日本の神々と日常の知恵 Vol.29:菊理媛神(くくりひめのかみ)— 心の“もつれ”をほどく力

②<日本の神々シリーズ>

40代になると、
人との関係が、以前よりも少し複雑に感じられることがあります。

はっきりした衝突があるわけではない。
でも、
・言葉にできない違和感
・小さなすれ違い
・解けないまま残る感情

そんな「心のもつれ」を、
抱えたまま過ごすことが増えてきました。

無理に切るほどでもない。
でも、そのままにしておくと、
気持ちが重くなる。

そんなとき思い浮かぶのが、
菊理媛神(くくりひめのかみ)です。

縁を結び、調整し、
もつれたものを“ほどく”神さま。

今回は、
菊理媛神の存在から、
40代の人間関係と心の整え方を考えてみたいと思います。

菊理媛神とは?— 縁を「結び直す」神さま

菊理媛神は、
日本神話の中で、
対立する神々の間に立ち、
場を収めた存在として知られています。

争いを力で止めるのではなく、
双方の間に入り、
関係そのものを“調整する”。

名前の「くくり」には、
結ぶ・まとめる・整える
という意味が込められています。

菊理媛神は、
壊れた縁を無理につなぎ直す神さまではありません。

絡まった糸を、
一本ずつ静かにほどき、
本来の流れに戻していく神さまなのです。

40代の人間関係が、もつれやすくなる理由

40代になると、
人間関係は量よりも「質」に変わってきます。

その一方で、

・立場や役割が増える
・言いたいことを飲み込む場面が増える
・自分の本音が後回しになる

そんな積み重ねが、
関係性に小さなもつれを生みやすくします。

若い頃のように、
感情だけで動けなくなる分、
整理されない気持ちが残りやすい。

菊理媛神の視点では、
これは失敗ではなく、
調整が必要な時期に入ったサイン

関係を壊す前に、
整え直すタイミングが来ているのです。

菊理媛神に学ぶ、調和の視点

菊理媛神が教えてくれるのは、
「どちらが正しいか」を決めることではありません。

大切なのは、

・自分はどう感じているのか
・相手は何を守ろうとしているのか
・今、この縁はどんな形が心地いいのか

白黒つけず、
間に立つ視点を持つこと。

40代の人間関係は、
勝ち負けではなく、
続けられる形を探す段階に入っています。

菊理媛神は、
そのための“間(あいだ)”の感覚を
思い出させてくれます。

日常でできる「もつれをほどく」習慣

私が意識している、
菊理媛神的な整え方があります。

◎ すぐに答えを出さない
違和感を感じたら、
無理に結論を出さず、少し寝かせる。

◎ 感情と言葉を分けて考える
感情は大切に。
でも、そのまま言葉にしなくていい。

◎ 関係を“調整中”と捉える
うまくいかない時期も、
壊れているのではなく、整え途中。

この視点を持つだけで、
人との距離感が少し楽になります。

縁は、切るものではなく整えるもの

40代になると、
「縁を切る」という選択が語られることも増えます。

でも菊理媛神は、
切る前に、ほどくという選択肢を
そっと差し出してくれます。

離れることも、
距離を変えることも、
立派な“整え”。

無理につなぎ止めなくていい。
でも、感情を絡ませたままにもしない。

縁は、
静かに整え直すことで、
形を変えながら続いていくこともあります。

菊理媛神は、
そんな大人の関係性を見守る神さま。

心がもつれたと感じたとき、
「ほどいてもいい」と思い出させてくれる存在です。

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