「最近、なんだか疲れやすい」「イライラや不安が続く」——そんな小さな違和感に、ふっと”年齢のせい?”と感じることはありませんか。40代になると、私たちの体と心は“変わること”を知らん顔ではいません。その背景には「女性ホルモン」の変化があるかもしれないと知ると、自分をもっと大切にできる気がします。
女性ホルモンの主役2つ——エストロゲンとプロゲステロン
◎ エストロゲン(卵細胞ホルモン)
女性らしい体つきや肌・骨・血管をサポートし、自律神経や脳の働きにも関与する“女性らしさの基盤”。思春期に増え始め、20代でピークになり、更年期以降は少しずつ減っていきます。
◎ プロゲステロン(黄体ホルモン)
基礎体温を上げ、子宮内膜を整えて受精卵の着床を助け、妊娠を維持する役割を担います。分泌は月経後半に高まり、妊娠しなければ減少して月経が始まります。
この2つがバランスよく働くことで、毎月のリズムが成り立ち、心と体の調子も安定します。
その先にある“指令者”たちの存在
ホルモンはみんな勝手に動くわけではありません。実は、脳や視床下部からの指令で動き出します。
◎ GnRH(性腺刺激ホルモン放出ホルモン) → 視床下部から放出され、下垂体へ「FSHとLHを出して!」と信号を送ります。
◎ FSH(卵胞刺激ホルモン) → 下垂体から分泌され、卵胞の成長を促します。
◎ LH(黄体形成ホルモン) → 排卵を促し、黄体を形成してプロゲステロンの準備に関わります。
この「脳⇄下垂体⇄卵巣」の連携がわたしたちの体のリズムをコントロールしているのです。
優しい存在にも注目――関連ホルモンたち
◎ オキシトシン:母性ホルモンとも呼ばれ、分娩や授乳を助けるほか、“安心感”や“つながり”にも関係するホルモンです。
◎ プロラクチン:乳汁分泌を促し、睡眠・ストレス緩和にも密かな役割を持ちます。
これらは一見、妊娠・出産と結びつくホルモンですが、“安心ひと匙”として心にも体にも寄り添ってくれます。
40代から始まるゆらぎ——それは自然な変化
加齢にともないエストロゲンが減少することで、自律神経が乱れやすくなり、微妙な心身のバランスの変化(いわゆる更年期の入口)が現れることも。
でも、それは“終わり”ではなく、40代からの新しい始まりの合図でもあります。ホルモンの波を受け入れることで、心地よい未来が開けるかもしれません。
毎日の暮らしの中でできる、ホルモンとのゆるやかな付き合い方
食:大豆、発酵食品などを意識的に取り入れる
睡眠:質を大切に、夜更かしは控えめに
体温を整える習慣:ぬるめのお風呂や温かい飲み物で“冷え”から守る
ストレスのケア:深呼吸、自然を眺める時間など心を休める工夫を
ご機嫌な習慣:好きな音楽、香り、ちょっとした運動など、自分のための時間を
こんな小さな“心地よい選択”の積み重ねが、ホルモンバランスのゆらぎを包み込み、40代からの暮らしを豊かにしてくれると思います。
40代の私たちの体と心は、これまで以上にやさしさを必要としています。女性ホルモンという小さな司令塔の存在を知り、その変化に“寄り添う”習慣を育むことで、自分らしい暮らしの土台を整えていきましょう。