防災シリーズの続きをお届けします。今回は、少し視点を変えて『トイレの備え』に焦点を当ててお話しします。普段、あまり意識しないことですが、非常時のトイレ問題は非常に重要で、私たちが想像する以上に深刻です。
トイレ問題が防災の課題に?—断水時に起こり得る最悪の事態
非常食を備蓄することが一般的に意識されていますが、実はそれ以上に深刻なのが「非常時のトイレ問題」です。断水やインフラの停止が続くと、最も切実な問題になるのがトイレの確保です。日常的に何気なく使っているトイレが、突然使えなくなるという事態に備えることは、心のゆとりに繋がります。
私たちが自宅避難を想定している場合、特にトイレの問題は重要です。使える水がなくなると、衛生面だけでなく、精神的にも大きなストレスを感じることになるため、しっかりと備えが必要です。
600回分の備蓄—家族人数に合わせて確保した安心の量
わが家では、家族の人数や自宅避難の期間を考慮し、600回分の簡易トイレセットを備蓄することにしました。数の目安として、1人あたり1日5回の使用を想定し、1ヶ月分(150回)を基本にしています。それに予備を加えて、600回分という数を選びました。
ここで選んだのは、楽天で評価の高い「防災士監修」の非常用トイレ。このトイレを選んだ決め手は、以下の点です:
◎ 使用後そのままゴミとして廃棄できる
◎ 凝固剤入りで衛生的、臭いが気にならない
◎ 約10年の長期保存が可能
◎ 女性や高齢者でも扱いやすい構造
◎ まとめ買いでコストパフォーマンスが良い
このように、使い勝手が良く、万一の場合に備えた安心感が得られる商品です。最も重要なのは、トイレの備えが「足りている」と感じること。その安心感が、万が一の状況でも心を落ち着ける力になります。
代替アイテムとして「黒いゴミ袋」と「猫砂」の活用
もちろん、600回分では足りない可能性もあります。そんな時に備えて、いくつかの代替案を考えておくことも大切です。私が備えているのは次の2つです。
◎ 黒いポリ袋(45L)
便器にセットして使うことで、目隠しとして活用できます。視覚的な心理的負担を減らし、安心感を与えてくれます。
◎ 猫砂(固まるタイプ)
消臭効果が高く、排泄物を固めることで扱いやすくなります。これをポリ袋の中に入れて使用します。
これらは、予備の備えとしてだけでなく、災害時に少しでも「いつも通り」の環境を整えるための重要なアイテムです。非常時でもできるだけ快適であることが、精神的な安定に繋がることを実感しています。
600回分の備蓄は「安心の量」—心のゆとりを持つために
「600回分も?」と思われるかもしれませんが、私にとっては備えすぎではなく、“安心の量”です。家族の人数や自宅避難を想定した場合、足りないかもしれないという不安よりも「足りている」という安心感を得ることの方が大切だと考えました。
例えば、私は自宅避難を基本とするライフスタイルを送っていますが、近隣で大規模な災害が発生した場合、支援がすぐには届かない可能性もあります。そういった現実を踏まえると、トイレの備えをしっかりしておくことが非常に大切です。
1人あたり150回分が目安—非常用トイレの必要量とは?
ちなみに、1人分の非常用トイレの目安は、1日5回の使用を基準に、30日分(150回)を備えることが推奨されています。これに予備を加えることで、より安心感を得られます。災害時は精神的にも不安定になりやすいので、排泄環境をしっかり整えることが、心の健康にも繋がります。
たとえば、非常時に1日6回や7回使用する場合も考慮して、少し多めに準備しておくとよいでしょう。
防災は「特別なこと」ではなく、日常の延長線上にあるもの
「怖いから備える」のではなく、「安心の選択肢」を持つことが大切です。生活の中で、心のゆとりを持ちながら備えをすることで、非常時にも落ち着いて行動できます。災害時でも、できる限り「いつも通り」の暮らしを続けられるよう、排泄の備えをしっかりと整えておくことは、人としての尊厳を守ることにも繋がります。
防災は特別なことではなく、日々の暮らしを見直すきっかけとしても大切です。これからも、40代の私なりの目線で「安心を育てる備え」を少しずつ紹介していけたらと思っています。
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