暮らしを軽くする、小さな習慣5つ ― 収納・掃除・食卓・お金を、無理なく整える

①【暮らしと知恵】

「片づけているのに、なぜか片づかない」。そう感じたことはありませんか。私も、長いあいだそうでした。

若い頃は、整理整頓といえば「仕切って、詰めて、並べて」が基本。ケースやポーチで細かく仕切ることが、整っている証だと思っていたのです。けれど気づけば、バッグの中も引き出しの中も、収納グッズでいっぱい。ちゃんと整理しているはずなのに、なんだか重たく、心までごちゃつくような感覚がありました。

40代になって少しずつ気づいたのは、私が求めていたのは完璧な整理ではなく、心地よく整っている感覚だったということです。きっちりしていなくても、整っている。そういう状態のほうが、ずっと心が軽いのです。

この記事では、私が実際に続けている小さな習慣を5つご紹介します。収納、掃除、食卓、そしてお金のこと。どれも、特別な道具や大がかりな時間はいりません。「これならできそう」と思えるものがひとつでもあれば、それで十分だと思っています。

巾着で、仕切らない収納

収納グッズでいっぱいになったバッグを見て、整理するための道具が、かえって邪魔をしていると感じたことがありました。そんなときに出会ったのが、巾着袋という昔ながらの収納です。

巾着は、ファスナーも芯もない、ただの布袋です。でも、その余計なもののない形が、40代の暮らしにちょうどよかったのです。ポーチは中身を詰め込むとパンパンになり、かたい素材がバッグの中でかさばりがちです。巾着なら、使わないときはペタンと畳めて、形がやわらかく、中身に寄り添ってくれます。

ポーチ巾着
形固定されている中身に寄り添う
空のときかさばるペタンと畳める
バッグの中角が当たるやわらかくなじむ
中身の確認開けないと見えない上から見える

バッグの中と、引き出しの中

今は、サイズや素材の違う巾着を5〜6個ほど使い回しています。リップや目薬、ハンドクリームは小さなリネンの巾着に。マスクの予備や除菌スプレーは防水素材の巾着に。イヤホンやモバイルバッテリーは厚手コットンの巾着に。ポーチのように型が決まっていないので、バッグの中でも自然になじみ、手ざわりもやさしい。ざっくり仕分けておくだけで、「あれ、どこだっけ」と探すことがぐっと減りました。

家の中でも、巾着は活躍しています。替えの電池やケーブル類は無地の巾着、使いかけの文房具は柄入りの巾着、コスメのストックは透け感のあるガーゼの巾着に。ケースのように四角いスペースにきっちり収まるわけではありませんが、それがかえってちょうどいいのです。詰め込まない余白が引き出しの中に生まれ、それが気持ちの余裕にもつながっている気がします。

選ぶときのポイント

巾着は、素材で使い分けると便利です。

素材向いているもの
リネン化粧品、小物(通気性がよい)
厚手コットン電子機器(クッション性がある)
防水・撥水スプレー、ウェットティッシュ
ガーゼ・メッシュ中身が見えるので、ストックの管理に

サイズは、手のひらサイズ、文庫本サイズ、A5サイズの3種類くらいあると使いやすいと思います。中身が見えるメッシュの巾着は、開けなくても何が入っているか分かるので、引き出しの中のストック管理にとくに便利です。

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きっちりしなくても、整っている

以前は「きれいに並べなくちゃ」「仕切らなきゃ」と、自分にプレッシャーをかけていたように思います。今は、巾着にポンと入れるだけ。ゆるく、やさしく、それでもちゃんと整っている。きっちりしていないけれど片づいている、という状態が、思っていた以上に心をほぐしてくれました。

カーテン洗濯祭り ― 年2回、空気をリセットする

夏のある日、部屋の空気がどこか重たく感じることがありました。エアコンの風は届いているし、扇風機もまわしている。それでも、空気がよどんでいるような感覚がある。気温や湿度ではなく、視界と空気の質が関係しているような気がして、試しにカーテンを洗ってみたのが、私の「カーテン洗濯祭り」のはじまりです。

カーテンは毎日目にしているのに、あまり意識しない存在かもしれません。けれど実は、部屋の中でも、空気やにおい、湿気、ほこりを吸いやすい場所です。とくに窓を開けることが増える夏は、外の空気と部屋の空気の中継地点になります。そこにたまった見えない汚れが、空気の重さを感じさせていたのだと思います。

思い立った日に、まとめて洗う

「いつかやらなきゃ」と後回しにしがちだからこそ、思い立った日にまとめて洗ってしまう。それが私の洗濯祭りです。リビングのレースカーテン、厚手のカーテン、寝室や脱衣所のカーテンと順に外していき、洗濯機で、やさしい洗剤を使って洗います。

いちばんラクなのは、洗ったカーテンをそのままレールに戻して乾かす方法です。夏の強い日差しと自然の風が乾かしてくれて、干す場所もいらず、シワも伸びます。今では年に2回、夏と年末に洗うのが習慣になりました。

種類洗い方干し方
厚手カーテン洗濯ネットに入れて、弱水流で取り付けたまま
レースカーテンふんわりと洗う日陰干し、または取り付けたまま

洗う前に、確認したいこと

これは、私の失敗から学んだことです。まず、洗濯表示を必ず見ること。「水洗い不可」のものもありますし、防炎や遮光などの機能があるカーテンには、家庭で洗えないものもあります。フックは外してから洗います。つけたまま洗うと、生地が傷んでしまいます。ネットにはたたんでから入れること。丸めたままだと、洗いムラが出ます。脱水を短めにすると、シワが残りにくくなります。

空間が整うと、心も整う

カーテンを洗ったあとは、不思議と気持ちまで軽くなります。何かを捨てたわけでも、大掃除をしたわけでもないのに、空間が明るく見えて、自分の中のよどみまで取れたような感覚があるのです。

40代になって、香りや空気の変化に敏感になったからこそ、視界にずっとあるもの、空気をまとうものを整えるだけで、暮らしの印象ががらりと変わるのだと思います。洗ったカーテン越しに差し込む朝の光や、風に揺れるレースを眺める時間は、まるでごほうびのよう。大がかりな家事に見えて、実は心のためのセルフケアなのかもしれません。

水の曜日に、水まわりを

週の真ん中の水曜日を、勝手に「水の曜日」と名付けています。水曜日になると、ふと水まわりの掃除を思い出す。語呂合わせのようなものですが、そう決めておくと、意外と忘れないのです。

年齢を重ねると疲れが出やすく、週末にまとめて掃除するのが大変に感じることが増えました。とくに水まわりは、汚れがたまると頑固になって、掃除そのものが負担になります。だからこそ、使ったらすぐ掃除する、というこまめな習慣が、暮らしを軽くする近道だと感じています。

トイレは「お風呂の前」に

私の中でいちばん定着しているのが、トイレ掃除のタイミングです。日々は、使うたびに除菌スプレーを便座にシュッと吹きかけ、ペーパーでさっと拭くだけ。便器の中は、洗剤をかけて数分置いてから流すので、こすらずに済みます。そして全体の掃除は、お風呂に入る前に。掃除のあとにそのままお風呂に入れるので、手の汚れも気になりません。

お風呂は「使ったあと」が勝負

汚れは、時間が経つほど落ちにくくなります。入浴後に、バスタブや壁、床をスポンジで軽くこする。力は入れなくて大丈夫です。熱めのお湯をかけるとカビ対策になるとされていて、最後に乾いた布で水気を拭き取り、換気をします。水分を残さないことが、いちばんのカビ対策です。

キッチンと洗面所も、ついでに

キッチンのシンクは、ゴミを捨てるタイミングで排水口のネットを替え、そのついでに洗剤とスポンジでさっと洗います。洗面所は、水はねを拭き取り、夜にスポンジで軽く洗うだけ。どちらも「ついで」にすると、忘れずに続きます。

続けやすくするために

いちばん大切なのは、道具の置き場所です。掃除道具は、使う場所に置いておく。取りに行く手間があると、それだけで続かなくなってしまいます。目標はピカピカではなく、気持ちよく使える状態。完璧を求めないことも、続けるコツだと思います。

水だけで使えるクロスなら、洗剤を出す手間がなく、気づいたときにさっと拭けます。2枚あれば、洗面所とキッチンに1枚ずつ置いておけます。

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ワンプレートごはん ― 洗い物が減ると、心も軽い

家族がまだ眠っている静かな休日の朝、キッチンに立って器を選んでいると、ふと「今日は、自分のために小さなお祭りをひとつつくろう」と思うことがあります。特別なごちそうや豪華な演出がなくても、暮らしの中に「ちょっと嬉しい」を散りばめるだけで、心はふんわり軽くなるのです。

ワンプレートごはんの魅力は、気軽さと見た目の楽しさです。主菜と副菜とごはんが一皿にまとまるだけで、食卓がぱっと華やぎます。そして何より、洗い物が減ります。40代になって、余白のある家事が心のゆとりにつながることを実感しています。

ココット皿をひとつ添える

私なりの発見は、小さなココット皿をひとつ添えることでした。それだけで立体感が生まれ、いつものごはんがごちそうのように見えます。お気に入りは、トマトとモッツァレラのマリネ、しらすと大葉と梅干しの和えもの、季節の果物を添えたヨーグルト。どれも簡単なのに、彩りも風味も引き立ちます。汁気のある副菜や小さなデザートを入れても、同じプレートの上で味が混ざらずに楽しめます。

盛りつけの、小さなコツ

葉物を下に敷いて、少し高さを出す。赤、緑、黄のどれかが入るよう、3色以上を意識する。そして、皿いっぱいに盛らずに、余白を残す。この3つだけで、ずいぶん印象が変わります。

仕切りのあるプレートなら、ココットを添えなくても、汁気のあるものが混ざらずに盛りつけられます。毎日使うものなので、軽さも意外と大切です。

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整えるより、味わう

「お祭り」は特別な日だけのものだと思っていましたが、今は、毎日をちょっと楽しく過ごすことも、お祭りのようなものだと思っています。いつもと違う器を使ってみる。色合いを意識して盛りつける。お気に入りのハーブティーを添える。

若い頃のように見た目の映えを追いかけるのではなく、今は、心が満たされることを選びたい。完璧でも丁寧でなくてもいいから、「今日はちょっと楽しかったな」と思える時間がひとつあれば、その日がやさしく整う気がします。

ゼロ円DAY ― 買わない日を、つくってみる

「今日は、ゼロ円DAYにしよう」。そう決める日があります。水道光熱費などの決まった支出を除いて、お金を使わない一日です。

日常には、気づかないうちにお金を使っている瞬間がたくさんあります。朝のコンビニコーヒー、なんとなく立ち寄ったスーパーの特売品、SNSで見つけた、ちょっと欲しいものの衝動買い。どれも悪いことではないけれど、気づけば、お金は使っているのに満たされていない、という感覚が残る日もあります。ゼロ円DAYは、そんな毎日から少しだけ距離を取る、小さな習慣です。

私のルール

  • 買い物は、一切しない
  • 飲み物は、マイボトルに白湯やお茶を入れて持っていく
  • 食事は、冷凍のストックや常備菜など、家にあるもので
  • 欲しいものがあったら、「欲しいリスト」に書くだけにする
  • 家計簿アプリのカレンダーで、使わなかった日を見える化する

とくに気に入っているのが、家計簿アプリのカレンダーです。お金を使った日は記録が残り、使わなかった日は空白になります。特別な表示が出るわけではありませんが、「今日はゼロ円で過ごせた」とひと目でわかる。その小さな満足感が、私にとってのごほうびです。

買わない日に、気づくこと

ゼロ円DAYには、見逃していた本を読み返したり、冷蔵庫の中を整えたり、家にある食材で一食を丁寧につくったり、ノートに考えを書き出したりしています。いつもなら何かを足すことで満たそうとしていた心が、今あるものを見直すことで、静かに落ち着いていく。「足りない」ではなく「もうすでにある」と気づかせてくれる時間です。

毎日続けるのは現実的ではありませんが、月に1〜2回、自分のペースで取り入れるだけでも、整う感覚が育っていきます。私にとってゼロ円DAYは、節約でも倹約でもなく、心のバランスを取り戻す習慣のひとつです。お金の使い方そのものについては、40代からの「買わない」という選択にも書いています。

どれも「引き算」の習慣

5つの習慣を並べてみて、気づいたことがあります。どれも、何かを足す習慣ではないのです。

習慣減らしたもの
巾着の収納収納グッズ、仕切り
カーテン洗濯空気のよどみ
水まわりのこまめ掃除まとめて掃除する負担
ワンプレートごはん洗い物
ゼロ円DAY買い物

40代からの暮らしは、足すより減らすほうが心地よい。そう感じています。

5つを一度に始める必要はありません。いちばん手軽なのは、ワンプレートごはんかもしれません。道具を買い足さなくても、今夜の夕食から、お皿1枚で始められます。

きっちり整理しなくていい。毎日掃除しなくていい。気持ちよく使える状態があれば、それで十分。そう思えるようになってから、暮らしがずいぶん軽くなりました。

※本記事は個人の体験のご紹介です。カーテンや衣類を洗う際は、必ず洗濯表示をご確認ください。洗剤や掃除用品は、用途と使用方法を守ってお使いください。混ぜると危険な製品もあります。換気にもご注意ください。

※一部のリンクにはアフィリエイトプログラムを利用しています。ご購入者の費用負担が増えることはありません。

※あわせて読みたい:買い方の見直しは40代からの「買わない」という選択、引き算の考え方は日常に生かす、茶道のこころ、心の整え方は40代からの”機嫌を整える”暮らし 完全版へ。

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