アロマや精油の香りに癒される時間は、日々の忙しさの中でほっとできる瞬間ですよね。
けれど、その心地よさの裏に、ちょっと気をつけたいポイントがあるのをご存じでしょうか?
今回はシリーズ最終回として、精油の「光毒性」と香りによる“香り疲れ”についてお話しします。
40代からの私たちが、香りと心地よく付き合うための知恵を一緒に見ていきましょう。
精油の光毒性とは? ― 太陽と香りの意外な関係
レモンやグレープフルーツなど、明るく爽やかな柑橘系の精油。
気分をリフレッシュさせてくれる香りとして人気がありますが、実はこれらの中には「光毒性」を持つものがあります。
光毒性とは、精油に含まれる「フロクマリン」という成分が紫外線と反応し、
肌に赤み・炎症・シミを引き起こすこと。
香りをつけたまま外出すると、思わぬ肌トラブルにつながることもあります。
光毒性を持つ代表的な精油
● ベルガモット
● レモン
● グレープフルーツ
● オレンジ(ビター)
安全に楽しむためのポイント
◎ 肌につけたあとは6〜12時間、日光を避ける
◎ 夜のリラックスタイムに使う
◎ 「ベルガプテンフリー」など光毒性除去済みの精油を選ぶ
“自然の香り”にもルールがあります。
太陽と香り、それぞれの力を尊重しながら、上手に距離を取ることが大切ですね。
香り疲れ・香害とは? ― 香りの「心地よさ」がストレスになるとき
香りは本来、心を穏やかに整えるもの。
けれど、強すぎる香りや長時間の使用は、知らず知らずのうちに体に負担をかけることがあります。
いわゆる「香り疲れ」は、香りの刺激が神経や嗅覚を過度に刺激することで、
● 頭が重い
● 集中できない
● なんとなく疲れる
といった不調を感じる状態。
また、柔軟剤や芳香剤などの合成香料による「香害」も社会的な問題になっています。
自分は良い香りと思っても、家族や職場の人にとっては強すぎることも。
香りを暮らしに取り入れるときは、“自分も周囲も心地よい”と感じられる濃度や距離感を意識することが、思いやりのある香り習慣です。
香りと心地よくつき合う“マイルール”
40代になると、体調や感覚の変化を実感することが増えます。
香りとのつき合い方も、その日の気分や体の状態に合わせて“やわらかく”していくのがコツです。
私自身が続けている「疲れない香り習慣」はこちらです。
◎ 精油はティッシュに1滴垂らして香る(ディフューザーは毎日は使わない)
◎ 香りを使うのは夜のリラックスタイム中心に
◎ 「香りを使わない日」を設け、嗅覚をリセット
◎ 家族の反応を聞いて、香りの種類を調整
強く香らせるよりも、「ふと感じる心地よさ」を大切にするようにしています。
香りは、量よりも“余韻”が癒しを生むのです。
夜の香り時間 ― 心と体を休ませる小さな習慣
◎ 就寝前、明かりを落としてから、ネロリ精油をティッシュに1滴。
それを枕元に置いて、深く呼吸をするだけで、一日の疲れがふっと軽くなります。
◎ また、肌に使うときはホホバオイルで1%以下に希釈し、香りをやさしく感じる程度に。
朝に使う場合は、必ず「光毒性なし」の精油を選ぶようにしています。
香りは、心を整える“ツール”であり“パートナー”。
無理なく、自分に寄り添う香りの使い方が、40代からの穏やかな暮らしを支えてくれます。
香りのある暮らしは「ほどよい距離」から
自然の香りは、私たちに癒しと豊かさを与えてくれます。
でも、その力を借りるには、「強さ」ではなく「やさしさ」で向き合うことが大切。
香りの効果も、太陽の光も、植物の成分も—
それぞれが適度な距離を保つとき、私たちの暮らしは一番美しく調和します。
40代の今だからこそ、香りと上手につきあう知恵を持ちたいですね。
香りに頼りすぎず、香りに癒されながら、自分らしい“私時間”を育てていきましょう。
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