40代の私が選び直した“添加物との向き合い方” 第15回（最終回）：“完璧じゃなくてもいい”安心できる暮らしの整え方

40代に入ってから、食べたあとの体の軽さや気分の揺れを、これまで以上に“はっきり”感じるようになりました。
その変化をきっかけに、私は少しずつ添加物を意識するようになりましたが、同時にこんな気持ちも湧いてきました。

「気にしすぎて疲れたくない」
「完璧を目指すと、心がきゅっと固くなる」

無添加や自然派の情報が増えるほど、「あれもダメ、これも危ない」という極端な言葉に触れ、いつの間にか買い物が重たくなっていた時期もあります。
でもある日ふと、気づいたのです。

私が整えたいのは“正しさ”ではなく、“安心して暮らせる自分の感覚”だということ。

そこから、添加物との距離感が変わっていきました。

完璧を求めないことで、心が軽くなる

無添加生活を始めた頃の私は、「できるだけ避けたい」という思いが強く、原材料のチェックに時間をかけすぎていました。
良かれと思って選んでいたはずなのに、いつの間にか “できていない自分” に落ち込むことも。

でも、食事の改善で体が少しずつ楽になっていく中で分かったのは──
全部変えなくても、少し変えるだけで身体は十分応えてくれるということでした。

・出汁を変えたら朝が軽くなった
・甘味料を減らしたら頭の重さが消えた
・外食の選び方を工夫したら肌が安定した

たったこれだけでも、大きな変化でした。

だから今の私は、
「添加物ゼロ」を目指さない。
その代わり、“負担の少ない選択”を積み重ねていく。

そのゆるさが、私にはちょうどよかったのです。

SNSやネットには、強い言葉があふれています。
とくに「危険」「避けるべき」といった感情をゆさぶるワードは、不安を必要以上に大きくさせます。

だから私は、次の3つを意識するようになりました。

① 情報の根拠を見る
誰が・どの立場で・何のデータをもとに話しているのか。
ただの噂なのか、科学的な根拠があるのか。

② 不安を煽る情報はいったん距離を置く
焦りや恐怖で選んだものは、結局長続きしない。
ひと呼吸おいて、「今の自分に必要？」と問いかけます。

③ 他人の“正解”より、自分の体調を基準にする
どれだけ良いと言われても、自分に合わなければ意味がない。
逆に少し添加物が入っていても“体が楽”なら、それでいい。

この3つを軸にすると、
選択が驚くほどシンプルになり、心の余白が戻ってきました。

40代になると、仕事や家族のこと、体の変化……日々の負担が重なる時期。
だからこそ、健康習慣も“続けられること”が最優先だと思うようになりました。

・調味料だけ無添加にする
・家のごはんだけ気にする
・おやつは質を上げて量を控える
・疲れた日は“気にしない日”にする

こういうゆるやかで柔らかな工夫なら、無理なく習慣にできます。
そして、不思議とそのほうが体調も整っていきました。

最終回として、私がこの15回で手放せたものをまとめてみます。

・“絶対こうすべき”という正義感
自分を追い込むほどの健康習慣は、続かない。

・人と比べるクセ
SNSの完璧さより、昨日の自分の体調のほうが大切。

・添加物への過度な罪悪感
気にしすぎるストレスの方が、体には大きな負担。

それを手放した分だけ、心がやわらかくなり、
日々の選択にふっと光が差すようになりました。

このシリーズで一貫して伝えてきたのは、

“添加物ゼロを目指さなくていい”ということ。

大切なのは、
・自分の感覚に耳を澄ませること
・選び方の軸を持つこと
・完璧より、続けられる安心感を優先すること

40代からの暮らしは、
乱れることもあるけれど、その分だけ整えがいのある時期だと思います。

これからも、
無理なく・やさしく・ちょうどよく。
あなた自身の暮らしを、心地よく整えていけますように。