梅雨から夏へ。気温と湿度が高くなるこの季節、台所に立つと、ふと気になるのが「食中毒」。
特に40代になってからは、家族の体調も気遣いながら、できるだけ自然な方法で台所を整えたいと思うようになりました。
今回は、私が日々取り入れている「天然素材で食中毒リスクをやさしく減らす工夫」についてご紹介します。
「防ぐ」「増やさない」「やっつける」— 台所でできる3つの基本
まず大切なのは、食中毒予防の基本とされる3原則。
◎ 付けない
調理や食事前の手洗い、野菜や果物は流水でしっかり洗う。必要に応じて酢や塩水を使うと安心感も増します。
◎ 増やさない
作った料理はなるべく早く食べること。保存が必要な場合は冷蔵・冷凍で。とくに夏場は、常温放置は避けたいですね。
◎ やっつける
加熱できる食材はしっかり火を通す。75℃以上で1分以上を目安にしています。
どれも特別なことではありませんが、「できることから丁寧に」心がけるだけで、台所の安心感はぐっと高まります。
昔ながらの味方たち—自然の抗菌パワーを借りて
「防腐剤には頼りたくない」
「けれど、安心して家族に食べさせたい」
そんな私が頼りにしているのが、昔ながらの台所にある天然素材たちです。
◎ 梅干し:酸性が強く、細菌の繁殖を抑える働きが。ごはんと一緒に入れるだけでも安心感が増します。
◎ 酢:料理の下味やマリネ、ドレッシングにも。さっぱりと美味しく、保存性も高まります。
◎ 生姜・大葉・ワサビ:揮発成分に抗菌作用があり、香りのアクセントにも。私はおにぎりや薬味としてよく使います。
◎ 昆布・わかめなどの海藻類:保水性や抗菌性のある成分を含み、おにぎりの包みにも活用されています。
「天然だから万能」というわけではありませんが、こうした素材を台所の小さな守り神のように取り入れると、食卓が少し穏やかになります。
自然の中にも“注意”があることを忘れずに
自然のものがすべて安全…というわけではないことも、年齢を重ねて気づいたことのひとつ。
たとえば、ジャガイモの芽や緑色部分には天然毒素(ソラニン、チャコニン)が含まれています。
これらは加熱しても分解されにくいため、しっかり取り除いてから調理することが大切。
「自然の力に助けられながらも、ちゃんと知識を持って選ぶこと」。
これは、40代からの私が大切にしている視点です。
作り置きや生ものの扱いにも、小さな整えを
大量に作ったカレーや煮物は、鍋のまま一晩置くのは危険。
私は小分けにして冷ましてから冷蔵庫に入れるようにしています。
また、生ものは買ったらすぐ冷蔵へ。特に夏は「冷やすタイミング」がポイントです。
日々のちょっとした整えが、「慌てない台所」をつくってくれると感じています。
自然の知恵を借りて、夏をしなやかに乗り越える
抗菌作用のある天然素材は、強力な“特効薬”ではありません。
でも、毎日の暮らしに少しずつ取り入れることで、安心感や心のゆとりを生んでくれる存在です。
忙しい日々の中で、すべてを完璧にこなすことは難しい。
だからこそ私は、「できることを、やさしく続ける」ことを大切にしています。
自然の力に助けられながら、夏の台所も心も、ゆるやかに整えていけたら。
それが40代からの私の、ちょうどいい暮らし方です。