『ハーブと花言葉で綴る、私時間の小さな物語』第2章：キッチン＆地中海ハーブ 〜 セージ 〜

〜食べて楽しむ、香り豊かな整えごはん〜
日々の料理に彩りとケアを。使い方、相性の良い食材、簡単レシピと花言葉を。

40代になり、ふとした瞬間に「自分の心と体に、もっと静かな時間をあげたい」と感じるようになりました。
忙しさの中で流されるように過ぎていく毎日でも、
キッチンに立ち、香りを吸い込む瞬間だけは、心がゆっくりと整っていく気がします。

そんな私のキッチンでそっと寄り添ってくれるのが、
深みのある落ち着いた香りが魅力の ― セージ（Sage）。

優雅さの中にどこか力強さを秘めた香りは、
まるで「大丈夫、少し休んでもいいよ」と静かに語りかけてくれるよう。
そして、セージの花言葉は「命に代えて愛する」。

大げさではなく、決して犠牲的でもなく、
“自分を守る愛”をそっと思い出させてくれる言葉です。

セージがくれる“深い守りの香り”

セージの香りは、少しスモーキーで落ち着きがあり、
ハーブの中でもとりわけ“重心を整える香り”。

吸い込むだけで、
ざわざわしていた心がすーっと静まり、
深呼吸をしやすくなるような感覚があります。

40代になると、
家族のこと、仕事、将来への不安…
つい頭の中がいっぱいになってしまうことも増えますよね。

そんなとき、セージの深い香りは
「まずは自分のペースに戻っていいよ」
と優しく寄り添ってくれます。

花言葉の「命に代えて愛する」は、
誰かのためにすべてを捧げる愛ではなく、
“自分自身を大切に守ること”を示すように感じます。

◎ 体を整える効能

・抗菌・抗ウイルス作用で、喉や風邪のケアに
・消化を助け、胃の重たさをやさしくリセット
・むくみや冷え、巡りの低下をサポート
・抗酸化作用で、40代から気になる“老けサイン”にアプローチ

◎ 心を整える効能

・不安や緊張をゆるやかにほどく
・気持ちの切り替えを助け、考えすぎを静めてくれる
・「一度深呼吸しよう」と思える心のスペースをつくる

香りを嗅ぐだけでも心が整い、
料理に使うと体にもやさしく働きかけてくれる、
まさに“守りのハーブ”です。

◎ 相性のいい食材と使い方

・豚肉・鶏肉との相性が抜群
・バターと合わせると香りが豊かに広がる
・ポテト、豆料理、きのこと好相性
・トマトやクリーム系にもよく合う
・乾燥セージは少量で十分香りが立つ

食材の臭みを消してくれるので、
料理を一段と上品に仕上げてくれます。

疲れた日こそ、温かくてやさしい香りの一皿が欲しくなります。

私の定番は、
「セージとバターのポークソテー」。

フライパンにバターを落とし、
セージを数枚くぐらせると、
一気に部屋中に温かい香りが広がります。

そこに豚肉を焼いて塩こしょうするだけ。
仕上げにレモンを軽く絞ると、
重さのない、軽やかなごちそうに。

疲れていても、
この香りを吸い込むだけで不思議と深呼吸できる。
料理なのに、まるでハーブのセラピーのよう。

湯気の向こうで揺れるセージの葉を見ているだけで、
「今日もよく頑張ったね」と
自分自身にほほ笑みかけるような時間が生まれます。

セージの花言葉
「命に代えて愛する」。

その言葉は、
誰かのために無理をする愛ではなく、
“自分の心と体を守る愛”にも向けられています。

40代の私たちは、
あらゆる役割の中でつい自分を後回しにしがち。
だからこそ、日常のどこかに
自分を慈しむ小さな習慣が必要なのだと思います。

セージの香りに包まれながら、
自分のためのごはんを丁寧に作る。
その静かな時間こそ、
私にとっての“守る愛”のかたち。

今日も、あなたのキッチンにセージの香りが
そっと寄り添いますように。