40代からの目のケア ― 老眼はいつから? ブルーライト、疲れ目、目元の変化とどう付き合うか

③【美容・健康】

スマホの文字を、少し離さないと読めない。そう気づいたとき、私は少しショックでした。「まだ40代なのに」と思いながらも、心のどこかでは「そういう年齢なんだ」と認めざるを得ませんでした。

40代の体の変化はいろいろあります。疲れが抜けにくい、肌が乾く、髪がうねる。けれど目の変化は、それらとは少し違う気がします。毎日必ず使うものだから、見えにくくなると、暮らしそのものが不便になってしまうのです。

この記事では、老眼が始まる年齢と仕組み、ブルーライトとの付き合い方、目の奥の疲れをほぐす意外なポイント、食べものでできること、そして目元の変化について、私自身が試してきたことを中心にまとめました。

※本記事は一般的な情報と個人の体験のご紹介であり、診断や治療を目的としたものではありません。見え方に変化を感じた場合は、必ず眼科を受診してください。

老眼は、いつから始まるのか

意外に思われるかもしれませんが、目のピントを合わせる力(調節力)の低下は、10代からゆっくり始まっているとされています。ただ、日常生活で困るほどになるのは、40代に入ってからです。

一般的には、40歳前後から自覚症状が出やすくなり、45歳頃には老眼鏡を必要とする人が増えてきます。50代前半になると、ほとんどの人が何らかの老眼症状を感じているといわれます。ただし個人差は大きく、早い人では30代後半から気づくこともあります。

年代ごとの、見え方の変化

40代では、暗い場所や細かい文字が見えにくくなったり、ピントが合うまでに少し時間がかかるようになったりします。40代後半から50代にかけては、近くのものがはっきり見えにくくなり、スマホや本を自然と離して見るようになります。60代以降は、調節力がさらに低下していきます。

こんなサインはありませんか

  • スマホを少し離さないと見えない
  • 暗いレストランでメニューが読みにくい
  • 近くを見たあとに遠くを見ると、ぼやける
  • 夕方になると、とくに見えにくい
  • 細かい作業のあと、目がひどく疲れる

ひとつでも当てはまれば、老眼が始まっているのかもしれません。とはいえ、これは誰にでも起こる自然な変化です。「衰え」と構えすぎなくて大丈夫です。

なぜ、40代で気づくのか

目の中には「水晶体」というレンズがあります。若いうちはこのレンズが柔らかく、近くを見るときにふくらんでピントを合わせてくれます。ところが年齢とともに水晶体は少しずつ硬くなり、ふくらみにくくなっていきます。その結果、近くにピントが合いづらくなる。これが老眼の仕組みです。

困りやすいのは、30cm前後の距離です。スマホを持つ位置、本を読む距離、手元の作業。日常でいちばん使う距離だからこそ、不便を感じやすいのだと思います。

ピントを合わせる力は10代をピークに下がり続けますが、40代までは、残っている力で何とか補えていました。その「何とか」が効かなくなるのが40代。だから、この年代で気づく人が多いのです。

進行は止められるのか

正直にいうと、加齢による変化なので、老眼そのものを止めることはできません。それでも、目を酷使しない、疲れをためない、自分に合った矯正をする。こうした工夫で「困り方」は軽くできます。治すというより、上手に付き合う。そう考えるほうが現実的だと感じています。

近視・遠視の人は、どうなる?

「近視の人は老眼にならない」という話を聞いたことがあるかもしれません。でも、これは正確ではありません。

近視の人も、メガネやコンタクトで遠くを矯正している状態なら、ほかの人と同じように老眼を感じます。メガネを外すと近くが見えることがあるため「裸眼なら読める」という状態になり、それが「老眼にならない」と言われる理由です。老眼が進んでいないわけではありません。

反対に、遠視の人は老眼を早めに感じやすい傾向があります。もともと近くを見るときに調節力を多く使っているため、その力が落ちてくると、人より早く影響が出やすいのです。

遠近両用という選択

40代で老眼鏡をかけることに抵抗がある方は多いと思います。私もそうでした。けれど最近は、遠近両用のメガネやコンタクトの種類も豊富で、見た目ではほとんど分からないものもあります。無理にピントを合わせ続けるほうが目を疲れさせることを考えると、早めの矯正もひとつの選択肢です。

※どの矯正が合うかは、目の状態によって異なります。眼科や眼鏡店で検査を受けてから選んでください。

ブルーライトと、どう付き合うか

ブルーライトは、目に見える光の中でも波長が短く、エネルギーが強い光のことです。スマホやパソコン、LED照明などから出ていますが、もともと太陽光にも含まれています。「人工的で危険な光」というわけではありません。

目の疲れとの関係

波長の短い光は散乱しやすく、ピントを合わせるのに余計な力を使うため、目が疲れやすくなるといわれています。ただ、画面を長時間見続けること自体の負担も大きく、光の色だけが原因とは言い切れません。

睡眠との関係は、見解が分かれています

「夜にブルーライトを浴びると、眠りを促すホルモンの分泌が抑えられる」。長く、そう言われてきました。

一方で近年は、スマホ画面の光量はそもそも睡眠に大きく影響するほど強くない、色より明るさのほうが影響する、といった研究も出てきています。さらに、寝る前のスマホがよくないのは、光よりも見ている内容のせいではないか、という見方もあります。SNSやニュースを見て頭が冴えてしまう。そちらのほうが、眠れなくなる原因として大きいのではないか、という考え方です。

現時点では、はっきりした結論は出ていません。だから私は、「光が原因かどうか」よりも「寝る前に何をしているか」を見直すようにしています。画面の明るさを落とすことも、見る内容を選ぶことも、どちらもすぐにできることです。断定された情報をそのまま信じすぎないことも、40代になって身についた習慣のひとつかもしれません。

20-20-20ルール

いちばん実践しやすいのが、この方法です。

20分作業したら、20フィート(約6メートル)先を、20秒間見る。

遠くを見ることで、ピントを合わせる筋肉が休まります。6メートル先が難しければ、窓の外を20秒眺めるだけでも構いません。

画面との距離と明るさ

画面との距離は、スマホなら30cm以上、パソコンなら50cm以上が目安とされています。画面の明るさは、周囲の明るさと同じくらいに。暗い部屋で明るい画面を見るのが、いちばん疲れます。

スマホやパソコンには、画面を暖かい色合いにする「ナイトモード」もあります。効果については議論がありますが、画面がやわらかく見えて目が楽に感じる方もいます。設定しておくだけなので、試してみる価値はあると思います。

まばたきを意識する

画面を見ているとき、まばたきの回数は普段の3分の1ほどに減るともいわれます。すると目が乾き、疲れやすくなります。意識してまばたきをするだけでも、違いを感じられます。

ブルーライトカット眼鏡について

効果については、さまざまな見解があります。疲れにくくなったと感じる方もいれば、変わらないという方もいます。試してみて、自分に合えば使う。そのくらいの距離感でよいと思います。

目の奥の疲れは、首から来る

なんとなく目の奥がじんわり重い。そんな違和感を覚えることが増えました。ホットタオルや温かいアイマスクを使うと一時的に楽になるものの、しばらくするとまた重さが戻ってきてしまいます。

そんなとき、鍼灸の先生に教えてもらったことがあります。「目の疲れは、目の周りだけでなく、首や肩まわりの緊張から来ることも多い」。目からうろこでした。

首の後ろにある、2つのツボ

東洋医学では、首の後ろにある「天柱(てんちゅう)」と「風池(ふうち)」というツボが、目の疲れと関わるとされています。天柱は首の後ろ、髪の生え際のくぼみにあり、風池はその少し外側にあります。施術でも、目の周りを押すより先に、背中や首をほぐす時間のほうが長いのだそうです。

※ツボは東洋医学の考え方に基づくもので、医学的に効果が証明されたものではありません。

私が続けているセルフケア

私は、凹凸のあるフォームローラーを使っています。仰向けに寝て、首の後ろにローラーを当て、10〜15分そのまま過ごすだけ。手でツボを押すよりも深く、じんわり届く感覚があり、体が自然とゆるんでいきます。

続けてみて感じたのは、目の奥の重さがやわらいだこと、終わったあとに視界がすっきりすること。そして予想外だったのが、気分が安定しやすくなったことでした。疲れ目の日はイライラしたり落ち込んだりしがちでしたが、首の緊張がほぐれると、気持ちまで穏やかになるのを感じます。

フォームローラーがなくても、蒸しタオルを首の後ろに当てる、湯船で首までつかる、手でやさしくほぐす、といった方法があります。「目だけでなく、首も」。この視点を持つだけで、ケアの仕方が変わってきます。

※首に痛みやしびれがある場合は、自己流のケアは避け、医療機関にご相談ください。

食べもので、できること

ルテインという成分

目の健康について語られるとき、よく登場するのがルテインです。カロテノイドの一種で、目の網膜、とくに黄斑部に多く存在するとされています。体内では作られないため、食事から摂る必要があります。

食材特徴
ほうれん草含有量が多い
ケール生でも食べられる
ブロッコリー手に入りやすい
かぼちゃ甘みがあり、食べやすい
とうもろこし黄色い色素に含まれる
卵黄吸収率が高いとされる

ルテインは脂溶性なので、油と一緒に摂ると吸収されやすいとされています。

クコの実という選択

クコの実(ゴジベリー)は、ルテインやゼアキサンチンを含むことで知られています。中医学では「肝」と「腎」を補う食材とされ、古くから目との関わりで語られてきました。「目の疲れにクコの実」というのは、ずっと昔から言われてきたことなのです。

私は、朝のスムージーに大さじ1杯入れています。ケール、ブルーベリー、クコの実を合わせると、目に関わる成分を一度に摂ることができます。乾燥したままブレンダーに入れても、ほかの材料の水分で撹拌中にやわらかくなります。ヨーグルトにのせたり、菊花茶に浮かべたり、おかゆに散らしたりしてもおいしくいただけます。ほんのり甘く、少し独特の風味があります。

※クコの実は、血液を固まりにくくする薬との相互作用が報告されています。服薬中の方は、医師または薬剤師にご相談ください。妊娠中の方も、摂取を控えるほうが安心とされています。

そのほかに意識したい成分

ブルーベリーやカシス、紫いもに含まれるアントシアニン。にんじんやかぼちゃ、レバーに多いビタミンAは、粘膜の健康に関わるとされています。青魚やえごま油、亜麻仁油に含まれるオメガ3は、ドライアイとの関連が研究されています。

食べもので「治る」わけではありません

ここは、はっきりお伝えしておきます。これを食べれば目がよくなる、という食材はありません。あくまで日々の食事の中の、ひとつの選択肢です。見え方に変化がある場合は、必ず眼科を受診してください。

目元の変化と、スキンケア

目元の皮膚は、顔の中でもっとも薄いといわれています。そのぶん乾燥しやすく、刺激に弱く、年齢も出やすい場所です。

40代になって、目の下のくぼみやくすみ、小じわ、まぶたのたるみが気になり始めた方も多いのではないでしょうか。「疲れてる?」と聞かれることが増えたら、目元の変化かもしれません。

同じ顔でも、目元が明るいと表情まで違って見えます。メイクで隠すより、根本から整えたい。40代になって、そう思うようになりました。

基本は、3つ

いちばん大切なのは、こすらないこと。メイクを落とすとき、つい目をこすっていないでしょうか。薄い皮膚にとって、摩擦は大きな負担になります。

次に、保湿すること。乾燥は小じわの原因になるので、顔全体のケアのあとに、目元にもうひと手間かけます。

そして、温めること。血流が滞ると、くすみやクマにつながるとされています。蒸しタオルやホットアイマスクで、じんわり温めてあげてください。

目元専用のケアという選択

顔用のクリームだけでは物足りないと感じることもあります。目元専用のものは、薄い皮膚に配慮した設計になっているものが多いです。私が気になっているのは、目の下に特化したタイプ。くぼみやくすみが出やすい場所に絞ってケアするという発想は、理にかなっていると感じます。

アイキララII

目の下を明るい印象へ導く『アイキララII』

※目元はとくにデリケートな部分です。初めて使う製品は、必ずパッチテストを行ってください。異常を感じた場合は使用を中止し、皮膚科にご相談ください。

生活習慣も、影響します

目元の変化は、外からのケアだけでは限界があります。寝不足はいちばん顔に出ますし、冷えて血流が悪いとくすみやすくなります。塩分のとりすぎは、むくみの原因になることも。画面を見続けると、目元の筋肉も疲れてしまいます。

40代からの、眼科検診

電光掲示板が、かすんで見えた日

これは、私自身の体験です。

40代を過ぎたある日、通勤電車でふと違和感を覚えました。駅の電光掲示板の文字が、かすんで見えたのです。目をこすっても、まばたきをしても、すっきりしない。おでこや眉のまわりに、重いような痛みも続いていました。なんだかおかしいと感じて、念のため眼科を受診しました。

検査の結果、経過を見る必要があると言われました。自覚症状がほとんどなかったぶん、かなりショックでした。それでも、早めに気づけたことが何より大きかったと、今は思っています。

なぜ、40代の検診が大切なのか

目の病気の中には、初期に自覚症状が出にくいものがあります。「見えにくい」と感じる前に、ゆっくり進行していることも少なくありません。40代は加齢に加えて、スマホやパソコン、乾燥、ストレス、血流の変化など、目への負担が増えていく時期でもあります。

こんなときは、眼科を受診してください。

  • 見え方に変化を感じたとき
  • かすみ、ゆがみ、視野の欠けがあるとき
  • 目の奥の痛みや頭痛が続くとき
  • 急に飛蚊症が増えたとき

そして、症状がなくても、40歳を過ぎたら一度は検診を受けておくと安心です。「見えているから大丈夫」。私も、そう思っていました。

検査は、痛くありません

眼科は怖い、と感じる方もいるかもしれません。でも、視力検査や眼圧検査、眼底検査といった基本的な検査は、痛みを伴うものではありません。30分から1時間ほどで終わることが多いので、どんな検査をするのかを知っておくだけでも、ハードルが下がると思います。

見えている今だからこそ

私は今、定期的に受診しながら、日々の暮らしでも目をいたわるようにしています。朝のスムージーにクコの実を入れること、日傘やサングラスで紫外線を防ぐこと、首の後ろをほぐすこと、画面との距離と時間に気をつけること。どれも特別なことではありません。

40代で老眼鏡を使うことに、抵抗を感じる方もいると思います。私もそうでした。けれど、無理にピントを合わせ続けるほうが、かえって目を疲れさせます。見えにくさを我慢しなくていい。そう思えるようになってから、ずいぶん楽になりました。

目の違和感やかすみ、疲れを「年齢のせい」で片づけないこと。それが、5年後、10年後も心地よい視界で暮らすための第一歩だと感じています。

目は、毎日休まず働いてくれています。まずは今日、20分作業したら、窓の外を20秒眺めてみる。そんな小さな休憩から始めてみてください。

※本記事は一般的な情報と個人の体験のご紹介であり、診断や治療を目的としたものではありません。見え方の変化、かすみ、視野の欠け、目の痛み、急な飛蚊症の増加などがある場合は、必ず眼科を受診してください。持病のある方、服薬中の方は、サプリメントや食品の摂取について、医師にご相談ください。

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