ふと心がざわついたとき、自然の中に身を置くと不思議と落ち着きを取り戻すことがあります。
風の音、土の匂い、山の静けさ―それらはすべて、私たちの心と体のリズムを整えてくれる存在です。
そんな自然とのつながりを、静かに思い出させてくれるのが「大山咋神(おおやまくいのかみ)」という神さまです。
大山咋神とは?―山や土地を見守る神さま
大山咋神は、山や大地を司る神であり、「自然と調和して生きること」を象徴する存在とされています。
また、農耕や開拓の神ともいわれ、暮らしの基盤となる“地に足のついた生活”を守る神さまでもあります。
大山咋神が祀られている神社のひとつが、滋賀県の日吉大社(ひえたいしゃ)。古くから「山王さん」として親しまれ、比叡山の麓から多くの人々の暮らしを見守ってきました。
自然と調和する暮らしが、心の安定を育てる
私たちが暮らす現代社会では、情報もスケジュールも目まぐるしく、どこか「地に足がつかない」感覚に陥ることがあります。
そんなときこそ、大山咋神の教えに耳を傾けてみるのはどうでしょうか。
自然のリズムに合わせて生きる――それは決して特別な暮らし方ではなく、「季節を感じて食べる」「空を見上げて深呼吸する」「疲れたら休む」といった、ごく小さな習慣の積み重ねです。
大地に根を張るように、自分の軸を静かに整えていくこと。
それが、心の安定や、40代からの私時間の“心地よさ”につながっていきます。
日常に取り入れたい3つの“足元を整える”習慣
大山咋神の教えを、日々の暮らしにやさしく取り入れるためのヒントを3つご紹介します。
① 「土の上を歩く」時間を意識する
舗装された道ではなく、土や芝生の上を歩いてみる。
裸足になれなくても、自然の感触を足裏で感じることが、自律神経を整える効果につながります。
いつもの散歩道を、少しだけ自然が多い場所に変えてみるのもおすすめです。
② 季節の“恵み”を食卓に取り入れる
旬の食材は、体と心を自然のリズムにチューニングしてくれる存在。
スーパーでも手に入る野菜で構わないので、「今が美味しい」を意識して食卓を整えると、自然とのつながりを感じやすくなります。
③ 家の中にも“自然”を招く
部屋に小さな観葉植物を置く、木製の器を使う、天然素材の布を取り入れる…。
自然素材があるだけで、空間がやさしく整い、心に静けさが戻ってきます。
忙しい日々の中でも、自然と調和する「足元の暮らし」は、いつでも始められるのです。
自分の軸は、自然の中にある
私たちは、ときに自分を見失いそうになることがあります。
けれど、自然の営みはいつも変わらず、静かに私たちを受け入れてくれます。
大山咋神は、そんな自然の存在そのもののような神さま。
無理に前に進まなくてもいい。焦らず、足元を見つめることが、遠回りのようで一番の近道かもしれません。
40代のいまだからこそ、「整える」ということを、外側ではなく内側から見つめ直してみる。
自然との調和を思い出す時間が、きっとあなたの“これから”をやさしく支えてくれるはずです。
自然とのつながりを取り戻す、大山咋神の知恵
◎ 大山咋神は、山と土地を守る神さま。自然と調和する暮らしを教えてくれる存在
◎ 忙しい日々の中で、自然とのつながりを取り戻すことが心と体の“軸”を整えるヒントに
◎ 土を踏む・旬を味わう・自然を部屋に取り入れる――シンプルな習慣が、静かな私時間を育てる
日々の暮らしの中で、自然と心をそっとつなぐ時間を、大切にしていきたいですね。