40代に入ってから、以前よりも心が揺れやすくなりました。
ちょっとしたひとことに落ち込んだり、疲れがたまると気分まで重くなることも増えました。
「どうしてこんなに波が大きくなったんだろう?」
そんなふうに悩んでいた頃、ある一冊の本で出会った言葉が、私の心にそっと灯りをともしてくれました。
―“自分の機嫌を、人に預けない。”
その瞬間、自分の中で何かがスッとほどけた気がしました。
私は気づかないうちに、周りの出来事や人の態度に、自分の機嫌を委ねて生きていたのだと。
40代になり、心も体もゆらぎやすくなる今こそ、私は「セルフケア=自分との付き合い方」だと考えるようになりました。
自分の状態に気づくことから始まった
セルフケアというと、特別なアイテムや贅沢な時間を思い浮かべがちですが、本当はもっと静かで日常的なもの。
大切なのは、自分の状態に気づき、自分で選び、自分を丁寧に扱うことでした。
それを理解したとき、私はやっと「自分の土台」を見直すきっかけをもらえた気がしたのです。
「落ち込む前に気づく」ためにしたこと
最初に取り組んだのは、自分がどんなときに落ち込むのかを把握すること。
・疲れが出やすい時間帯
・焦りや不安が強くなる場面
・苦手な人との関わり
・心がざわつくパターン
これらを書き出してみると、自分でも驚くほど“癖”が見えてきました。
ただ気づくだけで、心の波にのまれにくくなるから不思議です。
感情に押し流される前に、「今これが起きているんだ」と気づけるだけで、行動を変えられるようになりました。
小さく調整することで、自分を守る
次に意識したのは、“小さな調整”を日常の中に散りばめること。
・朝やる気が出ない日は、タスクを半分にする
・心がざわつく日は、温かい飲み物をゆっくり飲む
・疲れが抜けない日は、家事を最低限にする
ほんの小さなことですが、こうした選択を積み重ねることで、自分を守れる日が格段に増えました。
40代は無理がききにくい時期だからこそ、雑に扱わないことが、いちばんのセルフケアなのだと思います。
環境を整える“気分を選ぶ”セルフケア
そして私がとくに大切にしているのが、“気分を選ぶ”という意識です。
音、光、香り、人との距離感……外側の環境が整うと、心は驚くほど静かになります。
・部屋の灯りを柔らかくする
・心地よい香りをひとつ用意しておく
・今日会う人との距離を無理のない範囲に調整する
外側の環境は、自分の機嫌を守る大きな味方。
小さな選択が、私の軸をそっと守ってくれるようになりました。
自分の機嫌を自分でつくるという生き方
セルフケアを続けるうちに、私は“自分の機嫌を他人に預けない”という生き方が、だんだん心地よくなってきました。
もちろん、落ち込む日も、イライラする日もあります。
でも、戻ってこられる場所を自分の中につくったことで、以前ほど長く引きずらなくなりました。
40代は心も体も揺らぎやすい時期。
だからこそセルフケアは、“ただのケア”ではなく、自分を尊重する生き方そのものへと変わっていくのだと思います。
「私のごきげんは、私がつくる」。
そう思えるようになってから、毎日が少しずつ、静かに軽くなりました。
これからも、自分の心が穏やかでいられるように、小さなセルフケアを積み重ねていきたいと思います。

