40代になってから、暮らしや美容、心のあり方に「引き算の美学」を意識するようになりました。
でも最近、ふと感じるのです。
「引くだけでは整わない」ことも、あるのではないか?と。
必要なところに、そっと“足す”。
過剰ではなく、でも不足もしない。
そんな視点が、今の私たちにはちょうどいいのかもしれません。
フィラーとは、何かを「補うもの」
たとえば─
プラスチックやゴム業界では、物性を高めたりコストを抑えるための充填材。
建築や家具の世界では、隙間を埋めて美しさや耐久性を高めるパーツ。
化粧品や美容医療では、しわやへこみに注入してふっくらとした印象に整えるもの。
そして、会話の中では「あの…」「えっと…」など、間をつないで流れをなめらかにする言葉もフィラーと呼ばれるのだそうです。
この多様性に、私はどこか心を打たれました。
どの分野でも共通しているのは、
「足りないものを、やさしく満たす」「つながりをなめらかにする」という役割だということ。
それは、私たちが40代で直面する心と体の揺らぎにも、どこか通じる気がしたのです。
「足すセルフケア」で、わたしを整える
20代や30代は、多少の無理もききました。
寝不足でもごまかせたし、気合いでどうにか乗り切ることもできた。
でも40代に入ってからは、ほんの少しの“足りなさ”が、日常に影響してくるように思います。
● 肌の乾燥が、心の元気まで奪う日
● 寝ても取れない疲労感
● 感情の波が、自分でもコントロールしづらいとき
そんな時にこそ、「足すことで整える」という感覚が、心と体の助けになるのではないでしょうか。
補うことは、弱さではなく知性
たとえば、美容医療でフィラーを選ぶ人たち。
それは、見た目を大きく変えたいからというより、「自分らしい自然さ」を大切にしたいという願いの表れかもしれません。
また、生活の中でも、
◎ 忙しい日に頼れる冷凍スープ
◎ 気分が沈んだときのアロマ
◎ 肌が乾く前の一滴の美容液
◎ 自分を元気づけてくれるお気に入りの言葉
これらも、立派な“セルフケアフィラー”なのだと思います。
大切なのは、自分に合った「やさしい補い方」を知っておくこと。
それは甘えではなく、年齢を重ねた私たちの「知恵」であり、「整える力」なのです。
小さな“足し算”で、しなやかに生きる
40代は、まだ先が長いからこそ、無理を続けるよりも、補いながらしなやかに暮らしていく知恵を身につけたい。
足りないところをそのままにしない。
でも、足しすぎて窮屈にならないように。
自分の中の「ちょうどいい」を見つけながら、生きていきたいのです。
満たすことで、心が整う
フィラーが持つ、“やさしく補う”という性質。
それは私たちの毎日の暮らしにも応用できる、大切なセルフケアの考え方です。
◎ 足りないところには、必要な分だけ補う
◎ 無理せず、でも放っておかない
◎ 自然に、心地よく、整えていく
「足すことで整える」——それは、見た目だけではなく、自分の心との対話でもあるのだと思います。
今日もまた、自分を満たすための“小さなフィラー”をひとつ選ぶ。
そんな暮らしを、40代から丁寧に紡いでいけたら、素敵だと思いませんか?

