「私らしく生きる」を続けるための、介護との新しい距離感
「親の介護をどうするか」。
40代になると、仕事や子育ての合間に、ふとこの問いが現実味を帯びてきます。
けれど最近、「親を介護したいけれど、現実的に無理」という声が静かに増えています。
その背景には、家族関係の変化があります。
親との間に距離を感じてきた人や、「毒親」と呼ばれるような支配的・依存的な関係を持つ家庭では、介護という現実が心の負担としてのしかかります。
「親を支えたい気持ちはあるけれど、近づくと自分が壊れてしまう」─そんな複雑な思いを抱える人が増えているのです。
注目される「家族じまい」という考え方
「家族じまい」とは、家族との関係を“終わらせる”のではなく、“整える”という新しい生き方。
無理をせず、自分の心と生活を守りながら、親との距離を見つめ直すという選択です。
かつては「親の面倒を見るのが当たり前」とされてきた日本社会。
しかし今は、家族のあり方も、関係の距離感も多様化しています。
「見捨てたくないけれど、もう限界」という葛藤の中で、
“できる範囲で支える”という現実的な優しさを選ぶ人が増えています。
「家族じまいドットコム」という選択肢
そんな中で注目されているのが、「家族じまいドットコム」です。
家族じまいドットコムは、親との関係や介護の疲れなど、家族関係に悩む人を対象とした日本初の「家族じまい」専門相談サービス。
一般社団法人LMNが運営し、横浜市に相談窓口を設けています。
匿名での相談が可能で、土日・祝日・夜間にも対応。
対面・リモート・電話のいずれかを選び、カウンセリングから親問題の具体的な解決まで、専門家とともに支援を受けられます。
特徴:
◎ 匿名相談もOK
◎ 土日・夜間・祝日も対応
◎ 対面・リモート・電話で相談可能
◎ 「お試し1回」から利用できる
◎ 弁護士など専門家とも連携し、介護から納骨まで包括的にサポート
◎ 相談後もバックアップ体制が充実
相談内容の例:
◎ 毒親と関わりたくない、家族の縁を切りたい
◎ 親との関係修復方法
◎ 介護の悩み・負担軽減
◎ 家族問題全般へのサポート
一般社団法人LMNは、10年以上の活動実績を持ち、300件以上の相談対応経験があります。
相談者一人ひとりに寄り添い、必要に応じて専門家へ橋渡しを行うなど、丁寧な支援を続けています。
相談は有料(3000円から)で、公式サイトやLINEからも予約・問い合わせ可能です。
「自分を守りながら支える」という優しさ
介護や家族問題は、誰かの「愛情」だけで解決できるものではありません。
とくに親との関係に葛藤を抱えてきた人にとって、
「支えること」は「心の安全」を揺るがす行為にもなりかねません。
だからこそ、罪悪感ではなく現実を見つめ、
自分の心と暮らしを整えること。
それがこれからの“新しい支え方”のひとつなのです。
40代の私たちができる「心の準備」
① 親と話すタイミングを見極める
無理に修復しようとせず、話せる範囲で介護や今後の希望を確認。
② 地域や制度を知る
親の住む地域の介護サービス・見守り体制を早めに把握。
③ 専門家を“間に入れる”勇気を持つ
第三者を介すことで、感情的な衝突を避け、現実的な支援へ進めやすくなります。
「家族じまい」は、冷たい決別ではありません。
それは、“自分の人生を犠牲にしない優しさ”の形。
“支える責任”を、“整える選択”へ。
私たちがこれからの家族関係を見つめ直す、その第一歩になるはずです。
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