40代の髪、パサつき・うねりを整える実践マニュアル ― 洗い方から乾かし方まで

③【美容・健康】

同じケアをしているのに、髪がまとまらない。トリートメントを変えても、その場しのぎ。40代に入ってから、そう感じることが増えました。

40代の髪には、いくつもの変化が重なっています。ホルモンバランスの変化、水分や油分の減少、そして髪の内部にあるケラチンやCMC(細胞膜複合体)の減少、血流の変化。髪の中身そのものが若い頃とは違ってきているので、同じケアでは応えてくれなくなるのです。

けれど、高価なものを買い足す前に、やり方を見直すだけで、驚くほど変わることがあります。とくに効くのは、正しく洗うこと、内側から補修すること、そして熱と摩擦から守ること。この記事では、その毎日の手順を、洗う前から寝るときまで順番にまとめました。

※本記事は一般的な情報のご紹介です。頭皮の炎症、急な抜け毛、かゆみが続く場合は、皮膚科を受診してください。

洗う前に、ブラッシング

意外に思われるかもしれませんが、シャンプーの前に、乾いた状態でブラッシングするのが正しい順番です。ほこりや汚れが先に落ちるので、シャンプーの量を減らせます。濡れた髪は乾いた髪より傷つきやすいとされているので、絡まりを先にほどいておくと、洗うときの摩擦も減らせます。ブラシが頭皮に触れることで、軽いマッサージにもなります。

とかす順番は、襟足から頭頂部へ、下から上へ逆さにとかすのがコツです。上から一気にとかすと、毛先で絡まりが固まってしまうことがあります。

ブラシは、豚毛や猪毛などの天然毛のものが理想的です。静電気が起きにくく、適度に油分をなじませ、頭皮も傷つけにくい。プラスチックのブラシを使う場合は、毛先が丸くなっているものを選んでください。朝のスタイリング前と夜の入浴前、1日2回くらいで十分です。やりすぎるとかえって摩擦になるので、丁寧に、やさしくが基本です。

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予洗い2分が、いちばん効く

もしこの記事の中からひとつだけ実践するなら、私は予洗いをおすすめします。シャンプーをつける前に、お湯だけで2分以上流す。これだけで、皮脂や汚れの大半が落ちるとされています。

考えてみれば、汚れた食器も、まず水で流してから洗います。髪も同じです。汚れが先に落ちていれば、シャンプーは少量でもよく泡立ちます。皮脂が残っていると泡が立たず、「泡立たないから、もう一度シャンプーを足す」という悪循環になりますが、予洗いをすればそれがなくなり、洗浄剤による負担も減らせます。頭皮が温まって、汚れが落ちやすくなるのもうれしいところです。

お湯の温度は、38℃前後。少しぬるいと感じるくらいが適温です。42℃を超えるような熱いお湯は、必要な油分まで奪ってしまい、乾燥の原因になることがあります。

実際にやってみると、2分は意外と長く感じます。「もう十分かな」と思ったあたりが、たいてい1分です。予洗いしながら、指の腹で頭皮を軽くマッサージすると、時間が気にならなくなります。

シャンプーは「洗浄力マイルド+保湿」で選ぶ

若い頃は、さっぱり洗えるシャンプーが心地よかったかもしれません。でも40代は、洗浄力が強すぎると乾燥しやすくなります。選ぶ基準は、洗浄力がマイルドであることと、保湿や補修の成分が入っていることの2つです。

シャンプーの洗浄成分は、いくつかの系統に分かれます。

系統特徴成分名の例
アミノ酸系低刺激で、保湿力が高いココイルグルタミン酸Na、ラウロイルメチルアラニンNa
ベタイン系マイルドで、泡立ちがよいコカミドプロピルベタイン
石けん系さっぱりするが、きしみやすい石けん素地、脂肪酸ナトリウム
高級アルコール系洗浄力が強く、価格は手頃ラウレス硫酸Na、ラウリル硫酸Na

成分表示は、配合量の多い順に書かれています。水のすぐあとに来る成分を見れば、どの系統かが分かります。パッケージに「アミノ酸系」と書かれていなくても、「ココイル〜」「ラウロイル〜」「〜グルタミン酸〜」「〜メチルアラニン〜」といった名前があれば、アミノ酸系です。反対に、「〜硫酸Na」が最初のほうに来ていれば、洗浄力が強めのタイプです。

ただ、アミノ酸系がすべての人に合うわけではありません。皮脂の多い方は、マイルドすぎると洗い足りないこともあります。いちばんの基準は、自分の頭皮の状態に合っているかどうかです。

※頭皮の赤み、かゆみ、フケが続く場合は、市販品で対処しようとせず、皮膚科にご相談ください。

髪ではなく、頭皮を洗う

いちばん大切な考え方は、シャンプーは頭皮を洗うもの、ということです。髪は、泡が流れていく過程で自然に洗われるので、こすって洗う必要はありません。

  1. シャンプーは、手のひらでよく泡立ててから使う。原液を直接つけると、そこだけ洗浄力が強くかかります
  2. 泡を、髪の上ではなく地肌になじませる
  3. 皮脂がたまりやすい後頭部と襟足から洗い始め、耳の上のサイド、頭頂部へと進む。この順番だと洗い残しが減ります
  4. 指の腹で、もみほぐすように洗う。爪は立てないこと。頭皮に傷がつくと、トラブルのもとになります
  5. 髪はこすらず、泡と一緒に汚れが流れていくイメージで
  6. すすぎは2〜3分以上。いちばん手を抜きやすいところですが、シャンプーが残ると頭皮のトラブルにつながります
  7. 髪を触って、キシッとした感触があればすすぎ終わり。ぬるっとしていたら、まだ残っています

予洗いが2分、洗うのが1〜2分、すすぎが2〜3分。合わせて5〜7分ほどです。思ったより長いと感じるかもしれませんが、この時間が、翌朝のまとまりを変えてくれます。

トリートメントは、中間から毛先に

シャンプーとトリートメントは、混同されがちですが、役割がまったく違います。シャンプーは頭皮の汚れを落とすもの、トリートメントは髪を補修するものです。だから、トリートメントは頭皮にはつけず、中間から毛先を中心に塗ります。いちばんダメージが大きいのは毛先で、根元は自分の皮脂で守られています。頭皮につけると、毛穴をふさいでトラブルの原因になることもあります。

塗ったあとに目の粗いコームでとかすと、全体に均一に行き渡ります。お風呂用のコームを1本置いておくと便利です。置く時間は、多くの製品で2〜3分が目安とされています。長く置けば効果が増すというものではないので、そのあいだに体を洗うなど、ほかのことをすると効率的です。

すすぐときは、頭皮にはしっかりお湯を流しつつ、毛先は流しすぎないようにします。補修の成分まで落としてしまわないよう、ぬるつきがほぼ取れたところで止めるのがちょうどいいと思います。

タオルドライと、アウトバスの2段仕込み

髪が濡れているときは、表面のキューティクルが開いていて、こすると簡単に傷つきます。だから、タオルドライは「拭く」のではなく「押さえる」のが正解です。タオルで髪をはさみ、押さえるようにして水分を吸わせる。ふわふわのタオルを使うと、摩擦が少なくすみます。ただ、濡れたまま放っておくのもダメージになるので、手早く済ませて、すぐに乾かします。

40代の私の髪に、いちばん効いたと感じているのが、アウトバストリートメントの「2段仕込み」です。ミルクとオイル、両方を使います。

役割塗る順番
ミルクタイプ髪の内側に潤いを与える1番目
オイルタイプ表面を覆い、水分が逃げるのを防ぐ2番目

大切なのは、この順番です。オイルを先に塗ると膜ができて、ミルクが入っていきません。タオルドライのあと、まずミルクを中間から毛先に。その上から、同じようにオイルを。コームで全体になじませてから、ドライヤーで乾かします。

量は、ショートなら1プッシュ、ミディアムで1〜2プッシュ、ロングで2〜3プッシュくらいが目安です。つけすぎると重くなってべたつくので、少し足りないかなと思う量から始めて調整してください。

塗るのは、乾かす前です。多くのアウトバストリートメントには、ドライヤーの熱から髪を守る働きがあるので、乾かしたあとに塗るより効果的です。

ドライヤーは「風量は強く、温度は低く」

ドライヤーの熱がダメージになるからと、自然乾燥にしている方もいるかもしれません。けれど実は、濡れた状態が長く続くほうが、髪には負担です。キューティクルが開いたままになり、雑菌も繁殖しやすく、頭皮も冷えてしまいます。できるだけ早く、正しく乾かすのが正解です。

乾かす順番は、根元から中間、そして毛先へ。根元は乾きにくく、毛先は乾きやすいので、毛先から乾かすと、根元が乾くころには毛先が乾きすぎてしまいます。風は、髪の流れに沿って上から下へ当てます。下から当てると、キューティクルが逆立ってしまいます。

設定は、風量を強めに、温度は低めから中くらいに。ドライヤーは髪から15cm以上離します。高温で一気に乾かすより、風量で水分を飛ばすほうが、ダメージは少なくてすみます。同じ場所に3秒以上当て続けないよう、ドライヤーは常に動かしてください。

そして、仕上げに冷風を30秒ほど当てます。これが、いちばん効果を感じる工程かもしれません。開いていたキューティクルが閉じて、ツヤが出て、髪が落ち着きまとまりやすくなります。

ヘアアイロンを使うなら

濡れた髪や半乾きの髪には、ヘアアイロンを使わないでください。濡れた髪は熱にとても弱く、低い温度でもたんぱく質が変性するとされています。当てたときに「ジュッ」と音がするのは、髪の内側の水分が一気に蒸発しているサインです。完全に乾かしてから使うのが大前提です。

髪質温度の目安
ダメージ毛、細い髪140℃前後
普通の髪140〜160℃
太くて硬い髪160〜180℃

同じ場所に何度も当てず、1か所につき1回、さっと通すのが基本です。

週に1〜2回の、内部補修

40代の髪では、髪の主成分であるケラチンや、髪の内側で水分や成分をつなぐCMC(細胞膜複合体)が減っていくといわれています。表面を整えるだけでは、内側のすき間は埋まりません。だから、週に1〜2回の集中ケアが効いてきます。

成分期待される働き
ヘマチンダメージ部分の補修、カラーの色持ちのサポート
加水分解ケラチン髪の主成分を補う
CMC成分内側の結びつきを補う
セラミド水分を保つサポート

※効果には個人差があります。

集中ケアは、温めると浸透しやすくなります。濡らして軽く絞ったタオルを電子レンジで30〜40秒温め、やけどに気をつけて髪に巻く方法と、シャワーキャップをかぶって湯船に浸かり、体温で温める方法があります。どちらも5〜10分ほど置くのが目安です。

自宅のケアだけでは補いきれないと感じたら、サロンのトリートメントを取り入れるのもひとつの方法です。毎月でなくても、カラーやパーマの直後、夏の紫外線のダメージがたまったとき、大事な予定の前など、節目ごとで十分だと思います。

寝ているあいだの、摩擦を減らす

見落とされがちですが、寝ているあいだの摩擦は、思っている以上に大きいものです。人は一晩に20回以上寝返りを打つともいわれ、そのたびに髪が枕にこすられています。

そこでおすすめなのが、シルクの枕カバーです。コットンに比べて摩擦がずっと少ないとされていて、寝癖がつきにくく、静電気も起きにくく、髪の水分も奪われにくい。顔の肌にもやさしいので、肌の摩擦対策にもなります。髪全体を守れるナイトキャップもありますが、慣れるまで違和感があるので、まず試すなら、いつもの寝具に1枚替えるだけの枕カバーのほうが続けやすいと思います。

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寝る前に、毛先にオイルを少しなじませておくのもいい方法です。ただし、ほんの1〜2滴で十分。つけすぎると枕が汚れ、朝にべたついてしまいます。

そして、基本ですがいちばん大切なのが、濡れた髪のまま寝ないことです。濡れた髪は摩擦に弱く、湿った枕は雑菌が増えやすく、頭皮も冷えてしまいます。面倒でも、乾かしてから休んでください。

道具を選ぶときの目安

最後に、道具を選ぶときに見ておきたいポイントをまとめておきます。

道具選ぶときの目安
シャンプー洗浄成分がアミノ酸系かベタイン系、保湿や補修の成分入り、頭皮にかゆみやつっぱりが出ない
トリートメントヘマチン、加水分解ケラチン、CMC成分などの補修成分入り、すすいだあとにきしまない
アウトバストリートメントミルクとオイルの2種類、熱から守る働きのあるもの
ドライヤー風量が強い(1.3㎥/分以上が目安とされる)、温度を調整できる、冷風が使える
ヘアアイロン140℃前後に設定できる、温まるのが早い
寝具シルクの枕カバー、またはナイトキャップ
ブラシ天然毛、または毛先の丸いもの

買い足す前に、やり方を変える

新しいシャンプーを買っても、洗い方が同じなら、結果はそれほど変わりません。反対に、今あるものでも、手順を変えるだけで変化を感じられることがあります。

全部を一度に始める必要はありません。効果を感じやすいのは、お金のかからない予洗い2分と、ドライヤーの最後の冷風、そしてミルクを1本足すだけのアウトバスの2段仕込み。まずはこの3つからで十分です。

40代の髪は、丁寧に扱えば、ちゃんと応えてくれます。今夜は、予洗いを2分。それだけで、明日の朝の髪が少し変わるかもしれません。髪が整うと、鏡を見るのが少し楽しくなります。その小さな変化が、毎日を支えてくれると思うのです。

※本記事は一般的な情報のご紹介です。効果には個人差があります。頭皮の炎症、かゆみ、フケ、急な抜け毛が続く場合は、必ず皮膚科を受診してください。市販のヘアケア製品で良くならない症状は、治療が必要な場合があります。

※あわせて読みたい:白髪との向き合い方は40代からの白髪と髪の整え方 完全版、ホルモンの変化については40代のホルモンと暮らし 完全版、睡眠環境の整え方は睡眠改善 完全ノートへ。

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