江戸の北斗七星に学ぶ、40代からの暮らしの配置学【第3回】増上寺(過去・背後を守る)― 手放すことで、守られるということ ―

②【生き方・考え方】

40代になって、
ふと振り返る時間が増えました。

これまでの選択。
背負ってきた役割。
応えてきた期待。

前に進むことばかり考えていた頃は、
「振り返る」ことに意味を感じませんでした。

けれど今は、
過去の整理こそが、
これからの配置を整える鍵だと感じています。

背後を守るという思想

江戸の町づくりには、
“見えない守り”の思想があったといわれています。

前だけでなく、
背後にも守りを置く。

未来へ進むためには、
過去が安定していること。

これは暮らしにも通じます。

過去が整理されていないと、
心はどこか落ち着きません。

後ろから引かれているような感覚。

だからこそ、
背後を整える。

それが、40代からの配置学です。

増上寺という存在

徳川家の菩提寺として知られる増上寺は、
江戸城の“背後”を守る位置にあったとされます。

菩提寺とは、
先祖を祀り、祈りを捧げる場所。

つまり、
「過去を守る」場所です。

華やかな城の背後に、
静かな祈りの場を置く。

それは、
繁栄の裏側にある
“積み重ねてきた歴史”を忘れない配置でもありました。

江戸城鬼門との関係が示すもの

江戸では、鬼門(北東)を意識した配置が重視されました。

鬼門を守る寺社を置き、
災いの侵入を防ぐ。

都市設計そのものが、
精神的な安心を支えていたのです。

背後を整えるとは、
目に見えない不安を鎮めること。

40代の私たちもまた、
“見えない重み”を抱えています。

過去の失敗。
後悔。
うまくできなかった役割。

それらを否定せず、
静かに祀るように受け入れる。

それが、
今を守ることにつながります。

背負ってきた役割と、思い込み

これまで、

・いい娘でいよう
・期待に応えよう
・迷惑をかけないようにしよう

そんな思いで、
役割を引き受けてきませんでしたか。

その多くは、
自分を守るための選択だったはずです。

でも40代は、
一度整理してもいい時期。

「本当に今も必要?」
と問い直す。

肩書きや立場は、
永遠ではありません。

役割を手放しても、
価値が消えるわけではないのです。

40代の「区切り直し」

区切り直すとは、
ゼロに戻すことではありません。

感謝して、
線を引き直すこと。

・昔の夢を、いったん終わらせる
・合わなくなった関係に距離を置く
・無理な期待から降りる

それは逃げではなく、
配置替え。

増上寺が背後を守るように、
私たちも過去を整えることで、
前を軽やかに向けるようになります。

手放すことで、守られる。

40代の整理は、
“削る”のではなく、
“静かに祀る”作業なのかもしれません。

今日の問い

・今も背負い続けている役割は何だろう
・それは、今の私に本当に必要だろうか
・感謝して手放せるものは、ないだろうか

過去を否定しなくていい。
ただ、置き場所を変えるだけ。

背後が整うと、
不思議と歩幅が変わります。

次回は、北斗七星のひとつを手がかりに、
“支える配置”について考えていきます。

40代は、
増やすよりも、整える。

背後に静かな祈りを置きながら、
今日も一歩、前へ。

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