好きだったパステルが、似合わなくなった ― 40代の体型変化と、買い替えすぎない服選び

①【暮らしと知恵】

クローゼットを開けて、いつもの服を着てみる。サイズは変わっていないはずなのに、鏡の前でなんだか首をかしげてしまう。

40代に入ってから、そんな朝が増えました。

いちばん分かりやすかったのは、色でした。私はイエローベースの肌だと言われてきて、ずっとパステル系の色を気に入って着ていました。ところが40代になって、そのパステルカラーが、なんだか合わなくなってきたのです。着ると、顔まわりがぼんやりして見える。好きな色だったからこそ、少しさびしい気持ちになりました。

体重はそれほど変わっていないのに、昔の服がしっくりこない。かといって、何を買えばいいのかも分からない。そんなとき、つい全部を買い替えたくなります。でも、その前に少しだけ立ち止まってみると、見えてくることがありました。

似合わなくなった理由が分かれば、手持ちの服を活かす方法も、次に選ぶ一着の基準も、自然と決まってきます。この記事では、40代の体型の変化と、クローゼットを入れ替えずに整えていく服選びについてまとめました。

変わったのは、サイズより「形」と「質感」

40代の服の違和感は、体重の増減よりも、体の形の変化から来ていることが多いようです。

年齢とともに筋肉量が少しずつ減り、代謝もゆるやかになっていきます。女性ホルモンが減ってくる時期でもあり、脂肪がつきやすい場所が、お腹まわりや背中、二の腕へと移っていくといわれています。ウエストの位置がぼやけたり、背中に厚みが出たり。体重計の数字が同じでも、シルエットは確かに変わっています。

姿勢の変化も大きいと感じます。デスクワークやスマホで背中が丸くなり、肩が前に入ると、同じ服でも着たときの印象がずいぶん違って見えます。

そしてもうひとつが、質感の変化です。肌や髪のツヤ、ハリが少しずつ変わると、以前は似合っていた色や素材が、顔まわりでどこか疲れて見えることがあります。私がパステルカラーに感じた違和感も、たぶんこれでした。

つまり「似合わなくなった」のは、服が悪いわけでも、自分が悪いわけでもなく、体と服の組み合わせが変わった、ということなのだと思います。

どこに違和感があるのか、言葉にしてみる

似合わない服を前にすると、「なんとなく変」で片づけてしまいがちです。でも、違和感の場所を言葉にしてみると、手の打ち方が見えてきます。

鏡の前で、服を着たまま、上から順に見ていきます。首まわりは詰まって見えないか。肩の線は合っているか。袖の丈は、手首が隠れすぎていないか。ウエストの位置は、体に合っているか。丈は、いちばん太く見える位置で終わっていないか。そして、顔の近くにある色は、肌を明るく見せているか。

たいていの場合、違和感は服全体ではなく、どこか一か所にあります。丈が数センチ長いだけ、首の開きが少し狭いだけ、ということも少なくありません。そこが分かれば、服を手放さずに済むこともあります。

私の場合、違和感の原因は、色と生地にありました。やわらかなパステルカラーに、軽くやさしい生地。若い頃には似合っていたその組み合わせが、今の自分には少し頼りなく見えていたのです。原因が分かってからは、選ぶ服がはっきり変わりました。

首、手首、足首を少し見せる

よく言われることですが、首・手首・足首の「三つの首」を少し見せると、全体がすっきり見えます。体の中でいちばん細い部分がのぞくことで、服の中に余白が生まれるからです。

シャツならボタンをひとつ開ける。袖は手首が見えるくらいまで軽くまくる。パンツは、くるぶしが見える丈を選ぶか、ロールアップする。どれも、手持ちの服ですぐに試せることです。

お腹まわりや二の腕を隠したいときほど、全身をゆったりした服で覆いたくなります。でも、全部を隠すと、かえって体が大きく見えることがあります。隠したいところはゆるやかに、細いところは少しだけ見せる。そのメリハリが、いちばんの体型カバーになるように感じています。

素材で選ぶ

40代になって、服を選ぶ基準がいちばん変わったのは素材かもしれません。

体に沿いすぎる薄い素材は、体のラインをそのまま拾ってしまいます。反対に、ハリのある素材や、すとんと下に落ちる素材は、体と服の間にほどよい空間をつくってくれます。

私は、デニムのようにしっかりした生地感のものを選ぶことが増えました。形が崩れにくく、体のラインを拾いすぎない。やわらかな生地を好んで着ていた頃とは、ずいぶん変わったと思います。コットンなら目の詰まったもの、ニットなら編み目がしっかりしたもの。同じデザインでも、素材が変わるだけで見え方はずいぶん違います。

触ったときの心地よさも、以前より大切にするようになりました。肌が敏感になる時期でもあるので、着ていて落ち着くかどうかは、見た目と同じくらいの判断基準です。

色は、メリハリとひとさし

似合う色は、年齢とともに少しずつ変わることがあります。

私はパステル系をやめて、色にメリハリのある組み合わせを選ぶようにしました。やさしい色同士を重ねるのではなく、濃淡のはっきりした色を合わせる。それだけで、全体の印象がぐっと引き締まりました。

そのうえで、鮮やかな色をひとつだけ、アクセントとして取り入れています。全身を鮮やかにするのではなく、一色だけ。ストールやバッグ、小物で差すだけでも、顔まわりが明るく見えるように感じます。好きだったパステルを手放したかわりに、新しく好きな色が増えた。そんな感覚です。

以前の診断で「イエベだから、この色」と覚えていても、肌の色合いは年齢とともに少しずつ変わることがあります。昔の結果がそのまま今の自分に当てはまるとは限りません。何を選べばいいか迷ったときは、パーソナルカラー診断や骨格診断で、今の自分を見直してもらうのもひとつの方法です。

色と気持ちの関係については、色で読み解く、40代の私の今にも書いています。

服の前に、下着と姿勢

服がしっくりこない原因が、実は服の下にあることもあります。

下着のサイズは、若い頃に測ったまま、という方も多いのではないでしょうか。体の形が変わっているのに下着が合っていないと、服を着たときのシルエットが崩れて見えます。数年ぶりに測り直してみるだけで、手持ちの服の見え方が変わることがあります。締めつけの強いものではなく、今の体に合って、着ていて楽なものを選ぶのがいちばんだと思います。

姿勢も同じです。背中が丸くなると、どんな服も少し疲れて見えます。胸を少し開いて、肩を後ろに引く。それだけで、同じ服がきちんと見えるから不思議です。私は、ストレッチポールで背中をゆるめる時間をつくるようになってから、姿勢を意識しやすくなりました。

姿勢を整える方法は、ヨガと呼吸、ほぐしの教科書にまとめています。

お直しという選択

「丈が少し長い」「袖が合わない」「ボタンの位置がきつい」。違和感の原因がはっきりしていれば、お直しで解決できることがあります。

パンツやスカートの丈詰め、袖丈の調整、ボタンの付け替え。気に入っている服なら、手放すより直すほうが、ずっと満足感があります。最近は、近くにお直しのお店がなくても、ネットで注文して宅配で送れるお直しサービスもあります。

洋服の宅配お直し スカートの丈詰め洋服の宅配お直し 総プリーツスカートの丈詰め(職人のお直し)

以前、40代からの「買わない」という選択で、長く使える少し良いものを選ぶようになった話を書きました。旅行カバンや財布、通勤カバンを、職人が作ったものに替えたことです。服も同じで、直しながら長く着られるものは、結果として無駄のない一着になります。

手放す基準、残す基準

それでも、どうしても今の自分に合わない服はあります。私が手放すかどうかを考えるときの基準は、三つです。

直しても、違和感が残りそうか。この一年、一度も袖を通さなかったか。着ている自分を想像して、気持ちが明るくなるか。

反対に、形は少し古くても、素材がよく、手入れして着続けられる服は残すようにしています。流行の服より、そういう服のほうが、年齢を重ねるほど頼りになると感じるからです。

手放すときは、捨てるだけでなく、買取や寄付という方法もあります。まだ着られる服が、誰かのところで役に立つと思えると、手放すことへの後ろめたさも少し軽くなります。

手放すことで気持ちが整う感覚については、クローゼットをひらく暮らしにも書いています。

次の一着を選ぶときは

新しく服を買うとき、以前は「安いから」「流行っているから」で選ぶこともありました。今は、いくつかのことを確かめてから買うようにしています。

手持ちの服と、少なくとも三通りは組み合わせられるか。洗濯やお手入れが負担にならないか。そして、試着したとき、鏡の前で首をかしげずにいられるか。

好きだったパステルが似合わなくなったとき、最初はさびしく感じました。でも、しっかりした生地や、メリハリのある色、ひとさしの鮮やかな色を選ぶようになって、鏡の前で首をかしげる朝は減りました。

体型が変わるのは、年齢を重ねた自然な結果です。それを隠そうとするより、今の体に合うものを、少しずつ選び直していく。服選びは、そうやって自分の今と付き合い直す時間なのだと思います。

クローゼットを全部入れ替えなくても大丈夫です。まずは、いちばんよく着る一枚を鏡の前で着て、どこに違和感があるかを見てみる。そこから始めてみてください。

※一部のリンクにはアフィリエイトプログラムを利用しています。ご購入者の費用負担が増えることはありません。

※あわせて読みたい:長く使えるものの選び方は40代からの「買わない」という選択、手放すことについてはクローゼットをひらく暮らし、姿勢の整え方はヨガと呼吸、ほぐしの教科書へ。

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