私が宅建士を目指した理由
実家の母の仕事を見ている中で、宅建士の資格が必要だと感じつつ、気づけば20年が経っていました。資格を取ろうと思いながらも、なかなかその一歩を踏み出せずにいた私。
そんな中、40代に差しかかり、人生の大きな転機が訪れました。
それは、母が長年仕事でお世話になった、同年代のダンディな宅建士の男性との出会いでした。彼は誠実で真摯な姿勢を崩さず、まさにリアル「正直不動産」のような方。その姿に強い感銘を受け、「こんな人がこの業界にいるなら、私も学んでみたい」と心から思ったのです。
もちろん、実家の事情もあり、母の事業を引き継ぐ必要があったという現実的な背景もあります。でも、それだけではありませんでした。
40代という節目に、「もう遅い」ではなく「今こそがチャンス」と思えるようになっていました。資格取得への挑戦が、自分自身を見つめ直すきっかけとなり、これからの人生をより豊かにしてくれると信じて、私は2023年11月から2024年10月の試験に向けて宅建士を目指すことにしました。そして、日々の努力の積み重ねが実を結び、2024年10月の試験で無事に宅建士に合格することができました。
第1章:すき間時間を、学びに変える工夫
「宅建士の勉強をする時間がない」と思っていた私が、少しずつ習慣化できるようになったのは、「すき間時間」の捉え方を変えたことがきっかけでした。
この章では、限られた時間の中でも効率よく学びを進めるために私が工夫してきたこと、そして実際に取り組んだ勉強法について、順を追ってお伝えしたいと思います。
◎ 毎日、少しでも宅建に触れること
最初に意識したのは、「毎日、少しでも宅建に触れる」こと。長時間の勉強は難しくても、ほんの数分でもいい。「日々触れ続けること」が、学習のリズムを生みました。
たとえば、
・朝起きてすぐに、1問だけ過去問を解く
・お湯が沸くまでに、テキストの1セクションを読み返す
・寝る前に、コピーしておいた判決文を眺める
そんな小さな習慣が、少しずつ「勉強すること」を日常に溶け込ませてくれたのです。
◎ 「読む」ではなく「理解する」意識を持つ
時間が限られているからこそ、ただ読むのではなく、「意味を理解する」ことを大切にしました。
テキストはセクションごとに区切り、何度も繰り返して丁寧に読み込む。特に法改正や頻出分野には印をつけて、集中的に復習しました。
◎ 判決文や過去問コピーの“持ち歩き”
外出時には、判決文や過去問をコピーした紙を一枚、バッグに忍ばせておきました。
買い物の待ち時間や、移動時間中などにサッと目を通すだけでも、知識の定着につながります。こうした“事前のちょっとした準備”が、日々の安心感にもなりました。
重たいテキストを持ち歩かなくても、どこでも「学びに戻れる」自分でいられることが、精神的にも大きな支えになったのです。
◎ 勉強を「楽しい習慣」に変える工夫
勉強は、苦しいだけでは続きません。私はYouTubeで見つけた「宅建の替え歌」を、家事中やリラックスタイムに流していました。
思わず口ずさみたくなるメロディで、用語や法令が自然と頭に入ってくる感覚。楽しみながら学べることが、モチベーション維持の鍵になりました。
◎ すき間時間を“意識的に”つくる
最も大切だったのは、「すき間時間を待つ」のではなく、「すき間時間を作る」という意識。
・洗濯を干しながら次の勉強内容を考える
・掃除中にYouTubeを聴く
・夜のリラックスタイムに、判決文を眺める
・“意識して時間をつくる”ことで、忙しい日々の中でも自然と学びのリズムが整っていきました。
私の勉強サポートアイテム
① 学習アプリの活用
私が特に助けられたのが、宅建の学習アプリ。通勤中やスキマ時間にスマホで問題演習ができ、移動中でも知識を蓄えることができました。
● スタディアプリ(動画講義)
● 過去問演習アプリ
● 宅建クイズアプリ(一問一答)
これらを上手に組み合わせることで、勉強が「特別な時間」ではなく、「生活の一部」になっていったのです。
② YouTube替え歌活用法
YouTubeで見つけた宅建の替え歌は、まさに“楽しく学ぶ”ための救世主でした。語呂合わせやリズムに乗せて覚えることで、重要な知識も頭に残りやすくなります。
日々の中で「ちょっと楽しい」と思える時間があることで、前向きな気持ちを保ちながら勉強を続けられました。
まとめ
宅建士を目指した理由は、実家の事業の継承という現実的な事情もありましたが、それ以上に「40代からでも、自分を変えることができる」と感じたことが原動力でした。
すき間時間を“待つ”のではなく“活かす”こと。そして、「少しでも毎日触れる」という小さな積み重ねが、私にとって大きな力となりました。
次回予告
忙しい毎日の中で、宅建の勉強を続けるのは、正直しんどいときもありました。
気分が乗らない日、思うように覚えられない日、ふと「何のためにやってるんだろう?」と感じることも…。
次回は、そんな心が揺れる日々の中で、私を支えてくれた小さな言葉や、前を向くきっかけになった習慣を、暮らしの風景とともにお届けします。
「頑張りすぎないけど、あきらめない」
そんな等身大の私時間を、一緒に見つけていけたら嬉しいです。