=一人で抱え込むことではない
「人に頼ったら甘えだと思われる」
「迷惑をかけたくないから、全部自分でやろう」
そんなふうに、何もかも自分ひとりで抱えていませんか?
でも、本当の意味での“自立”とは、「なんでも自分でやること」ではありません。
「助けて」「お願い」が言えることこそ、成熟した自立のかたちです。
たとえば―
「今日はごはんお願いできる?」と家族に声をかける
◎ 「これ手伝ってもらえる?」と職場で頼ってみる
◎ 「ちょっと話聞いてもらえない?」と友人に相談する
そんな小さな委ねが、あなたの心に余白をつくってくれます。
「私の人生、私が選ぶ」という感覚を持とう
役割に振り回されているとき、
私たちは「選ばされている」感覚に陥ってしまいます。
でも、本来は―
誰の人生でもなく、“私の人生”をどう生きるかは、自分で選べるはず。
◎ 今日、自分で入れた一杯のお茶
◎ 今日、断ったひとつのお願い
◎ 今日、自分にかけたひとこと
そのすべてが、「私が選んだ人生」の一部になっていきます。
心を整えるための3つのポイント(中編まとめ)
◎ 境界線を持つことは、冷たさではなく自分への思いやり
◎ 「よくやってる」と自分に言ってあげることが、自己肯定感につながる
◎ 誰かに委ねることは、自立を手放すことではなく、成熟のひとつの形
40代は、求められることが増える時期。
でも同時に、自分を大切にする力も育てていける時期です。
「私の人生、私が選ぶ」
その感覚を、少しずつでも育てていきましょう。
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