40代になり、暮らしを見つめ直す時間が増えました。
食事、健康、日々の習慣—どれも「自分や家族を守るため」に、今できることを静かに積み重ねていきたい。
そんな想いから、私は“防災食”との向き合い方も変わってきました。
非常食というと「期限が近づいたら慌てて入れ替える」「使わないまま置いている」というイメージが強いかもしれません。でも、賞味期限は“美味しく食べられる目安”。期限を過ぎたからといって、すぐに食べられなくなるわけではありません。状態を確認して問題がなければ、普段の食卓に活用することができます。
そこで役立つのが、“ローリングストック”という考え方。
備蓄と日常の食事を切り離すのではなく、「普段のごはんの延長」として扱うことで、無理なく、自然に入れ替えができます。忙しい40代にとって、負担なく続けられる防災対策です。
アルファ化米のやさしいアレンジ
アルファ化米はお湯や水で戻すだけの優れもの。普段の食事でも、実は多彩に使えます。
◎ スープリゾット風
コンソメや和風だしで戻し、ツナ缶やコーン缶を混ぜるだけで満足の一杯に。
◎ カレー・ドリア風
レトルトカレーをかけて、チーズをのせてトースターへ。非常食とは思えない美味しさです。
◎ 混ぜごはん・チャーハン風
さば缶や焼き鳥缶+しょうゆで簡単混ぜごはん。卵と炒めればチャーハンにも。
「非常食だから」ではなく、普段のごはんとして十分に楽しめる味です。
水・スープも“災害時の主役”
水は飲むだけでなく、調理にも使える心強い存在です。
◎ 水戻しでつくる“ゆる麺”や“水戻しごはん”
◎ 夏場に便利な冷製スープ(ポタージュ・味噌汁の素を使用)
◎ スープ+アルファ化米で雑炊、スープ+フォーで麺料理に
「水だけでもこんなにできるんだ」と気づくと、備蓄がぐっと頼もしく感じられます。
餅・フォーは40代からの“やさしい主食”
お餅やフォーは腹持ちもよく、疲れたときにも食べやすい食材。
◎ スープ餅・お雑煮風
カップスープにお餅を入れるだけで体がほどける味に。
◎ おやつ餅
きなこや缶詰あんこで満たされる優しいおやつに。
◎ フォーの具だくさんスープ麺
鶏がらスープ+ツナ缶・コーン缶でエスニック風。
トマト缶+コンソメで「トマトヌードル」もおすすめ。
どれもストック食材だけで作れるので、忙しい日の“自分をゆるめるごはん”にも。
缶詰は“そのまま”も“ひと手間”も優秀
さば味噌煮缶+アルファ化米で丼、焼き鳥缶+マヨで照りマヨ丼…
火を使わず完成するレシピが多いのも缶詰の魅力です。
また、クラッカーと合わせて簡単なおつまみにしたり、パスタの具にしたりと、普段でも大活躍する万能選手。
「火が使える日」と「使えない日」で考える
災害時は、ガスや電気が使えないこともあります。
そんなときでも食べられるように、水戻しや“そのまま食べられる”組み合わせを覚えておくと安心です。
逆に、使えるときは温かい料理を優先すると心もほっとします。
月に一度の“防災ごはんデー”をつくる
家族や自分のために、月1回だけ「備蓄食材で作るごはんの日」をつくると、ローリングストックが自然に回ります。
余ったものはフードドライブへ。
捨てずに活かすことで、心が整い「備えることが前向きな習慣」に変わります。
40代の私が大切にしていること
◎ 状態が悪いものは無理に食べない
◎ 無理のない材料で、3つ以内のシンプル調理
◎ できる範囲で、日常へ少しずつ取り入れる
防災食は“特別なもの”ではなく、私たちの暮らしを守るやさしい味方。
備えることは不安を増やす行為ではなく、「未来の自分に安心を渡すこと」だと、40代の今だからこそ実感しています。
忙しい日も、揺らぎやすい日も。
備蓄を上手に使いながら、心と体を整える暮らしを続けていきたいですね。

