40代に入り、体の変化や食の影響をより深く感じるようになった今、「どんな食べ方が、私らしいのだろう?」と考える機会が増えました。
前回の記事では、「なぜ今、ヴィーガンが気になるのか」という気づきを振り返りましたが、今回はもう少し基本に立ち返って、「ヴィーガンって、そもそもどんな考え方?」というところを丁寧に見つめてみたいと思います。
食のスタイルには、思っていた以上にたくさんの“選択肢”があること。その一つひとつを知ることが、今後の暮らしを整えるヒントになるかもしれません。
ヴィーガンとベジタリアン、その違いは?
「ヴィーガンとベジタリアン、どう違うの?」
実は私も、最初はぼんやりとしたイメージしか持っていませんでした。
大まかに言えば、ベジタリアンは肉や魚を避ける人。乳製品や卵を食べる人も多く、食べる範囲にはある程度の個人差があります。
一方、ヴィーガンは動物由来の食品をすべて避けるスタイル。お肉や魚はもちろん、卵、乳製品、はちみつなども口にしません。さらに、衣類や化粧品など、動物性素材を含むものを選ばない人も多く、ライフスタイル全体を通して「動物由来のものを使わない」ことを意識しているのが特徴です。
けれど最近は、この2つに限らず、植物性をベースにしながらも、自分に合ったスタイルを選ぶ人が増えているように感じます。
多様に広がる「植物中心」のスタイルたち
ヴィーガンやベジタリアン以外にも、次のようなスタイルがあります。
◎ ラクト・ベジタリアン:乳製品はOK、肉魚はNG
◎ オボ・ベジタリアン:卵はOK、乳製品や肉魚はNG
◎ ペスカタリアン:魚はOK、肉はNG
◎ フレキシタリアン:基本は植物性、でも時々動物性食品も取り入れる柔軟スタイル
これらは、どれも厳密なルールではなく、「心地よさ」によって選ばれているものばかり。
だからこそ、自分の体調や価値観に合わせて“ちょうどいいスタイル”を見つけやすいのです。
ヴィーガンは、食だけじゃない「生き方のスタンス」
ヴィーガンを知れば知るほど、それはただの「食の制限」ではなく、生き方の視点を含んだものだと感じるようになりました。
たとえば、
◎ 動物実験を行っていないコスメを選ぶ
◎ 環境への負荷を減らす素材を選ぶ
◎ 食品の背景にある倫理的な問題を知ろうとする
そうした選択の積み重ねが、やさしい暮らしを形づくっているように思います。
完璧を目指すことではなく、「知ったうえで選ぶこと」に価値を置いている。
だからヴィーガンという考え方は、今の時代を生きる私たちにとって、ひとつのヒントになるのだと思います。
よくある誤解と、実際のところ
ヴィーガンと聞くと、「我慢が多そう」「栄養が偏るのでは?」といった声も聞こえてきます。
でも実際には、
◎ 豆類やナッツ、雑穀などの植物性たんぱく質
◎ 野菜の旨みやスパイスを生かした満足感のあるレシピ
◎ 市販でも手に入るヴィーガン対応の食材や調味料
といった工夫で、美味しく・しっかり栄養もとれる食生活が可能です。
外食でもヴィーガン対応メニューが増えているので、「特別なこと」ではなく、日常の中で自然に選べるようになってきています。
私らしい“ちょうどよさ”を探して
私は、ストイックに制限をするのではなく、「少しだけ取り入れてみる」スタイルを大切にしたいと思っています。
たとえば、
◎ 週に1日は動物性食品を使わない日をつくる
◎ ヴィーガンレシピを一品だけ加えてみる
◎ 外食のときにヴィーガン対応のメニューを選んでみる
そんな“ちょっとだけヴィーガン”でも、体が軽く感じたり、気持ちが整ったりするのを実感することがあります。
ヴィーガンという言葉が教えてくれたのは、「食の選び方に、こんなにも幅がある」ということ。
そして、その中から自分にとっての“心地よさ”を見つけていくことが、40代の今の私にはしっくりくるように思います。
知ることで、整う私の暮らし
ヴィーガンの考え方は、ひとつの生き方としても興味深いもの。
ただ「やる」「やらない」ではなく、「知ったうえで、自分に合う距離感を見つける」ことが、私にとってはとても大切です。
これからも無理なく、自分の体と心に寄り添いながら。
ヴィーガンというテーマと、小さく優しく向き合っていけたらいいなと思っています。
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