クローゼットを開けて、ため息をついたことはありませんか。
服はたくさんあるのに、着るものがない。
引き出しには、使っていない文房具。
キッチンには、一度しか使わなかった調理器具。
どれも、買ったときは「必要だ」と思ったはずなのに。
- きっかけは、旅行カバンでした
- それまでは、使い捨てでした
- 選んだのは、折りたためるカバン
- 「もったいない」と思っていたはずが
- 「使い捨て」から「使い続ける」へ
- 「買わない」が目的ではありません
- この記事の内容
- セールは、得なのか
- 私が、やめたこと
- 「1回あたり」で考えてみる
- 「安物買いの銭失い」の、本当の意味
- ただし、高ければいいわけでもない
- ① 「これは、何を解決するのか」
- ② 「すでに、似たものを持っていないか」
- ③ 「1週間後も、欲しいと思うか」
- 迷ったら、買わない
- 最初に戻ってきたのは、時間だった
- 「判断疲れ」から、解放される
- 部屋の余白が、心の余白になる
- お金は、あとからついてきた
- 使い捨てから、手入れへ
- 育てられるものの、特徴
- 私が「育てている」もの
- 革の手入れは、思ったより簡単でした
- 「買う」ではなく「迎える」
- いちばん効果が大きい見直し
- 見直したい、4つの固定費
- 「減らす」より「選び直す」
- 罪悪感を持たなくていい
- ① 毎日使うもの
- ② 体を守るもの
- ③ 時間を生むもの
- ④ 経験に使うお金
- ⑤ 自分を整えるもの
- お金が貯まった、という話ではない
- 選ぶ力が、育った
- 物との関係が、変わった
- まとめ ― 買わないことが、目的ではない
- 大切なものに、使うために
- あの旅行カバンが、教えてくれたこと
- 今日、ひとつだけ
きっかけは、旅行カバンでした
最初に「少し良いもの」を選んだのは、旅行カバンでした。
不思議なものです。
毎日使う財布でも、通勤のカバンでもなく ―
年に数回しか使わないものから、私の買い方は変わりました。
それまでは、使い捨てでした
以前の私は、旅行カバンを消耗品だと思っていました。
安いものを買って、傷んだら買い替える。
年に数回しか使わないのだから、それで十分 ―
そう考えていたのです。
選んだのは、折りたためるカバン
新しく選んだのは、折りたためる旅行カバンでした。
使わないときは、小さく畳んで収納できる。
それでいて、素材はしっかりしたもの。
この2つが、決め手でした。
「もったいない」と思っていたはずが
買ったとき、以前の私ならこう思ったはずです。
「年に数回しか使わないのに、もったいない」
でも ―
実際に使ってみて、考えが変わりました。
◎ 畳めるから、収納場所を取らない
大きなカバンが、クローゼットを占領しない。
これだけで、部屋がすっきりしました。
◎ 良い素材だから、傷まない
安いカバンは、2〜3回の旅行で角がすり切れていました。
今のカバンは、何年経っても形が崩れません。
◎ 買い替えなくていい
「次の旅行の前に、また買わなきゃ」
その手間と出費が、なくなりました。
「使い捨て」から「使い続ける」へ
この経験で、私の中の基準が変わりました。
値段ではなく、「これを長く持ちたいか」。
それから、財布も、通勤のカバンも ―
職人が作ったものを選ぶようになりました。
どれも、今も使っています。
「買わない」が目的ではありません
先にお伝えしておきたいことがあります。
この記事は、節約や我慢をすすめるものではありません。
買わないことが偉い、という話でもありません。
お伝えしたいのは、こういうことです。
「なんとなく買う」をやめると、本当に欲しいものが見えてくる。
そして、そこにお金を使えるようになる。
それが、40代からのお金の整え方だと思っています。
この記事の内容
| 章 | ひとことで言うと |
|---|---|
| 1. 「安いから買う」をやめた | 値段ではなく、使う回数で考える |
| 2. 買う前の、3つの問い | 迷ったら、一度立ち止まる |
| 3. 減らして、見えてきたもの | 物より先に、時間が戻ってきた |
| 4. 「育てる」という買い方 | 手入れできるものを選ぶ |
| 5. 物より先に、固定費を | いちばん効果が大きい見直し |
| 6. それでも、買っていいもの | 罪悪感を持たなくていい |
| 7. 買わないことで、得たもの | お金より大切だったこと |
1. 「安いから買う」をやめた
セールは、得なのか
「50%オフ」
この文字を見ると、心が動きます。
「今買わないと損」
そう感じてしまうのは、自然なことです。
でも ―
冷静に考えてみると、おかしなことに気づきます。
買わなければ、100%オフなのです。
私が、やめたこと
◎ セールだけを目的に、店に行かない
「何か安いものはないか」で店に入ると、必ず何か買います。
買うものを決めてから行く ― それだけで、無駄が減りました。
◎ まとめ買いをやめた
「3つで1,000円」
1つでいいのに、3つ買ってしまう。
結局、2つは使わないままということが、何度もありました。
◎ 「いつか使うかも」で買わない
「いつか」は、たいてい来ません。
本当に必要になったとき、買えばいい ― そう思えるようになりました。
「1回あたり」で考えてみる
値段の見方を、変えました。
以前:いくらか
今:何回使うか
私の旅行カバンで、考えてみます。
| 以前の安いカバン | 今のカバン | |
|---|---|---|
| 使えた回数 | 2〜3回の旅行で傷む | 何年も使っている |
| 買い替え | 数年ごとに必要 | 不要 |
| 収納 | かさばる | 畳める |
数回で買い替えていたものと、何年も使えるもの。
総額で見ると、そこまで変わらないのです。
むしろ、選び直す手間や、収納の悩みがなくなった分 ―
得をしたと感じています。
「安物買いの銭失い」の、本当の意味
この言葉を、私は「損をする」という意味だと思っていました。
でも、失っていたのはお金だけではなかった。
◎ 買い直す時間
◎ 何を買うか考える時間
◎ かさばる物を、どこに置くか悩む時間
そういうものまで、失っていたのだと思います。
ただし、高ければいいわけでもない
誤解しないでいただきたいのですが ―
高価なものが正解、という話ではありません。
大切なのは「使い続けられるか」です。
年に1回しか使わないものでも、10年使えるなら ―
それは、良い買い物だと思います。
2. 買う前の、3つの問い
衝動買いを防ぐために、私が自分に問うことがあります。
たった3つですが、これが効きます。
① 「これは、何を解決するのか」
買い物には、目的があるはずです。
でも、「なんとなく欲しい」で買っているとき、目的は曖昧です。
「この服は、どの場面で着るのか」
「この調理器具は、何を作るためか」
答えられないなら、今は買わなくていいかもしれません。
② 「すでに、似たものを持っていないか」
これが、いちばん引っかかります。
黒いカーディガン、白いTシャツ、ボールペン、保存容器 ―
同じようなものを、何度も買っていることに気づきました。
買う前に、家の中を思い浮かべる。
それだけで、重複が減ります。
③ 「1週間後も、欲しいと思うか」
衝動買いに、いちばん効く方法です。
カートに入れて、1週間待つ。
多くの場合、1週間後には忘れています。
それは、本当は必要なかったということ。
逆に、1週間後も欲しいと思ったなら ― それは、本当に必要なものかもしれません。
迷ったら、買わない
「迷ったら買う」という言葉もありますが ―
私は逆だと思っています。
本当に必要なものは、迷いません。
迷っている時点で、それは「なくても困らないもの」なのです。
3. 減らして、見えてきたもの
最初に戻ってきたのは、時間だった
物を減らして、いちばん驚いたことがあります。
お金より先に、時間が戻ってきたのです。
◎ 探す時間が減った
「あれ、どこに置いたっけ」
この時間が、驚くほど減りました。
◎ 選ぶ時間が減った
服が少ないと、朝の支度が早くなります。
◎ 手入れする時間が減った
物が少ないほど、掃除がラクです。
「判断疲れ」から、解放される
人は、1日に何度も選択をしています。
その一つひとつが、少しずつ脳を疲れさせると言われています。
物が少ないと、選択の回数が減る。
それだけで、夕方の疲れ方が変わりました。
部屋の余白が、心の余白になる
不思議なことに ―
部屋がすっきりすると、気持ちも落ち着きます。
視界に入る情報が減るからかもしれません。
「片づけなきゃ」という無言のプレッシャーが、消えるからかもしれません。
いずれにせよ、物を減らすことは、心を軽くすることでもありました。
お金は、あとからついてきた
節約しようと思ったわけではありません。
でも、買う回数が減れば、自然と支出は減ります。
そして ―
「本当に欲しいもの」に、お金を使えるようになりました。
これが、いちばん大きな変化です。
4. 「育てる」という買い方
使い捨てから、手入れへ
買い方が変わってから、選ぶ基準も変わりました。
今の基準は、これです。
「これは、育てられるか」
育てられるものの、特徴
◎ 手入れができる
洗える、磨ける、油を塗れる ―
手をかけるほど、良くなっていくもの。
◎ 修理できる
壊れたら直せるものは、長く使えます。
◎ 経年変化を、楽しめる
新品がいちばん美しいものより ―
使い込むほど味が出るものを選ぶようになりました。
私が「育てている」もの
◎ 革のカバンと、財布
旅行カバンから始まって、通勤カバン、財布 ―
気づけば、職人が作ったものを選ぶようになっていました。
革は、手をかけるほど応えてくれます。
傷がついても、それが味になる。
クリームを塗ると、その日だけ艶が戻る。
「買い替える」から「手入れする」へ ―
この変化が、いちばん大きかったかもしれません。
革の手入れは、思ったより簡単でした
「手入れが大変そう」
そう思って、革製品を避けていた時期もありました。
でも、実際にやってみると、驚くほど簡単です。
◎ 乾いた布で、ほこりを落とす
◎ クリームを、少量なじませる
◎ 乾いた布で、軽く拭く
それだけ。
頻度は、月に1回程度で十分です。
この数分のために、専用のクリームをひとつ持っておく ―
それが、長く使うための、いちばん確実な方法でした。
最初の一本は、色がつかない無色タイプが使いやすいと思います。
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※革の種類によって、適したケア用品は異なります。 スエードやヌバックなど起毛素材には、専用のものを選んでください。心配な場合は、目立たない部分で試してからお使いください。
◎ つげぐし
椿油で、ときどき手入れ。
使うほどに、髪へのなじみがよくなります。
◎ 木の器
使ったら洗って、しっかり乾かす。
時々オイルを塗ると、色が深まっていきます。
◎ 急須
茶渋を落として、注ぎ口を洗う。
手をかけるほど、愛着が増していきます。
「買う」ではなく「迎える」
育てられるものを選ぶようになってから、買い物の感覚が変わりました。
「消費する」のではなく「迎え入れる」。
そう思うと、選ぶ時間も楽しくなります。
そして ―
大切にしようと思えるので、次の買い物が減るのです。
5. 物より先に、固定費を
いちばん効果が大きい見直し
ここまで「物」の話をしてきましたが ―
実は、いちばん効果が大きいのは固定費の見直しです。
理由はシンプル。
一度見直せば、毎月ずっと効果が続くからです。
見直したい、4つの固定費
◎ サブスクリプション
動画配信、音楽、アプリ、雑誌読み放題 ―
気づかないうちに、いくつも契約していませんか。
確認方法
- スマートフォンの「サブスクリプション」設定
- クレジットカードの明細を、3か月分見返す
「使っていないのに、払い続けている」ものが、必ず見つかります。
◎ 電力・ガス
自由化により、契約先を選べるようになりました。
同じ電気を使っていても、契約先で料金が変わります。
手続きは多くの場合オンラインで完結し、工事も原則不要です。
※料金プランは変わるため、必ず最新情報をご確認ください。
◎ 通信費
スマートフォンのプランを、何年も変えていないという方は多いはずです。
使っているデータ量を確認して、プランが合っているか見直してみてください。
◎ 保険
40代は、保険を見直すタイミングとも言われます。
◎ 家族構成が変わった
◎ 若い頃に入ったまま、内容を把握していない
◎ 重複した保障がある
こうした場合は、確認する価値があります。
※保険は個別性が高いため、内容の判断は専門家にご相談ください。
「減らす」より「選び直す」
固定費の見直しも、「削る」というより「選び直す」です。
必要なものは、残していい。
大切なのは、「なんとなく払い続けている」ものをなくすことです。
6. それでも、買っていいもの
罪悪感を持たなくていい
ここまで「買わない」話をしてきましたが ―
買うことに罪悪感を持つ必要はありません。
むしろ、こういうものには、積極的にお金を使っていいと思っています。
① 毎日使うもの
枕、寝具、靴、下着 ―
毎日使うものは、1回あたりのコストが下がります。
そして、体への影響も大きい。
ここには、投資する価値があります。
② 体を守るもの
歯ブラシ、日焼け止め、良い食材 ―
健康に関わるものは、削らないほうがいいと思います。
あとから取り返すほうが、高くつくからです。
③ 時間を生むもの
食洗機、乾燥機付き洗濯機、ロボット掃除機 ―
「物を減らす」と矛盾するようですが ―
時間を生む道具は、別枠だと考えています。
毎日30分の家事が減るなら、年間180時間。
その時間の価値を考えると、決して高くありません。
④ 経験に使うお金
旅、学び、人と会うこと ―
物は減っても、経験は減りません。
そして、経験は場所を取りません。
40代からは、物より経験に ― そう思うようになりました。
⑤ 自分を整えるもの
好きな香り、美しい器、一杯のお茶 ―
実用性だけでは測れないものにも、価値があります。
「無駄」に見えるものが、心を支えることもある ―
それも、忘れたくありません。
7. 買わないことで、得たもの
お金が貯まった、という話ではない
正直に言うと、劇的に貯金が増えたわけではありません。
でも ―
お金の使い方に、納得できるようになりました。
「何に使ったか分からないお金」が、減ったのです。
選ぶ力が、育った
買わない選択を重ねるうちに ―
「自分は何を大切にしているか」が、はっきりしてきました。
買い物は、価値観の表れです。
何を買い、何を買わないか ―
その積み重ねが、その人の暮らしを作っていきます。
物との関係が、変わった
今、家にあるものを見回すと ―
「なぜこれを選んだか」を、説明できるものばかりです。
それは、とても心地よいことでした。
まとめ ― 買わないことが、目的ではない
7つの視点をめぐってきました。
「安いから」をやめ(1章)、3つの問いを持ち(2章)、減らして時間を取り戻す(3章)。
育てられるものを選び(4章)、固定費を見直し(5章)、買っていいものを知る(6章)。
そして、選ぶ力が育っていく(7章)。
大切なものに、使うために
「買わない」は、目的ではありません。
手段です。
なんとなく買うのをやめれば ―
本当に欲しいものに、お金を使えるようになる。
大切な人との時間に、使えるようになる。
そのための「買わない」なのだと思います。
あの旅行カバンが、教えてくれたこと
年に数回しか使わないカバンから、私の買い方は変わりました。
「使い捨てる」から「使い続ける」へ。
それは、物との関係が変わったということでもありました。
そして ―
物との関係が変わると、お金との関係も変わります。
今日、ひとつだけ
全部を変える必要はありません。
今日、カートに入れたものを、1週間待ってみる。
今月、サブスクを1つ見直してみる。
それだけで、十分です。
ものを減らすことは、暮らしを貧しくすることではありません。
本当に大切なものを、はっきりさせること。
40代からのお金の使い方は、そういう方向へ向かっていけたら ― そう思っています。
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