うま味という味覚に気づいた時
「甘い、苦い、酸っぱい、塩っぱい」―そのほかにもうひとつ、私が40代になってから大切だなと感じる味覚があります。それが「うま味」です。昆布のだし、干し椎茸、熟成チーズ…。その奥にあるグルタミン酸やイノシン酸などがつくる“深み”こそ、暮らしを丁寧に整える食卓に欠かせないと感じるようになりました。
でも一方で、表示に「調味料(アミノ酸等)」や「うま味調味料」「グルタミン酸ナトリウム(MSG)」という言葉が並ぶと、少し立ち止まりたくなる自分もいます。今日は、その「うま味」と「調味料(アミノ酸等)」の関係を、私なりに整理してみたいと思います。
「調味料(アミノ酸等)」とは?その裏側をそっと見てみる
パッケージの成分表示で「調味料(アミノ酸等)」と書かれていることがあります。これは、うま味を加えるためのアミノ酸系調味料を指す総称表示です。中には、Monosodium Glutamate(MSG=グルタミン酸ナトリウム)を主成分とするものも含まれています。
MSGは、うま味を効率よく与えるために製造され、味の深みを出してくれる一方で、「添加物」という視点から気になる方も少なくありません。実際、科学的なレビューでは「通常の食事量においては安全である」とする見解が多く出ています。
ただ、40代になって体や味覚が変化しはじめると、「何をどれだけ選ぶか」という視点が暮らしを整えるうえでますます重要だと感じるようになったのです。
うま味調味料と減塩の関係
面白いことに、うま味成分を使うことで「塩分を抑えながら味を保つ」可能性も報告されています。たとえば、MSGを用いた料理では塩分量を抑えられたという研究があります。
つまり、「素材そのものの味を大切にしつつ、味わいを整える」ことは、私たちの40代からの暮らしにぴったりなテーマなのかもしれません。
私が意識して見直した“うま味”との向き合い方
① ラベル表示をチェックする習慣をつける
「調味料(アミノ酸等)」「うま味調味料」「グルタミン酸ナトリウム」といった表記があるかどうか、買い物の際に立ち止まるようになりました。
② 自然素材のだしを増やす
家では昆布・かつお節・干し椎茸などのだしストックを少しずつ増えて、味を“引き出す”暮らしへ。
③ 味づくりの視点を変える
「うま味を足す」ではなく「素材のうま味を活かす」ほうへ。加工食品に頼る頻度を減らし、自分で整える時間を少しだけ意識するようにしました。
今日からできる、小さなヒント
◎ 加工食品の成分表示に「調味料(アミノ酸等)」という言葉があったら、一歩立ち止まってみる。
◎ いつもの味噌汁や煮物で、だしを少し削って素材の味を引き出してみる。
◎ 減塩を意識するなら、だし+少量調味料という組み合わせを試してみる。
ラベルを見るとき、自分の「味覚」を整える時間だと捉える。選ぶ=整える、という考え方。
静かに選ぶ、食卓を整えるということ
「うま味」という味覚は、暮らしに“満たされる余白”を与えてくれるように感じます。でもその裏にある「調味料(アミノ酸等)」という表記を、無意識のまま受け入れていいわけではありません。40代の私たちは、味覚も体も変わりゆく時期。だからこそ、味の選び方も丁寧に、自分のペースで見直したいと思っています。
すべてを遠ざけるのではなく、「何を選び、何を問い直すか」。そのひとつひとつが、私の“整える暮らし”をつくってくれています。
今日も、あなたの食卓にほんの少しの余白と、味の奥行きが生まれますように。


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