“雨の脅威”を見過ごさない選択|40代の私が学んだ、台風・大雨時の備えと思考

①<防災>

災害と聞くと、どうしても「地震」が真っ先に思い浮かびます。でも、最近は台風・集中豪雨による水害・土砂災害が身近な脅威になっています。見逃しがちな雨の災害も、備えと判断が命を左右します。

私自身、40代になってから改めて「備える」意味を考えるようになり、過去には地震で“帰らない”ことを選んだ経験を書きました。しかし、それだけでは不十分で、風と雨が重なる災害にも備えておくことが、暮らしを守る鍵だと感じています。

ここでは、台風・大雨時に自治体や気象庁が使う 警戒レベル1〜5 の意味と、暮らしの中で取るべき行動を、私自身の姿勢を交えてお伝えします。

警戒レベルとは — 「危険度」と「行動目安」を直感化するしくみ

日本では、災害リスクが高まる際に、住民がどの段階で何をすべきかを伝えるため、5段階の警戒レベル制度が導入されています。これは、災害危険度と避難行動を切り分けて、わかりやすく示す仕組みです。

ただし、「警戒レベル=必ず順番どおりに出る」わけではなく、状況悪化に応じて飛び越えて出されることもあります。

また、気象庁等が出す「防災気象情報」は、やや前倒しでレベル相当情報が出ることがあり、自治体の避難情報が出る前段階として参考にすべきです。

以下、それぞれのレベルと、できればこの段階で対処しておきたい暮らし目線の行動を挙げます。

レベル1:災害への心づもりを高める

意味: 早期注意情報など、これから天候が悪化する可能性を知らせる段階。

行動の目安:

● 天気予報・レーダーをこまめにチェック

● 自宅のハザードマップを確認する

● 非常持ち出し袋や備蓄品の点検

● 家族と避難の流れを確認し合っておく

レベル2:避難行動を確認する段階

意味: 大雨注意報・洪水注意報など。気象状況が悪化傾向にあることを示します。

行動の目安:

● 避難場所と避難ルートの再確認

● 自宅・周囲の排水・屋根・雨どいなどの安全点検

● 万が一、早めに動けるように靴・雨具を用意

● “ここまでなら安全”と感じる範囲をあらかじめイメージしておく

レベル3:高齢者等避難を始める段階

意味: 自治体が「高齢者等避難」を発令する段階。避難に時間がかかる人は動くタイミングです。

行動の目安:

● 高齢者・障がい者・幼児といった時間を要する人は避難開始

● 自分も避難準備を本格化(持ち物の最終確定、靴・服装選定)

● 不安要素があれば、自主避難を始める判断を柔軟に

レベル4:避難指示が出る段階 — “全員避難”のサイン

意味: 自治体が全員避難を促す避難指示を出す段階。危険な区域にいる人は避難を。

行動の目安:

● 危険区域(川沿い・斜面・低地など)からすぐ離れる

● 指定避難所または安全性の高い建物へ移動

● 夜間や暴風雨では屋内高所避難を視野に

レベル5:緊急安全確保 — 災害発生または切迫した状況

意味: 災害が既に発生している、または切迫している状態で、命の危険が高まっている段階。

行動の目安:

● 避難所までの移動が困難な場合、居場所の中で可能な限り安全な場所へ移動

● 自宅の高所、頑丈な部屋、窓の少ない部屋などへ移る

● 風雨・浸水に備え、家の中心部分・家具の転倒対策を意識

“待つこと”ではなく “選ぶこと” — 雨の時代の防災姿勢

私は、震災時に「とどまる勇気」を選びました。同じように、台風や豪雨の中でも、「無理に動かない選択」が尊重されなければなりません。でも、それはただじっと耐えることではなく、“安全な場所で守る選択”を持つことだと思います。

たとえば、レベル4で避難指示が出たら全員避難が原則ですが、夜間・激しい雨風の中では、近くの頑丈な建物や自宅内の安全な場所を選ぶという判断も一案です。自治体の指定避難所だけに縛られず、自らの判断で最良の行動を選ぶ柔軟さも求められています。

また、警戒レベル5を待ってはいけません。レベル5は既に危険な状態。 レベル4までに行動を始めること を意識すべきだという防災原則があります。

雨という“見えない敵”に備える日々を

地震の災害とは違い、台風や大雨は時に“ゆっくり侵す”ものです。だからこそ、早めに心と体を整え、備えを深めておくことが、自分と大切な人を守ることにつながります。

「備える」=非常食を備蓄すること、と捉えがちですが、災害レベルを読み、状況に応じて「いつ動くか」「どこに行くか」「どう守るか」をあらかじめ心の中に描いておくことが、本当の備えです。

40代という年齢だからこそ、焦らず、揺るがず、自分にとって最も安心できるを選びたい。そんな思いを持って、この記事をあなたの“見逃さない備え”の一助にしてもらえたらうれしいです。

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