日々の暮らしを「整える」傍らで、ちょっとした刺激や香りを楽しみたいときがあります。
そんなとき、私が手に取るのがアジアの調味料です。
柚子胡椒、ナンプラー、ココナッツミルク、塩こうじ ―。
たった一本、ひとさじで、台所に異国の風が吹く。
週末のキッチンに少しの冒険心を持ち込む時間は、私にとっての「整うごほうび」になっています。
この記事について
この記事は、週末に楽しむアジアごはんをまとめた一冊です。
きっかけは、ひとつの発見でした。
「柚子胡椒が、バイマックルーの代わりになる」
そこから広がった、和とアジアが出会う食卓 ― 炊飯器で作るガオマンガイ、水も油も使わないグリーンカレー、ナンプラーの生春巻き、そして塩こうじ×ナンプラーのダブル発酵だれ。
どれも、難しい技術は必要ありません。
40代の忙しい暮らしの中でも、無理なく作れて、しっかり満足できるものばかりです。
この記事の内容
| 章 | ひとことで言うと |
|---|---|
| 1. 柚子胡椒という発見 | 和の調味料が、アジアの香りに |
| 2. 炊飯器のガオマンガイ | スイッチひとつで、本格アジアごはん |
| 3. 水なし油なしのグリーンカレー | 無添加ココナッツミルクで |
| 4. ナンプラーの夏の献立 | 生春巻きと、使いすぎないコツ |
| 5. 塩こうじ×ナンプラーのダブル発酵 | 和とアジアの、万能だれ |
1. 柚子胡椒という発見 ― 和の香り、アジアの風へ
バイマックルーの、代わりになる
東南アジア料理で、香りづけや臭み消しの役割を担うバイマックルー(コブミカンの葉)。
独特な柑橘系の香りは、グリーンカレーやトムヤム、サラダに欠かせませんが、日本では手に入りにくい素材です。
そこで活躍するのが、柚子胡椒。
柚子の皮と青唐辛子、塩だけで作られた、日本ならではの調味料ですが、香りのベースがバイマックルーと似ているため、意外にもエスニック料理のアクセントとしてぴったりなのです。
私がこれに気づいたのは、後ほどご紹介するグリーンカレーを作っていたとき。
仕上げにほんの少しの柚子胡椒を加えたら、たちまち、まるでバイマックルーを入れたような爽やかな柑橘香が広がったのです。
和の調味料が、アジアの風を運んでくる ― この発見に、私はすごくワクワクしました。
私が好きな、4つの使い方
◎ グリーンカレーの仕上げに
ちょっと加えるだけで、辛さと柑橘香が重なって深みが増します。
◎ ヤムウンセン風サラダに
ナンプラーやライム汁と合わせて、さっぱりピリ辛なドレッシングに。
◎ 鶏や野菜のスープに
レモングラスとともに柚子胡椒を入れて、すっきりした香りの仕上げに。
◎ ビーフン炒めに
少量使うと、和とアジアが重なり合う複雑な味の広がりに。
もっと香りを深めたいなら
さらに本格的な香りが欲しいときは、こんな組み合わせもおすすめです。
- 柚子胡椒 + レモングラス
- 柚子胡椒 + すだち・カボス・ライムの皮
- 柚子胡椒 + 乾燥みかんの皮(陳皮)
これらをスープや煮込みに加えると、よりバイマックルーに近い、深みのある香りが楽しめます。
※ただし、柚子胡椒は塩分を含みます。 塩やナンプラーとのバランスは控えめに調整してください。少量ずつ加えるのがコツです。
2. 炊飯器のガオマンガイ ― スイッチひとつで
材料を入れて、押すだけ
ガオマンガイ(海南鶏飯)は、東南アジアの人気料理。鶏肉の旨味たっぷりの炊き込みご飯です。
鶏肉のエキスが染み込んだご飯は、ナンプラーやレモンの爽やかな香りがアクセント。
難しそうに見えますが、実は炊飯器で作れる超簡単メニューです。
下ごしらえ:茹で鶏を作っておく
ガオマンガイもグリーンカレーも、「茹でた鶏肉」を使います。
私は週末にまとめて茹でておくことが多いです。
鶏もも肉2枚、水(かぶる程度)、塩ひとつまみ、にんにく1かけ(皮ごと)。
鍋にすべて入れて中火で加熱し、沸騰したら弱火で15〜20分。
アクを取ると、スープも澄みます。
肉は冷蔵で2〜3日、スープは冷凍も可能です。
そしてこの茹で汁が、そのまま出汁になります。
雑炊、味噌汁、鍋のベース、スープカレーに ―
一度の手間で、二度も三度も助けられる下ごしらえです。
材料(2〜3人分)
- 鶏もも肉(大きめ) 2枚 ※下茹で済み、またはレンジで加熱済みでもOK
- 米 2合
- 水 2合分から大さじ3減らす
- 酒 大さじ1
- ごま油 大さじ1
- オイスターソース 大さじ1
- にら(細かく刻む) 適量
- おろしショウガ 小さじ1
- おろしニンニク 小さじ1
- ナンプラー 小さじ1
- レモンスライス 数枚
作り方
① お米を洗って炊飯器に入れる
② 水の量は、通常の2合分から大さじ3ほど減らす
③ 酒・ごま油・オイスターソース・おろしショウガ・ニンニクを加え、にらを散らす
④ 鶏もも肉をどーんと乗せ、レモンスライスも忘れずに
⑤ 仕上げにナンプラーを回しかけて、あとはスイッチを押すだけ
これだけで、蒸し鶏の旨味がじんわり染み込んだご飯が炊き上がります。
材料を切るのも最小限。 忙しい時でもストレスなく作れるのが、うれしいポイントです。
盛り付けは、野菜と一緒に
炊きあがったら鶏肉を取り出し、一口大にカット。 ご飯と一緒に皿に盛り付けます。
添えるのは ―
- きゅうりの薄切り
- トマトの角切り
- 揚げナス(市販の冷凍品を使えば手間いらず)
これで彩りも栄養バランスもバッチリです。
40代の私時間に、ぴったりな理由
40代は何かと忙しく、料理に時間をかけにくい時期。
でも、栄養と美味しさは妥協したくないですよね。
ガオマンガイは、そんな願いにぴったりフィットします。
シンプルで効率的な調理法だから、週末のゆったりした時間を邪魔しません。
お気に入りの音楽を流しながら、炊飯器に材料をセットして、あとは自由な時間を楽しむ ― そんな余裕のある暮らしこそ、心地よい私時間だと思います。
3. 水なし油なしのグリーンカレー
添加物を、避けるという選択
40代を過ぎると、体の変化や健康への意識が自然と高まります。
毎日の食事は、心と体を整える大切な時間。だからこそ、添加物をできるだけ避け、安心して食べられるものを選びたいですよね。
市販のココナッツミルク缶には、しばしば増粘剤(カラギーナンなど)や乳化剤、香料、保存料が使われています。
また、缶の内側に使われることがあるビスフェノールA(BPA)についても、さまざまな議論があります。
こうしたことから、私は100%有機ココナッツで無添加、BPAフリーの缶を使ったものを選ぶようにしています。
※これは私の選択であり、市販品が危険という意味ではありません。 何を選ぶかは、それぞれの暮らしに合わせて決めていただければと思います。
材料(2〜3人分)
- 鶏もも肉(茹でたもの) 200g
- なす 3本(たっぷり)
- ピーマン 3個
- 有機ココナッツミルク缶 1缶(約400ml)
- 辛くないカレー粉スティック 2袋
- 柚子胡椒 小さじ2
- ナンプラー 小さじ1〜2(お好みで調整)
作り方
① 鍋に茹でた鶏肉とココナッツミルク缶を入れて、一煮立ちさせる
② カレー粉スティックと柚子胡椒を加えて、よく混ぜる
③ なすを加え、柔らかくなるまで煮込む
④ ピーマンを入れて、さっと一煮立ち
⑤ 最後にナンプラーを加え、味を調えたら完成
油も水も使いません。 ココナッツミルクだけで煮込むので、素材の味がそのまま生きます。
ここで、柚子胡椒が効く
このレシピで柚子胡椒が果たす役割は大きいです。
辛さを足すだけでなく、柑橘の香りが加わることで、味が一気にアジアらしくなる。
前章でお伝えした「バイマックルーの代わり」という発見は、まさにこのカレーから生まれました。
辛くないカレー粉を使っているので、辛さが苦手な方でも大丈夫。 それでいて、香りはしっかり本格的です。
4. ナンプラーの夏の献立
一本で、異国の香り
ナンプラーは、醤油や味噌とは違う「鼻に抜ける異国感」を料理にもたらしてくれます。
少量でもしっかり存在感があり、夏の軽やかな気分を引き立てる。
洗い物をする手も自然とゆるみ、私の心も柔らかになる ― まるで南国の風が通り抜けるような、この香りが、私の”整う”習慣の核です。
エビの生春巻き ― 夏の定番
具材:エビ・大葉・ゆでもやし・小葱・みょうが・春雨
自家製ナンプラー+レモンだれでさっぱりと。辛みが欲しい日は、ラー油をひと回し。
一口食べれば、香りと酸味と辛味が三位一体に。 胃と心が、ふっとゆるみます。
余った具材は翌日の炒めものに。 無駄なく整えられるところにも、”ちょうどいいシンプルさ”が息づいています。
鶏もも肉の生春巻き ― やさしい満足感
具材:茹で鶏・大葉・錦糸卵
ナンプラーだれさえあれば、あっという間にアジアン風。
満足だけれど、胃にはやさしい。スカッとした食感と深い旨みが、週末の”私時間”を豊かにしてくれます。
ナンプラーの”使いすぎない”コツ
◎ 極少量でも、アジアらしさが生まれる
たくさん入れる必要はありません。ほんの数滴で十分です。
◎ 塩分が強いので、レモンやみょうがをプラス
酸味と香味野菜を加えると、軽やかにまとまります。
◎ 冷蔵庫にあるだけで、安心感
「今日はどうしようかな」という日にも、すっと手が伸びる存在です。
5. 塩こうじ×ナンプラー ― ダブル発酵の万能だれ
和とアジアの、発酵が出会う
40代に入ってから、発酵調味料の魅力に気づくようになりました。
なかでも最近よく使うのが、塩こうじとナンプラーを組み合わせた「ダブル発酵だれ」です。
どちらもそれぞれの地域で育まれてきた伝統的な調味料ですが、一緒に使うことで、驚くほど深い味わいが生まれます。
それぞれの、特徴
◎ 塩こうじ ― 和のまろやかさ
米麹・塩・水を発酵させた、日本の伝統的な調味料。
プロテアーゼ(たんぱく質分解酵素)を含み、肉や魚の繊維を分解して、食材本来の旨味を引き出すとされています。
味わいは、やさしくて、ほんのり甘い。
◎ ナンプラー ― アジアの海の旨味
魚と塩をじっくり発酵させた、東南アジアの魚醤。
グルタミン酸をはじめとした旨味成分が豊富で、少量で料理の味をグッと引き締めてくれます。
混ぜるだけの、万能だれ
塩こうじとナンプラーを1:1で混ぜる ― それだけです。
まろやかさ×香ばしさ、和×アジア。
例えるなら「アジア風の旨味塩だれ」です。
こんな料理に
◎ 鶏肉のマリネやグリル焼きに
半日漬け込むだけで、柔らかくジューシーに。
◎ 焼きそばや炒飯の味付けに
ほんのひとさじで、”エスニック和風”の味が完成。
◎ 蒸し野菜のドレッシング代わりに
オイルと混ぜて、ヘルシーな温野菜サラダに。
◎ 豆腐のたれや、冷やしうどんのつゆに
さっぱり食べたい夏の献立にぴったり。
味がしっかりしているため、少量でも満足感があります。
※塩分も高めなので、少しずつ調整しながら使ってください。
まとめ ― 香りで、小さな旅を
5つのレシピと調味料をめぐってきました。
柚子胡椒、ナンプラー、ココナッツミルク、塩こうじ ―。
どれも、特別な食材ではありません。
でも、組み合わせ方ひとつで、台所が異国の風景に変わります。
40代になり、体に優しく整える暮らしを意識するようになりました。
けれど食卓には、やっぱり”遊び心”や”香りの旅気分”も大切だと感じます。
週末の私時間。
器に盛った一皿に、香りで小さな旅を添えてみませんか。
炊飯器のスイッチを押して、あとは自由な時間を過ごす。
その余裕こそが、40代の心地よい暮らしなのだと思います。
※あわせて読みたい:調味料の役割は調味料「さしすせそ」使い方ガイド、無添加の選び方は「ゆる無添加」実践 完全版、季節の野菜は四季のキッチンセルフケア完全版へ。

