「私ばっかり…」から卒業する。ホルモン変化の40代が身につけたい“境界線の引き方”

②【生き方・考え方】

自分で選んだはずの道なのに、気づけば「私ばっかり…」とため息をついてしまうことがあります。
家族のこと、仕事のこと、人間関係のこと。誰かのために動き続けているうちに、ふと、心がすり減っているのに気づく瞬間があるのです。

40代に入り、思いがけず涙が出たり、いつもなら流せるはずの一言にイラッとしてしまったり。
そのたびに「ホルモンのせいかな」と自分をなだめつつ、どこか納得しきれないものがありました。

ある日、ふと思ったのです。
―これはホルモンだけじゃなくて、長年積み重ねてきた“役割の重さ”が表に出てきているんだ、と。

20代や30代は、頑張ればなんとかなる気がしていました。
でも40代は、心も体も“これ以上の無理はやめてね”と静かに教えてくれる時期。
イラ立ちや落ち込みは「壊れているサイン」ではなく、
“そろそろ自分のために生きてもいいよ”という合図だったのだと、ようやくわかりました。

人のお世話ばかりしてしまう理由

私は昔から、困っている人を見るとつい手を伸ばしてしまうタイプでした。
「私がやった方が早い」「頼られると嬉しい」「嫌われたくない」。
そんな気持ちが少しずつ積み重なり、気づけば“お世話する役”が当たり前になっていました。

周りもそれに慣れてしまう。
そして私自身も、「助ける私」でいることでバランスを取っていたのだと思います。

でも40代になって、そのバランスが崩れました。
心が追いつかず、体が疲れ、笑顔を維持できなくなる。
それは私が弱くなったのではなく、
“本当の私の気持ち”が表に出てきただけでした。

私が始めた「境界線」の整え方

40代の私は、ここでようやく気づきました。
人のお世話を控える=冷たくなることではない と。

むしろ、必要以上に抱え込むことこそ、相手の成長のチャンスを奪っていたのかもしれません。

ここからは、私が少しずつ実践して心が軽くなった“境界線の引き方”です。

① 「これは私の仕事?」と一度立ち止まる

頼まれた瞬間に動くクセをやめ、数秒だけ考えるようにしました。
“私がやらなくてもいいこと”は意外と多いものです。

② 小さなお願いからはじめる

「今日はお願いしてもいい?」
この一言を口にするだけで、肩の荷がすっと軽くなりました。

③ できないことは「できません」と言う

最初は勇気が必要でしたが、言ってみると誰も困りませんでした。
むしろ、私が無理していたことに気づいてくれる人もいました。

④ 自分のための余白をつくる

わずか10分でも、自分のための時間を用意する。
椅子に座って深呼吸するだけの日もあっていい。
「何もしない時間」が、40代の心には必要でした。

手放したら、周りも私もラクになった

境界線を引くようになって気づいたことがあります。
私が手放した役割は、ちゃんと誰かが拾ってくれるということ。
あるいは、誰も困らず自然に流れていくということ。

“私がいなきゃ回らない”というのは、私が勝手に背負っていた幻想だったのかもしれません。

そして何より、私が心地よく過ごせていると、
家族も職場も、優しい空気が生まれていくのを感じました。

40代は、無理をやめる勇気が自然と身についていく時期。
優しさを誰かにだけ向けるのではなく、
自分にも向けていい と気づけたのは、この年齢になったからこそです。

私ばかり頑張らなくていい。
そう思えた日から、心がようやく私に戻ってきました。

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