40代に入り、なんとなく調子が整わない日が増えてきました。疲れが抜けにくい、朝の目覚めが重い、気分の浮き沈みが気になる…そんな日常の小さな変化に気づいたとき、薬膳の考え方は、自分の体と心の状態をやさしく教えてくれます。
前回は五性・五味の考え方を通して、食材が持つ力を日々の献立に取り入れる方法を紹介しました。今回はさらに踏み込み、「自分の体質を知る」ことに焦点を当てます。自分の体質に合った食材を選ぶことが、40代からの健康と心地よさを支える第一歩です。
薬膳で知る体質タイプ
薬膳では、体質を大きく以下のタイプに分けて考えます。自分の体の傾向を知ることで、日常に無理なく寄り添う食生活が作れます。
▼ 気虚(ききょ):エネルギー不足で疲れやすいタイプ
▼ 血虚(けっきょ):血の巡りや栄養不足が現れ、肌や髪の調子が気になる
▼ 陰虚(いんきょ):体の潤いが不足し、のぼせや口の渇きが出やすい
▼ 陽虚(ようきょ):体が冷えやすく、疲れやすいタイプ
▼ 気滞(きたい):ストレスや運動不足で、気の巡りが停滞しやすいタイプ
40代は、ホルモンバランスの変化や生活習慣の影響で、体質が混ざりやすい時期でもあります。「必ずどれか一つ」と思わず、自分の傾向をやさしく見極めることが大切です。
セルフチェックで“今の私”を知る
簡単なチェックリストで、自分の体質を把握してみましょう。
● 疲れやすく、やる気が出ない → 気虚
● 肌や髪の乾燥が気になる → 血虚
● 手足や腰が冷える、寒がり → 陽虚
● のぼせや口の渇きがある → 陰虚
● イライラや肩こり、便秘が続く → 気滞
複数当てはまる場合もあります。体質は一生同じではなく、季節や生活リズムによって変化するので、「今の私」を意識することがポイントです。
体質別に取り入れたい食材
体質に合わせた食材を日常に取り入れると、無理なく整いやすくなります。
◎ 気虚タイプ:山芋、かぼちゃ、鶏肉、豆類
◎ 血虚タイプ:ほうれん草、レバー、黒豆、プルーン
◎ 陰虚タイプ:きゅうり、トマト、梨、豆腐
◎ 陽虚タイプ:生姜、にんじん、羊肉、かぼちゃ
◎ 気滞タイプ:玉ねぎ、セロリ、レモン、しょうが
例えば、朝食に豆乳と根菜を使ったスープを取り入れるだけでも、体質に合った栄養をやさしく補えます。
避けたい食材のヒント
逆に、体質によっては控えた方がよい食材もあります。
● 気虚タイプ → 冷たい飲み物や生野菜の過剰摂取
● 血虚タイプ → 甘すぎるお菓子やアルコール
● 陰虚タイプ → 辛すぎる香辛料や熱性食品の取りすぎ
● 虚タイプ → 冷たい食材、寒性の野菜
● 気滞タイプ → 脂っこい食品や甘いものの過剰摂取
「避ける」よりも、量や頻度を調整するだけで体のバランスは整いやすくなります。
体質を意識した日々の食卓の工夫
40代は、体の揺らぎや心の変化をやさしく受け止める食事が大切です。
◎ 一汁一菜でも、体質に合った食材を1〜2品意識して加える
◎ 季節の食材を取り入れることで、体にやさしい巡りをサポート
◎ 調理法を変える(蒸す・煮る・炒める)だけでも、体への負担を軽減
薬膳は特別な料理ではなく、日々の食事の中で体と心を整える知恵です。体質チェックを通して“今の私”を知ることで、40代からの食生活がぐっと心地よく、前向きなものになります。
【関連記事】
▷ 第1回:薬膳の基本を知る ― 40代からの“体を整える食”入門
▷ 第2回:陰陽のバランスを整える ― “冷え”と“のぼせ”を見極める
▷ 第3回:五性・五味で知る、食材のチカラ

