40代からの手のケア ― 手の甲の乾燥、シミ、爪の縦線を、やさしく整える習慣

③【美容・健康】

茶道を習い始めてから、自分の手をよく見るようになりました。

お点前では、袱紗をさばき、茶杓を持ち、茶碗を清める。そのあいだ、手の動きはずっと人の目に触れています。お客さまの前に茶碗を出すとき、最後に見られるのも手です。

それまで、手にはほとんど気を配っていませんでした。顔のスキンケアは毎日するのに、手は洗ったあとに拭くだけ。けれど茶室で自分の手を見たとき、乾いた手の甲や、指先のささくれが、思っていた以上に目についたのです。

手を、きれいに保ちたい。そう思ったのが、この記事を書くきっかけでした。

同じころ、爪に細い縦の線が入っていることにも気づきました。以前はなかったものです。調べてみると、40代になると増えてくる、よくある変化のひとつでした。

「手は年齢が出る」とよく言われます。それには理由があり、理由がわかると、手入れの仕方も変わってきます。この記事では、40代の手に起きていることと、暮らしの中でできるケアをまとめました。

※本記事は一般的な情報と個人の体験のご紹介です。手荒れや湿疹、爪の変化が続く場合は、皮膚科を受診してください。

手に年齢が出やすい理由

手の甲は、もともと皮脂を出す腺が少ない場所です。手のひらにいたっては、皮脂腺がほとんどありません。顔のように自分の皮脂で潤いを守ることができないため、乾燥しやすいのです。

そこに、年齢による変化が重なります。40代になると、皮膚をふっくら支えていたコラーゲンが少しずつ減り、皮膚が薄くなっていきます。手の甲の血管が浮いて見えるようになるのは、そのためです。

さらに手は、一日に何度も洗い、水や洗剤に触れ、一年中紫外線を浴びています。顔には日焼け止めを塗っても、手の甲まで塗り直している人は多くありません。車の運転中や自転車に乗っているとき、手の甲は顔以上に日に当たっていることもあります。

乾燥しやすく、薄くなり、よく使い、日に当たり続ける。手に年齢が出やすいのは、ある意味で自然なことなのだと思います。

茶道を始めて、気づいたこと

茶道では、手元がとても大切にされます。

教室や流派によって違いはありますが、稽古の前には指輪や時計を外すこと、爪は短く整えておくことが一般的とされています。大切なお道具、とくに茶碗を傷つけないためです。ネイルカラーを控えるように言われることもあります。

もうひとつ意外だったのが、香りへの配慮です。茶室では、お香やお茶そのものの香りを楽しみます。香水はもちろん、香りの強いハンドクリームも控えたほうがよいとされています。

それまでは、ハンドクリームを香りで選んでいました。けれど茶道を始めてからは、稽古の日は無香料のものを使うようになりました。香りではなく、手そのものを整える。選ぶ基準が、自然と変わったのです。

爪を短く整え、何も飾らない手で茶碗に触れる。だからこそ、手の乾燥や荒れがごまかせません。茶道は、手を「飾る」のではなく「整える」ことを教えてくれた気がします。

洗いすぎと、お湯の温度

手荒れの原因としていちばん大きいのは、実は洗い方かもしれません。

熱いお湯は、肌に必要な皮脂まで流してしまいます。とくに冬は、手を洗うときも食器を洗うときも、ついお湯の温度を上げたくなりますが、ぬるま湯くらいにとどめるほうが、手には負担が少なくなります。

手を洗ったあとは、水分をしっかり拭き取ることも大切です。濡れたまま放っておくと、水分が蒸発するときに、肌の潤いまで一緒に奪われていきます。指の間まで、タオルでやさしく押さえるように拭いてください。

アルコールでの手指消毒が習慣になっている方は、そのあとの保湿も意識してみてください。消毒が必要な場面はもちろんありますが、乾燥しやすくなるのも事実です。

ハンドクリームの選び方と塗り方

目的に合わせて選ぶ

ハンドクリームは、何を求めるかで選び方が変わります。

目的向いているタイプ
かさつき、全体の乾燥セラミドなど、保湿成分が入ったもの
硬くなった部分尿素配合のもの
水仕事のあとの保護ワセリンなど、膜をつくるもの
手の甲のハリが気になる美容液タイプ
茶道や料理の前無香料で、べたつきにくいもの

ひとつ気をつけたいのが、尿素配合のクリームです。硬くなった角質をやわらかくしてくれる一方で、ひび割れや傷があるところに塗ると、しみることがあります。あかぎれがあるときは、刺激の少ない保湿タイプを選ぶほうが安心です。

お稽古の前は、塗ってすぐにべたつかないものを選ぶと、お道具に触れるときも気になりません。

パピリオ ハンドマッサージエッセンスリペアSSパピリオ ハンドマッサージエッセンスリペアSS 100g(薬用ハンドクリーム)

塗り方で、効き方が変わる

ハンドクリームは、手の甲にちょんと出して、両手をこすり合わせて終わり、になりがちです。私もずっとそうでした。

まず、手のひらで少し温めてから、手の甲に広げます。そのあと、指を一本ずつ、付け根から指先に向かってなじませていきます。忘れやすいのが、指と指の間と、爪のまわり。ここは乾燥しやすく、ささくれもできやすい場所です。

量は、思っているより少し多めに。薄く伸ばしただけでは、すぐに乾いてしまいます。

塗るタイミングは、手を洗ったあと、家事のあと、寝る前。手が少し湿っているうちに塗ると、なじみやすくなります。

爪の縦線が、気になり始めたら

爪に細い縦の線が入るのは、年齢とともによく見られる変化です。爪をつくる部分の働きがゆるやかになることや、乾燥が関わっているといわれています。多くの場合は、心配のいらないものです。

ただ、縦線が目立つと、手全体が疲れて見えるのも確かです。私が気をつけるようになったのは、次のことでした。

いちばんは、爪のまわりの保湿です。ハンドクリームを塗るときに爪の根元までなじませ、そのうえでネイルオイルを一滴。爪の付け根をくるくるとマッサージするようになじませます。乾燥が落ち着くと、爪の表面も少しなめらかに見えるようになりました。

縦線が気になるからといって、爪の表面を削りすぎないことも大切です。磨けば一時的に平らになりますが、爪が薄くなってしまいます。表面を整えるのは、ときどき軽く、くらいがちょうどいいと思います。

私が使っているのは、植物性のネイルオイルです。茶道の稽古の日は、前日の夜に塗っておくようにしています。

otona nail ボラージシードネイルオイルotona nail ボラージシードネイルオイル(植物性キューティクルオイル)

爪のケアについては、40代のネイルと爪のケアにも詳しく書いています。

1本だけ黒や茶色の縦線が入った、爪が急に変形した、横向きの溝ができた。こうした変化があるときは、自己判断せず皮膚科で診てもらってください。

手の甲にも、日焼け止めを

手の甲のシミは、長年浴びてきた紫外線の積み重ねだといわれています。

顔に日焼け止めを塗るとき、そのまま手の甲にも伸ばす。まずは、これだけでも違います。ただ手は何度も洗うので、日焼け止めはすぐに落ちてしまいます。外に出る前や、手を洗ったあとに、塗り直す習慣をつけられるといいですね。

日差しの強い季節や、運転の多い日は、UVカットの手袋も助けになります。塗り直しの手間がないのが、いちばんの利点です。

UV手袋 ショートUV手袋 ショート UVカット99% UPF50+ 接触冷感 スマホ対応

※すでにできたシミが急に大きくなる、形がいびつ、色がまだら、といった変化がある場合は、皮膚科で診てもらってください。

家事のときの、手の守り方

食器洗いやお風呂掃除では、洗剤とお湯に長く手をさらすことになります。手荒れを防ぐいちばん確実な方法は、やはりゴム手袋です。

洗い物のあとは、手を拭いてすぐにハンドクリームを塗る。これは、ネイルの記事にも書いた私の習慣のひとつです。

ゴム手袋で手がかぶれたり、蒸れてかゆくなったりする方は、下に薄い綿の手袋をはめてから使うと、肌あたりがやわらぎます。ゴムの素材が合わない場合は、ニトリルなど別の素材のものを試してみてください。

夜は、手を休ませる時間に

日中はどうしても手を使うので、しっかり保湿できるのは寝ている間です。

寝る前に、ハンドクリームをいつもより多めに塗り、綿の手袋をはめて眠る。これだけで、翌朝の手の感触がずいぶん違います。クリームが布団につく心配もありません。手袋は、締めつけの少ない、通気のよいものを選ぶと、眠りの邪魔になりにくいと思います。

椿油を使っている方なら、寝る前に手の甲や指先に少しなじませるのもおすすめです。私は髪のお手入れに使っている椿油を、そのまま手先や肘にも使っています。

手を、ほぐしてあげる

ハンドクリームを塗るとき、ついでに手をほぐしてあげると、気持ちまでゆるみます。

親指で、もう片方の手のひらを円を描くように押していく。指を一本ずつ、付け根から先に向かって軽く引っぱる。指の付け根と付け根の間を、親指と人差し指でやさしくつまむ。

私はロミロミを学んだことがあり、手は人に触れる道具でもあると感じてきました。茶道でも、手は心を伝える道具です。自分の手をほぐす時間は、一日働いてくれた手に「おつかれさま」を言う時間でもあります。

※手首や指に痛み、しびれ、腫れがある場合は、無理にほぐさず、整形外科などで相談してください。

皮膚科に相談したいサイン

乾燥や手荒れは、ケアで落ち着くことも多いものです。ただ、次のような場合は、市販のクリームで様子を見続けずに、皮膚科を受診してください。

  • かゆみや赤みが続く、小さな水ぶくれができる
  • ひび割れから出血する、痛みで家事がつらい
  • ハンドクリームを塗っても、なかなか良くならない
  • シミやほくろが急に大きくなった、形や色が変わった
  • 爪に黒い線が入った、爪が急に変形した

手湿疹は、塗り薬で治療したほうが早く良くなることも多い皮膚の病気です。我慢しないで、早めに相談してみてください。

茶碗を包む手

お茶をいただくとき、茶碗を両手で包みます。その手のひらに、器のぬくもりが伝わってくる。茶道を始めてから、この瞬間がとても好きになりました。

手は、料理をして、洗い物をして、文字を打って、誰かに触れて。一日のうちで、いちばん休みなく働いている場所かもしれません。

顔と同じように、手にも少しだけ手をかける。お湯の温度を下げる、塗り方を丁寧にする、爪の根元にオイルをなじませる、手の甲にも日焼け止めを伸ばす。どれも、今日から変えられることばかりです。

飾らない手だからこそ、整えた分だけ、きちんと応えてくれる。茶室で自分の手を見て、そう感じています。

※本記事は一般的な情報と個人の体験のご紹介であり、診断や治療を目的としたものではありません。手荒れや湿疹が続く場合、シミやほくろ、爪に変化がある場合は、皮膚科を受診してください。初めて使うスキンケア製品は、パッチテストをしてからお使いください。茶道の作法は、教室や流派によって異なります。

※一部のリンクにはアフィリエイトプログラムを利用しています。ご購入者の費用負担が増えることはありません。

※あわせて読みたい:茶道の心については日常に生かす、茶道のこころ、爪のケアは40代のネイルと爪のケア、椿油の使い方は40代からの白髪と髪の整え方へ。

コメント

タイトルとURLをコピーしました