春の終わりに体と暮らしを整える、40代のやさしい習慣
もうすぐ、
春の最後の節気 「穀雨(こくう)」 を迎えます。
今年は4月20日から。
「穀物を潤す春の雨が降る」 という意味を持つこの時期は、
春から夏へと 季節のバージョンが変わっていく 大切な切り替えの節目です。
40代になってから、 こういった季節の節目に 体が敏感に反応することに気がつきました。
「なんとなく疲れが出てきた」 「食欲が落ちてきた気がする」 「春なのにすっきりしない」
それは体が、 次の季節への準備を始めているサインかもしれません。
今回は、
穀雨という節気が持つ意味と、 この時期に体と暮らしを整えるための やさしい習慣
をご紹介します。
穀雨とはどんな節気?
穀雨は、 春の最後、24番目中6番目にあたる節気です。
春分(3月21日頃)から 数えてふたつ目の節気で、
「穀物を育てる春の雨が降り注ぐ」
という美しい意味があります。
この頃になると、 日本各地でも本格的な春雨が降り始め、
田植えの準備が整い、 農家では一年で最も大切な季節の入り口を 迎えます。
自然界では、
- 牡丹や藤の花が見頃を迎える
- 夏鳥のつばめが飛び始める
- お茶の新芽が育ち、八十八夜(5月2日頃)へと向かう
そんな、 春から夏へと移りゆく やわらかな生命力に満ちた時期です。
40代の体に「穀雨」が教えてくれること
薬膳の考え方では、
春は「肝(かん)」の季節とされています。
冬の間に体内に溜め込んでいたものを 外へ動かし、気の巡りを整える—
そんな働きが春を通じて続いてきましたが、
穀雨の頃になると、 その主役が**「肝」から「脾(ひ)」**へと 少しずつ変わってきます。
「脾」とは、 薬膳における消化・吸収の要。
つまりこの時期は、
胃腸をやさしく整えながら、 夏のエネルギーを受け取る体を作る
準備の時期なのです。
40代になると、 この季節の変わり目に
- 胃腸の調子が崩れやすくなる
- 食欲にムラが出てくる
- 体が重だるく感じる
こういった変化を感じる方も多いと思います。
それは決して体が弱ったのではなく、 季節の切り替えを体が 真剣に受け止めているサイン。
無理に頑張らず、 この時期ならではの食べ物と習慣で、 そっと体を支えてあげましょう。
穀雨の旬の食べもの
穀雨の頃に体に合う食材は、 胃腸をやさしく整え、気の巡りを助けるものです。
◎ 新玉ねぎ 辛味成分が気の巡りを促し、 消化を助ける働きがあります。 甘みが強い春の新玉ねぎは 生でも加熱してもやわらかく食べやすいのが魅力。
◎ 春キャベツ 胃腸をやさしく整える代表的な春野菜。 薬膳では「健脾(けんぴ)」の食材とされ、 弱った消化力をやさしくサポートします。
◎ 新茶 八十八夜を前に、 各地でお茶の新芽が育ち始めます。 新茶は気力を高め、 心を落ち着かせる働きがあるとされています。
◎ よもぎ 解毒・温め・巡りを整える春の薬草。 草餅や天ぷらなど、 この季節ならではの食べ方で取り入れて。
この時期の食事のポイントは、 「消化に負担をかけない」こと。
揚げ物や脂っこいものを少し控えて、 温かく、やさしい調理法を選ぶだけで、 体は喜んでくれます。
穀雨の行事・風習
◎ 牡丹を愛でる
穀雨の頃は、 牡丹の見頃と重なります。
古来より「百花の王」とたたえられてきた牡丹は、 春の終わりを告げる花。
大きく豊かに咲く姿は、 見るだけで心が満たされるような 豊かさを感じさせてくれます。
◎ 八十八夜の準備
穀雨が終わると、 まもなく八十八夜(5月2日頃)を迎えます。
「夏も近づく八十八夜……」 という茶摘み歌でおなじみの、 お茶の収穫を祝う日。
この時期に摘まれる一番茶は、 縁起物としても親しまれています。
新茶を丁寧に淹れる時間を この季節の小さな楽しみにするのも素敵です。
◎ 春の大掃除・植え替え
夏に向けて、 部屋の模様替えや植物の植え替えをするのも 穀雨の時期にぴったりの過ごし方。
「冬に溜め込んだものを手放す」 という春のテーマの 最後の仕上げをする時期でもあります。
穀雨の和菓子
◎ 牡丹餅(ぼたもち)
穀雨の季節を代表する和菓子が牡丹餅です。
もち米と小豆の組み合わせは、 気血を補い体力を養う 薬膳的な効果もあるとされています。
秋の「おはぎ」と同じものですが、 牡丹の花が咲くこの季節には 「牡丹餅」と呼ばれます。
春のお彼岸(春分)に食べたぼたもちを この時期にもう一度楽しむのも、 季節の終わりを味わう 豊かな習慣になりそうです。
◎ 春の練り切り
和菓子店では、 牡丹や藤をかたどった 春らしい練り切りが並び始めます。
目で見て楽しみ、 一口味わう時間が、 忙しい日常の中での 小さな「整える時間」になります。
穀雨に取り入れたい、暮らしの整え習慣
① 春の疲れをリセットする「ぬるめのお風呂」
穀雨の頃は春の疲れが出やすい時期。 38〜40度のぬるめのお湯に ゆっくり浸かる時間が、 自律神経を整え、 体の芯からほぐしてくれます。
② 胃腸をいたわる「温かい汁物」習慣
冷たいものが増えてくる季節の前に、 あえて温かいスープやみそ汁を 意識して取り入れましょう。
新玉ねぎや春キャベツを使った シンプルな汁物が 胃腸をやさしくサポートします。
③ 春の終わりを感じる「外歩き」
桜が終わり、 新緑が眩しくなるこの季節の風景は、 一年で最も清々しい時間のひとつ。
15分でも外を歩くだけで、 体も気持ちもリセットされます。
④ 夏の準備を少しだけ始める
穀雨を過ぎると、 紫外線が急に強くなってきます。
日焼け止めや帽子など、 「夏の備え」を この時期から少しずつ始めておくと 後が楽になります。
春の最後の節気、穀雨。
雨が穀物を育てるように、 この時期の丁寧な暮らしが これからの自分を育ててくれます。
春に動かしてきた気と体を やさしくねぎらいながら、
夏に向けての 新しいエネルギーを 静かに受け取っていく。
そんな穀雨の過ごし方が、 40代の体と心に ちょうどいいと感じています。
季節のリズムに耳を澄ませながら、 今日も自分をいたわる時間を ひとつだけつくってみてください。
春の恵みが、 あなたの毎日をやさしく支えてくれるはずです。
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